　思い出の一品。

　茄子の時期になると実家でよく出てくる料理で、大好きだった。最近買ったナスを持て余していたので「そういえばあれって……」と母に聞いてみたらそんなに難しくなかったので、作ってみたら天国が見えた。

　まず、ナスのへたを落とす。茄子のサイズによって２枚か３枚に縦に薄く切り、一番外側の皮も少しそぎ落としておく。これを揚げ物には少なく焼き物には多すぎるくらいのサラダ油で両面に軽く焦げ目がつくくらいまでよく焼く。焼きあがったらキッチンペーパーを敷いたお皿に移し、皮を剥いて食べる。調味料は何といっても醤油がおいしい。ぜひお試しあれ。カロリーオーバーとか言うな。

　久しぶりに食べたが、なるほどあの時に負けず劣らずのとろけそうなナスの身、たっぷりの油を含んでコクのある味わい、素晴らしい。幼少のころは母に「早く皮剥いてよ」とねだっていたのも思い出される。郷愁。別に実家は茄子を作っているとかそういうわけではないのだが、ほかにも蒸しナスとかナスのお味噌汁とかおいしいものをいっぱい作ってもらった記憶がある。

　ナスのお味噌汁は汁が黒ずみやすいのがネックとのことだが、おいしい。フリーズドライの揚げナスの味噌汁もうまみたっぷりでいいが、そのままのナスもさっぱりとしておいしかったことをここに報告しておく。