23皿目 松坂牛のカレー

 おそらく己の生涯で1番うまかったカレー。


 いつものようにスーパーで割引食材をあさっていたところ、割引肉のコーナーでとんでもないものを発見した。表題にある松坂牛である。普段なら絶対手を出さないお肉ではあるが、消費期限が本日。さらに夕方。価格は半額どころか3分の1くらいになっていた。

 手が届く。

 つい買ってしまった。

 しかし、焼き肉にするには量が心もとない。あっという間になくなってしまうだろう。それにもう色も悪くなってきていて、しっかり火を通さないと怖い。そういうわけで、カレーにした。カレールーもちょっといいのを買った。具はその松坂牛と玉ねぎだけのシンプルなカレーだ。


 これが本当にうまかった。


 肉の風味がカレーの味に全く負けておらず、しかもルーと喧嘩するでもなく調和している。ちょっといいやつとはいえスーパーで買ったカレールーがあっという間に料亭の味、いや料亭でカレーライスは出ないであろうから高級レストランの味とでも言おうか。

 結論として松坂牛はすごい。

 このエピソードとともに「もうこんないい肉に一生縁はないかも」という話を友人にしたら「次は違う銘柄の肉に縁があるかもしれない」と言われた。そうであってほしい。

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