第6話 空間転移。
今日は午後からレイアお姉様のお茶会に呼ばれてる。
普段あたしは離宮。お姉様たちは王宮に住んでるからほんとなかなかお会いすることもない。
迎賓館を使って貴族の子弟を集めてお茶会するって話であたしも呼んで貰えたのだ嬉しい。
メーベラにおめかしをして貰って一応お気に入りのドレスに着替えたあたし。やっぱりね。こんなあたしでも恥ずかしい妹みたいに思われるのは嫌だから、今日のお茶会は失敗できないよ! って気合が入る。
レイア姉様は大人しくて優しくて。あたしにだって普通に優しくしてくれる良い人だけど。やっぱり他の貴族の令嬢とかも集まると思うと緊張するの。
お母様の身分が低いから子供の所作も鄙びてるとかそういう風に噂されたりしたら悲しいし。
まあ確かにね。お母様は平民だったって聞いた。だからあたしの後ろ盾になってくれるような親戚は一切居ない。
平民の血を引く第三王女だなんて、利用価値もあまりなさげなのもなんとなく感じてる。
これがまだ男の子だったらよかったかもだけど女子のあたしじゃぁね。
いくら王族と婚姻を望んだ貴族が居たとしても、自分の家に平民の血が入るのを快く思わない貴族は未だ多い。
やっぱり貴族と平民じゃ基本の魔力量が違うしね?
うちのお母様は特別だった。平民なのに貴族並み、ううん、それ以上の魔力量を誇って。
貴族の中でも王族が持つ魔力量は高い。だから元々王族の結婚相手はそんな魔力量の高い大貴族から迎えられるのが通例で、側室とはいえお母様はほんと例外だったのだ。
だから。遺伝なのかな? あたしの魔力量は普通の貴族よりも多かったりするんだけど、そんなことはほかの貴族にはわからないことで。
わたしを見る貴族の人たちの一般的な見方は、片親が平民の第三王女、に過ぎない。
このまま結婚相手も見つからないようだったらもしかしたらこの先、宗教施設とかに押し込められる運命が待ってるんじゃ無いかとか、そんなことまでも考えてしまう。
行き場のないあたしの運命なんてそんなものかもしれない、とか、そんなマイナス思考に陥って。
お昼過ぎにセバスが馬車でお迎えに来てくれた。数人の侍従とあたし、そしメーベラで馬車に乗り込んで迎賓館まで進む。
そんなに遠いわけではないけど城下町の大通りを横切って進む馬車。
その窓から外を眺めてて、あたしはとんでもないものを目撃してしまった。
屈強な男たちが数人、一人の小さな女の子の首に縄をつけて連れ回していたのだ。
そんな光景を見た瞬間、あたしは激昂し、「セバスお願い、馬車を止めて」と、口走ってた。
「いけません
そう一蹴され。
いつもだったらシュンとしてしまうところだったけどこの時はほんと頭に血が昇ってたのもあって我慢が出来なくて。
「ならいい!」
と、一言答えるとそのまま馬車の外に跳んだ。
心の奥のゲートから見えざる手を伸ばし見える範囲の
そしてその
まだ目に見える範囲、数メートルの距離でしか使えないけど。
場合によっては歩いたほうが早くてあまり役には立たない魔法だけれど。
あたしはそんな魔法、『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます