第33話 10万人記念・凸待ち配信!(ばぶぅ!ばぶばぶ!)
「待たせたな眷属達よ。ヘブンズライブ所属、宵月レヴィアである!
さて、今宵行っていくのは……10万人記念凸待ち! 凸来るまで赤ちゃんプレイでフォールンガイズ~~~‼」
[ コメント ]
・は? おむつ買い足したよ
・は? ガラガラ買ったよ
・は? おしゃぶり要る?
・は? 哺乳瓶温めたよ
「お構いなく。もう準備してある! それよりもみんな、なんでそんなに準備万端⁉ 哺乳瓶温めてる気遣いが素敵じゃの⁉」
[ コメント ]
・準備してんの⁉
・やばい、こいつガチだ
・大丈夫だよ、パパがいるからね
・ママ来るかな……それまでパパとゲームで遊ぼっか
最近リスナーのファンネームを眷属からパパに変えようかと思っています。
あぁ……どうしてこんなことに…………
たしか、保健室で―――――――。
『10万人記念凸待ちかぁ~~~、前言ってた凸待ちで人来るたびに一歳年を取る赤ちゃんプレイしてほしいなぁ~~~~』
『 その話、詳しく 』
会わせちゃいけない二人だって分かってたけども!
「……という訳なので、妾これから0歳児になるからの。挨拶したら若返るから、眷属のみんなには『こんレビ』言って欲しい。
さぁっ、行っくぞぉー‼ 邂逅を告げし鬨の声を上げようぞ! こんレビーーーーーー‼‼」
[ コメント ]
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
・こんレビ
「うわぁぁぁぁぁぁああああーーーーーーーーばぶぅぅぅぅーーーーーーー‼‼」
[ コメント ]
・なんだこの茶番
・必要? ねぇこれ必要?
・そう言いながら、ちゃんとやってあげるみんな好きよ
・挨拶したら赤ちゃんになるなんて、堕天使の生態は神秘的だなぁ
・待って、じゃあ挨拶次第でロリにも出来るのか
「ぁいっ! あむあむ……マッ!」
――――だれか。
「ふわぅうう……ぅ? あっ、きゃいきゃい」
――――だれか、いませんか。
だれか、聞いて、くれませんか。
私は今『フォールンガイズ』というゲームをしております。
ポップで可愛いぬいぐるみみたいな堕天使を走らせてジャンプして、ゴールする。そういうシンプルなゲームです。
初めてプレイするので、私はおっかなびっくりトコトコ進めたら無邪気に笑い、ぴょこんと可愛くジャンプできたら無邪気に喜びます。
でもね、このゲーム――――他人を蹴落とすゲームなの。
「あぃいいいいい‼ だぁっ、やぁっ、ぷぁ⁉」
ガシッと、他プレイヤーに掴まれる。
「だーーーーーーぶーーーーーーーー‼」
そうしてゴール直前だった私は落とされた。
パンパンと、赤ちゃんっぽく台を叩く。
先着40名のプレイヤーだけが次のステージへ進む。
私はさっきから第一ステージすらクリアできず、ただオギャるのみ。
「ふぁぁ……ぇぐっ、ふぇぇ……ぇええーーーん……ぅええええええん」
[ コメント ]
・カワ(・∀・)イイ!!
・はぁ~~~~カワイイ
・かわいい
・どちたのぉ
・クリアできないねぇ
・がんばれがんばれ、パパが付いてる
・レヴィアちゃん、クリアがんばって~~~
だれか、だれか早く凸しに来て! 私を成長させてぇぇえっ!
赤ちゃんは1歳から簡単な単語を言える。
2歳で『ママ、来て』っていう簡単な文。
3歳からは簡単な受け答えができる。
3人!
3人だ! 3人来たら、喋れる!
もう嫌なの、0歳児はもうキッッツイの!
「あぅー」とか「ばぶー」だけじゃ、もう限界なの!
「ふぁぅううう、ひっ、うぇぇーーーーーん! えーーーーーーんえぇぇーーーーん!」
[ コメント ]
・はぁーーーーかわいい
・あーーーーーかわいい
・一週間続いた風邪が治りました。天使の奇跡ありがとうございます
・パパがここにいるからね
・育てたい……養いたい……
・俺この子のために明日も生きる
・クリアできなくて、ぐずっちゃったね
・泣かないで~~~ほら、おしゃぶりだよ~~~
―――――――アッ
コメントに流れた『おしゃぶり』という単語を……伽夜ちゃんが捉えた。
準備してあったおしゃぶりを持って……私の口に近づける。
やだ……やだよ! 妹におしゃぶり付けられるなんてヤダよぉ‼
口をンムッと閉じて、イヤイヤと首を振る。
でも伽夜ちゃんは慈愛溢れる目で、私の頭を優しく撫でて…………おしゃぶりの柔らかいところが唇の先に当たった。
おねがい―――――だれかきて。
私、大きくなりたいよぉぉおおおおお‼‼
ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。
無心で吸ってたら、第二ステージに進めた。
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