第11話 菜々子SOS11

「手塚先生的にストーリーは13構成らしい。」

 日常、事件、決意。

 苦境、支援、成長、転換、試練、危機、糸口。

 対決、排除、満足。

「最初と最後は簡単ですね。日常はおうちでゴロゴロ。事件は私のミカンがない!? 決意は私のミカンを食べた奴は絶対に地獄に落とす! です。アハッ!」

「怖いことを平気で言うな。」

 最初の5分はこんなものである。

「次に真ん中は飛ばして、最後の戦いと。対決はチタマ! 私のミカンを食べやがったな! 絶対に許さないぞ! 排除がハイパーメガ粒子砲! 満足がミカンの恨みは恐ろしいのだ! ああ~スッキリした。ミカン畑にミカンを取りに行こう。」

 菜々子は空を飛んでミカンの名産地までミカンを取りに行くのであった。

「俺は殺されるのか?」

「はい。おまえはもう死んでいます。アハッ!」

 さすが悪魔の戦闘員ゴエティアの菜々子。

「問題は真ん中ですね。事件を解決する決意はするものの最初が苦境です。」

「苦境は事件の謎が分からない? いったい犯人は誰なんだ!? だね。」

「そこに支援がやってくる。困っているとお友達の明日香がやって来て一緒に謎を解こう! 犯人を捜そう! と支援を受ける。」

「成長は二人で頑張ればミカン泥棒を倒せるはず! がんばるぞ! おお! と成長していく二人。」

「転換は・・・・・・もしかしたら犯人は身内の犯行かもしれない!?」

「そうだね。外からは家には侵入できないからね。」

「試練はいったい誰がミカンを食べたんだ? チタマか? それとも明日香? はたまた私?」

「危機は犯人は・・・・・・菜々子! おまえだ! なぜなら食いしん坊で毎日ミカンばっかり食べているからだ!」

「なんですと!?」

 自分で調べて、自分が犯人という可能性。

「糸口がムムムッ! チタマの口にミカンの甘い汁を感じるぞ! ミカンを食べたのはおまえだな! チタマ!」

「ふっふっふ。ふがいっぱい。バレたからには仕方がない。死んでもらうぞ! 菜々子!」

 これでミカン殺人事件が完成。


「全てが全て手塚先生の構成で当てはまる訳ではないですが、最初と最後はほぼ、どの全作品も同じですね。」

「同じストーリー構成の繰り返しでは人間が飽きてしまいます。「私、失敗しないので。」最初は面白かったけど、もう見てない。すると最終回で終わった。で、過去の成功作品として、間を開けて復活。懐かしいのと他に面白い番組がないと見るのだろう。」

 まあ、若者はユーチューブで大食いかエロを見ているのだろうけど。テレビは面白くない。お笑い芸人も面白くない。チャンネルの増え過ぎとテレビ局と芸能事務所の大人の関係ばっかり。

「ジャニーズ、エグザイル、AKB、お笑い芸人は見ない。なぜ? なぜ? 胡散臭い。人身売買。大人の接待。」

 分かってくるとブラック。チャラい、ヤンキー、風俗。

「テレビで見そうなものか・・・・・・。冒険も戦闘もライブも、女子アナにやらそうか?」

 昔の赤坂の女子アナのツボは過酷だった。田中みなみが退社するぐらいに。モラルがあって、実際、コネ入社ばっかりだが倍率は20倍以上で人気があり、普通は絶対にやらない常識人と思われている女子アナ。

「実際はスポンサーの接待の飲み会ばかりでセクハラされまくりで嫌だとは女子アナはよくトーク番組では発言している。」

 まだ現在の男女アイドル、俳優、女優よりはアナウンサーの方がマシか。それでいくと今一番人気がある者が声優さんになっちゃうぞ。

「アフレコ! 終了!」

 戦い、冒険、ライブを終えたらアフレコ終了の決めゼリフ。声優がアフレコ開始で異世界にダイブ。冒険、戦闘、ライブを行うと。タイトルは、戦う声優さん。


「う~ん。自分で何かを創作するより、テレビを見る、漫画を読む、ゲームをする、何もしないでボーっとする方が楽だな。」

 どれだけ考えても過去の作品と同じ展開になってしまう。

「諦めないで。諦めたらそこで終わりですよ。」

 宝くじ。買わなければ当たらない。勝っても当たらないけど。アハッ!

「人間は支離滅裂である。無い物ねだり。どれだけあがいても手に入らないものは手に入らない。」

 創作では暇すら潰せないのか? 創作活動って辛いのに。もう楽しい時期ではない。

「普通でいいのか? まあ、普通しか一般大衆には伝わらないだろうし。分かり抜くいし。単純でいいのだ。」

 そう言い聞かせなければ前に進めんな。

「考えるな! 普通でいい! 普通でいい! と自分に言い聞かせよう。」

 こんなやり取りを何度やっているのだろう?

「普通の人間は普通の物語ができない。」

 私は新しい物が生み出せなかった。普通の同じことの繰り返しまで自分を下げよう。

「普通でいいんだ!」


「それでいくと私の地球SOSのゴエティアも普通の物語なんだよね。」

 菜々子とチタマは自分たちの世界に戻ってきた。

「例えば異世界ファンタジーなら、クエストが薬草を取りに行くでよい。これを現代劇に置き換えると菜々子、コンビニにジュースを買いに行くになる。」

 普通に置き換え。

「異世界なら薬草を取るまでにスライムと戦いながらダンジョンに行きボスと戦う。そして薬草をゲットして目的を達成する。」

 これを菜々子に置き換えると、コンビニに行くまでにヤンキーに出会いハイパーメガ粒子砲でぶっ飛ばす。コンビニで万引き犯をハイパーメガ粒子砲で吹っ飛ばす。普通にジュースを買ってコンビニから帰ってくる。

「なんのひねりも無い普通の物語だな。進撃の菜々子。毀滅の菜々子って感じ。」

 もっと何かできないものか? でも、それで袋小路に落ちていったのだ。深く考えることはやめておこう。

「これでウルトラマンや仮面ライダーなら1話1匹の敵を倒して終わりの同じことの繰り返し。ドラえもんなら1話1個の新しい道具を出して終わりの同じことの繰り返し。」

 ガンダムも何十回と同じことの繰り返し。ラブライブも4回目の同じことの繰り返し。

「結局は売れたタイトルにしがみつき、少しタイトルを変えて同じ内容を繰り返した方がウケる。」

 それでお客様の一般大衆が良いというなら良いのだろう。一般大衆からお金を巻き上げられる限り同じ作品は作り続けられる。

「深く考えるな。キングダムなんて三国志と同じことの繰り返しだ。毀滅もるろうに剣心と同じことの繰り返し。進撃もドラクエの一部分でしかない。」

 そう考えると何も新しい物などない。きっと普通でいいのだ。普通でもヒット作になるのだから。


「毎回、他の次元の世界からやって来た者と戦うにしますか?」

「それをやってゴエティアを1話1体に登場させたが、同じことの繰り返しで飽きて、今彷徨っているんでしょ。」

 ごもっとも。

「こういう時に12黄金宮や海底7柱とか、リーグ戦、トーナメントがいいのか?」

「悪魔超人7人にミートくんがバラバラの体を奪い合ったり、ゴールド聖衣や金のマスクの争奪戦、王位継承のトーナメントとかもありましたね。ドラゴンボールを7つ集めるとか、海賊王になるとか、黒の組織を倒すとか。」

 最初に道を決めてあげると、それが終わるまではストーリーを考えなくて良いので楽。

「でも、これでいくとドラえもんやアンパンマンの1話1新しいアイテム、1話1新キャラクターではなくなってしまう。続けて見ないといけない仕様になってしまう。」

 1話完結モノでないと新規のお客さんやたまに見る人が安心して見れない。まあ、いいか。それが小説だと言い聞かせよう。アハッ!

「72体のゴエティアを倒そう。」からの「72体のゴエティアと共に戦おう。」は定番のパターンか。

 そうだ。定番と王道を目指そう。何ら他の作品と代わることのない同じことの繰り返し。既存のヒット作品もそんなものばかりだ。定番王道を極めよう。


「でもゴエティア72体を倒すのも3万字位で終わったような。」

 まあ、1話完結に関しては極めているからな。といってもハイパーメガ粒子砲を打ち込んで終わりである。でもそれって北斗の拳や聖闘士星矢みたいなもので正義が勝つのよね。

「全ては伏線か?」

 伏線を考えるのは久しぶりだな。誰にでも分かりやすい1話完結モノを目指してきたからな。今までの自分を全否定だ。アハッ!


「水? 水の中?」

 少年は水の中にいる。

「息ができる? 苦しくない?」

 少年は水の中にいるのに呼吸ができた。

「それはあなたが水の騎士の生まれ変わりだからです。」

 どこかからか少女の声が聞こえてくる。」

「水の騎士? なにそれ?」

 少年は何のことかわからない。

「あなたは水に選ばれた者なのです。」

 更に少女は呟く。

「水に選ばれた者? いったい何を言っているの? 君は誰?」

 少年には何も分からない。

「私は水の精霊ウンディーネ。」

 少女の名前は水の精霊ウンディーネ。

「ウンディーネ?」

「お願い! この地球を救ってください!」

 ウンディーネは地球の平和を願っていた。


「はあっ!?」

 少年は夢から目が覚める。

「なんだったんだ!? 最近よく見る夢だったな!? はあはあ・・・・・・。」

 悪夢を見たかのようにうなされる少年。

「ウワアアアアアー! 何じゃこりゃ!?」

 そして少年は水に選ばれた者らしくお漏らしをしていた。


「ゴホン。何も変わらない定番王道の物語の始まりですな。もう、これでいいのだ。」

 再びチタマに戻って来る。

「異議あり! 私が主役ではなくなっていますよ! 絶対に許せません!」

 菜々子は心の狭い人間である。

「ここでまた名前問題ですね。さすがに水の精霊ウンディーネをマスコットキャラクターに使うとなると、キャラクターネームには使えません。」

「名字はセーラムーンをリスペクトして、水野くんで良いです。問題は名前ですな。」

「水をイメージさせる名前はなんでしょうね?」

「蒼(アオイ)。」

 現行では2020年の流行の名前的にも蒼が妥当である。女の子の名前であれば、渚、滴、凪とか可愛いのがいくらでもあるんだけどね。珍しく男主人公をメインで試行中。


「まだ人類が生まれる前、地球は精霊だけの世界で平和でした。しかし、ある時、悪い精霊が現れて地球を支配しようとしました。良い精霊たちが立ち上がり、悪い精霊を倒しました。その時、精霊たちは命が尽きる前に人間の使用できる道具に託して。


 つかの間の平和が終わろうとしていた。倒されはずの悪い精霊が魔王として姿を変えて甦り再び地球を支配しようとする。それと同時に人間の中にも魔王を倒そうとする者たちが現れる。人間は良い精霊たちの残した伝説の装備をを手に魔王と戦い魔王を倒すのでした。そして地球は深い眠りに着きます。


 再び目覚めた人間は精霊の存在を忘れていました。素晴らしい科学技術の進化。物やお金の私利私欲に走った人間同士が戦争範囲を広げていった。そう、悪い精霊は人間の心に生まれ変わったのだ。人間の悪意が地球環境を破壊し始めた。」


「完璧なあらすじだ。」

「これだけで書けるんだからパクリだ同じことの繰り返しだと言わずに物語だけ作り続けていればいいのにな。」

 チタマと菜々子は呆れる。

「それに私はどうなるんですか!?」

「菜々子は未来から来た女の子として普通に登場すればいいのではないだろうか?」

 いろんな世界のキャラクターが入り乱れている世界で良いのだろう。

「現代は普通の人間では生きていけない。僕ヒーなら個性。聖闘士星矢ならコスモ。ドラゴンボールなら気。」

 水の魔法。原神は水の元素。・・・・・・たいしてどちらも変わらん。置き換えただけ。私と変わらんレベルだ。実際に世の中に出ているプロや会社の作品がパクリスペクトなんだもんな・・・・・・。素人がこだわって考えるだけ馬鹿馬鹿しくなる。

「水・・・・・・。水は水。魔法の時もあれば、水の現その時もある。水が刀の時もあれば、水が巨大ロボットの時もある。」

 名称は、水を司る者にしよう。水野蒼。正に水なキャラクターだ。

「ここにたどり着くまでにどれだけの頭痛に見舞われたか。」

「努力は必ず報われるです。アハッ!」

 このノリなら火の精霊サラマンダーは、火を司る者、火野焔(ホムラ)とかでいいんだもんね。これで頓挫せずにキャラクターを作り続けられるだろう。アハッ!


「で、私の処遇はどうなるんですか?」

 菜々子はチタマに詰め寄る。

「だから未来から来た・・・・・・? バエルって属性は光か? ゴエティアの悪魔なんで滅茶苦茶、悪、闇、暗、魔、黒、毒、病とか悪いイメージなんだが?」

「私はハイパーメガ粒子砲を装備しているので、やっぱり光属性でいいですよ! アハッ!」

 悪魔が光属性で何が悪いという菜々子の根性。

「なら光の妖精は誰?」

 新たな疑問が生まれる。この調子では本編が書けるのは当分先である。

「光の精霊は・・・・・・ウィル。光の神はルー。でも、私の場合は光の精霊バエルなんじゃない?」 

 ゴエティアを悪魔だけど精霊扱いにして、二つを同義語にすればいいのだ。う~ん、天才! アハッ!

「ということは、光の悪魔バエル。光を司る者、光野菜々子!?」

「私って名字は光野っていう名前だったんだ!?」

 これで菜々子の名前も無事に決まった。

「形を決めていくとドンドン決まるな。ありがたいことだ。」

 そろそろ字数も5000字を超えているから1話として十分だ。

 つづく。

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