第6話 菜々子SOS 6
「最近は何でもロボットなんですね。」
菜々子は目覚まし時計ロボット、ラーメン製造ロボット、犬の散歩ロボットなど何でもロボットである。
「仕事をロボットに奪われた人間はロボットを恨むでしょうし、ロボットもいつまで人間に従うか分からない。」
常に危機にさらされている地球。
「いつかは猿の惑星になってしまいそうだ。」
菜々子は申に支配される地球を心配した。
「菜々子ー!」
チタマが泣きながら帰ってきた。
「どうしたの? チタマ。」
「街中でロボットに仕事を奪われた人々がテロを行っているんだ! もう少しで撃ち殺されるところだったよ!」
地球は常に危険と隣り合わせである。
「そうですか。ですが、私は未来人。ゴエティアが関わっているなら戦いますが、これは普通の人間の争い。私が介入する訳にはいきません。現在の地球人の地球を守ろうとする心に期待しましょう。」
菜々子は歴史を変えないためにも極力過去の地球に関与しないようにしようと心がける。
「冷たい。菜々子。」
「いいえ。私は冷たくありません。」
冷静な菜々子。
「緊急ニュースです! AIロボットが反乱を起こし人間に宣戦布告し戦争を始めました!」
テレビのニュースである。
「ギャアアアアアアー! もう地球はお終いだ! 俺は死ぬんだ! せめて死ぬ前にたこ焼きをお腹いっぱい食べておけば良かった!」
チタマ、心の叫び。
「どうして地球は次から次へと問題が起こるんだ!」
遂に菜々子が立ち上がる。
「私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! アハッ!」
地球の危機には仕方がなく立ち上がる菜々子。
「チェンジ・デビル・スーツ・バエル!」
菜々子は戦闘服に着替える。
「菜々子! 行ってきます!」
菜々子は光エネルギーを放出して飛び立つ。
「ああ~。地球が滅茶苦茶だよ。まったく争いが好きなんだから。」
人間とロボットが入り乱れて戦っていた。
「こうなったら仕方がない。私のハイパーメガ粒子砲を打ち込んで片付けてやる。」
菜々子は人類を抹殺して何事も無かったように平和を取り戻すつもりだった。
「そうはいくか!」
その時、ビームが菜々子を襲う。
「うわ~あ!? なんだ!?」
ビームを回避する菜々子。
「裏切り者の思うようにはさせないぞ!」
「何者だ?」
「私の名前はブエル! バエル! おまえを倒しに来たのだ!」
現れたのは悪の組織ゴエティアのブエルだった。
「バエルとブエルは紛らわしいんだよ! おまえから消えろ! くらえ! ハイパーメガ粒子砲!」
菜々子はハイパーメガ粒子砲をぶっ放す。
「ギャアアアアアアー!」
ブエルはハイパーメガ粒子砲に当って消滅した。
「はい。私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! アハッ!」
菜々子は地球の平和のために戦い続ける。
つづく。
「菜々子! 復活~!」
同じことの繰り返しで飽きていた菜々子に創作意欲が戻ってきた。
「ワン・ワールド?」
というよりも菜々子をワン・ワールドに加入させるとどうなるのかシュミレーションをやってみるのだ。
「未来。」
菜々子の世界は未来。ワン・ワールドには過去、現在、未来の3つの世界がある。その3つが交わりを持ち世界は歪んでいる。
「菜々子っと。」
次に名前を決める。
「私は私。」
最後にキャラクターの姿を決める。
「これで完成です! アハッ!」
ワン・ワールド、スタート開始。
「そうだ。私は未来の世界で生まれたんだ。」
未来の地球は科学技術が発展した世界。そして地球環境が破壊された世界。
「そうだ。私はガチャから生まれたんだ。」
大気汚染や放射能が酷く人間は人間では生きられない。
「私は生まれた時から半分人間で、半分体はロボットだった。」
菜々子は工場で製造され生み出された。
「あれ? どうして私は過去のことを思い出しているんだろう?」
菜々子の記憶は曖昧である。
「きれいな地球が見て見たい。」
菜々子はふと思った。
「何を言っているの? 無理無理。青い地球なんて伝説よ。」
お友達の明日香。後のアガレス。
「昔は地球も空が青く透き通り、水も透明だった。緑も生い茂り生命が溢れていた。そんな地球が見て見たい!」
現代の地球は未来の地球人の憧れだった。
「欲深い人間が、お金と引き換えに地球環境を壊しちゃったのよ。まったく可哀そうな地球だわ。」
現在の地球ができた原因は私利私欲な人間の性であった。
「そうだ! それなら、まだ壊れていない地球に行って、地球を守ればいいのよ!」
斬新な発想の菜々子。
「どこにタイムマシンがあるのよ?」
ごもっともな意見の菜々子。
「ないのか・・・・・・ガッカリ。」
肩を落とす菜々子。
ピキーン!
その時、菜々子は何かに気づいた。
「ゴエティア! ゴエティアならタイムマシンがあるかもしれない!」
ゴエティアとは未来の科学技術の最先端企業であった。
「ゴエティア!? あんな大企業にどうやって入るのよ?」
明日香も知ってるゴエティア。
「ねえ、明日香。」
「ギクッ!? 嫌な予感!?」
「一緒にアルバイトから始めようよ。」
菜々子は大企業に就職する学歴はないのでアルバイトからの正社員昇進を狙う。
「ええー!? 私も!?」
「いいじゃん。明日香。二人なら怖くないって。」
すがる菜々子。
「もう、しょうがないな。」
おれる明日香。
「ありがとう! 明日香! 大好き! アハッ!」
こうして菜々子たちはゴエティアのアルバイトに応募した。動機はタイムマシンをパクるために。
「あれ? 夢か。懐かしい夢だったな。」
菜々子は未来人。人間装着型兵器デビル・スーツを着て今日も戦うのである。
「全ては同じで、だけど全てが違う。世界は別々だけどホストコンピューターが同じだから一つの世界。それがワン・ワールド。」
要するに物語を創作する作者の頭って意味かもね。
「どの世界にも「地球を守りたい」というヒーローがいるはず。時を超えて未来から来た私が、この過去の世界で現代のヒーローに出会ってもおかしくはないはず。」
菜々子は新しい発想、新しい要素を入れようと必死である。
「チッ。私のデビル・スーツをバハムートかウンディーネとかメジャーなドラゴンか精霊にしておけばよかった。」
バエル。ゴエティアの72体の悪魔の1匹だから、どう考えても光の戦士って感じではないね。高出力、高火力だけど。敵の兵器ということでは仮面ライダーと同じか。
「ええ~。チタマ。おまえが地球の化身で守らないといけないというオチなの?」
「知るか。なんで俺が地球の化身なんだ?」
青井地球と書いて、チタマと読む。
「地球を守るということは、チタマを守るということなのですね!」
未来人、ハーフ人間、ハーフロボットの菜々子の思い込みの思考回路は少し天然ボケていた。
「私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! アハッ!」
菜々子は明るい性格だった。
「次の敵の順番はグシオンなんだけど、それだと同じことの繰り返しになっちゃうんだよね。どうしよう?」
敵は未来の悪の組織ゴエティアの戦闘員デビル・スーツ・グシオン。特にキャラクター名を決めなくて良いので助かってる。おかげで物語が進められる。
「私が未来からタイムマシンでやって来たみたいに、グシオンが未来からやってくるのは当然。」
はい。その通り。
「発想の転換として、未来の私が現代の地球人の悪い奴と戦うというのはどうでしょう?」
いじめ、パワハラ、セクハラ、銀行強盗、食い逃げ、ひき逃げ、置き引き、ピンポンダッシュ!
「それはいいとして、現代のヒーローって誰だ?」
チタマはアテナの様な存在だから戦闘力はない。
「過去の敵としてスライムやゴブリンが現代人に取り憑いている? それとももっとごっつい魔王とかが現代に潜んでいる? そもそも現代のヒーローは超能力者だから現代の悪役も超能力者かな?」
同じことの繰り返しでネタが尽きている作品ばかりなので素人の方が様々な者を組み合わせようと頑張って創作する。恐ろしいデータ量である。
「あれ? 道をスライムやゴブリンが歩いている?」
普通に人間が歩いているだけだが、未来人の菜々子にはモンスターに見える。
「何を言っているんだよ。あれは普通の人間だよ。」
「そうですかね。私には人間の皮を被った魔物に見えますけどね。」
菜々子には歪んだ人間の心の姿が見えた。
「あれは何ですか?」
菜々子は路地裏で4人の人影を見る。
「あれはカツアゲだよ。3人で1人を脅してお金を奪い取ろうとしているんだ。」
「なんですと! やはり現代にもゴエティアの様な人間がいるんですね! 確かによく見れば、あれは人間の姿をした悪魔です! きっとあいつらはガーゴイルです!」
菜々子にはガーゴイル3匹が人間を襲っているように見える。
「関わるな。それが現代人だ。自分を守る為に他人の不幸は見過ごすんだ。」
チタマは菜々子にカツアゲを見て見ぬふりをするように進める。
「嫌です! 私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! チェンジ・バエル!」
菜々子はガーゴイルに突撃する。
「ああ~行っちゃった。」
チタマは正義感の強い菜々子に呆れる。
「やめろ! とんかつ! おまえたちは人間じゃないな!」
菜々子はカツアゲの現場の間合いに入った。
「なんだ!? おまえは!?」
「コスプレイヤーか!?」
「いや、フィギュアマニアに違いない!?」
カツアゲをしている3人の人間は初めて見る未来人の菜々子のデビル・スーツ姿はコスプレにしか見えなかった。
「違います。私は3000年の未来からタイムマシンに乗ってやって来ました菜々子と申します。以後、宜しくお願い致します。アハッ!」
丁寧に挨拶をする菜々子。
「これはどうもご丁寧に。」
ペコペコするカツアゲ犯。
「ハアッ!? しまった!? ついつい相手に合わせてしまった!?」
カツアゲ犯は正気を取り戻した。
「よくぞ見破った! 我々は過去の世界から現代に魔王サタン様の魔力でやって来たモンスターなのだ! ワッハッハー!」
カツアゲ犯の正体は魔王サタンの手下のモンスターだった。
「魔王サンタ!? 12月にクリスマスプレゼントをくれる人のことですか? 私は今年はシュークリームが欲しいです! しかも1個300円以上の美味しいやつ!」
菜々子、サタンとサンタを聞き間違える。
「分かりました。サンタ様に伝えておきますね。」
「違う! 我々のボスはサタン様だ!」
「あっ!? そうでした。アハッ!」
ガーゴイルたちはお笑いができる万能性能。
「悪意が地球を滅ぼすから、私は悪意ある者を倒します!」
菜々子、悪意撲滅宣言。
「そうはさせるか! おまえなんか我々が倒してやる!」
ガーゴイルが人間の皮を脱ぎ捨てて本性を現す。
「先取先制! くらえ! ハイパーメガ粒子砲!」
菜々子はガーゴイルにハイパーメガ粒子砲をぶっ放す。
「ギャアアアアアアー! これで勝ったと思うなよ! 魔王サンタ様にはたくさんの手下がいるのだ! きっとおまえなんかぶっ倒してやるからな! ギャアアアアアアー!」
ガーゴイルは倒された。
「長いセリフ。さっさと死ね。」
呆れるな菜々子。
「私が地球を救います! ロード・トウ・ピースです! アハッ!」
勝利のポーズを決める菜々子。
「し、しまった!? ガーゴイルを倒してしまったら、私の願い事がサンタさんに伝わらないじゃないか!?」
シュークリームを貰い損ねた菜々子。
「菜々子を学校にでも行かせたら問題ばっかり起こすんだろうな。その度にカードファイトしないといけないんだろうな。はあ・・・・・・。」
何かあれば戦う。同じことの繰り返ししか物語はないのだろうか?
つづく。
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