第3話 菜々子SOS3

「なに!? ガミジンもやられたというのか!?」

 悪の組織ゴエティアのアモンは報告に驚いていた。

「私は山に登りたい!」

「なにを! せっかくだから温泉に入いる!」

 裏切り者の菜々子の抹殺に来た刺客たちは思い出作りに忙しかった。

「それなら山にある温泉に行けばいいんじゃないかな?」

「おお! さすがアモン!」

「私は天才だからな! ワッハッハー!」

 刺客たちの次の旅行先が決まった。

「仕方がない。こうなったらあれをやるしかない。そうしなければ私たちは山に登って温泉に入れない。」

 アモンは何かを決意した。

「マルバス! 疫病を散布させろ! 歴史書に寄せると場所は中国の武漢でいい!」

「はい。かしこまりました。」

 こういう理由でロナ・ウイルスが散布され全世界はパンデミックを迎えることになる。


「美味しい! 秋はやっぱり梨です。アハッ!」

 菜々子は食欲の秋を楽しんでいた。

「おまえ、半分ロボットのくせによく食うな。」

 呆れるチタマ。

「過去の地球に来て一番良かったのは美味しい食べ物がたくさんあることです。アハッ!」

 未来ではエネルギードリンクか、太陽光エネルギーでチャージするしかない。

「今日の日差しは弱く不味いな~っと言っていた頃が懐かしいです。」

「どんな食生活だよ。」

 遠くを眺める菜々子。

「臨時ニュースです! 中国の武漢でウイルス兵器が放たれました!」

 テレビから臨時ニュースが鳴り響く。

「しまったー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 菜々子が発狂する。

「今は何年ですか?」

「2021年だけど。」

「2021年ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 菜々子は血相を変える。

「2021年といえばウイルスの当たり年! この年にバラまかれたロナ・ウイルスは絶滅することなく、何度も何度も変異を繰り返して3000年の地球でも存在しているのです!」

「ウイルスをワインみたいに言うな。」

 今明かされる3000年の地球のウイルス事情。

「この時代の食べ物が美味し過ぎて、ウイルスの散布を阻止すべく2021年の地球にやって来たのを忘れていました。アハッ!」

「笑って誤魔化すな。」

 ウイルスは散布されてしまった。

「これから中国に行ってウイルスの散布を止めてきます!」

 菜々子は地球の平和のためにウイルスと戦う。

「チェンジ! デビル・スーツ! バエル!」

 菜々子は戦闘服に着替える。

「それでは行ってきます。」

「おやつは秋の味覚の栗だよ。」

「できればモンブランケーキでお願いします。」

「モンブラン!? どこでそんな言葉を覚えたんだ!?」

「なんならマッタケでもいいんですよ?」

「マッタケ!? この食いしん坊め! さっさと地球を守りに行け!」

 菜々子とチタマは平和な会話をする。

「菜々子! 行ってきます!」

 菜々子は屋根のブルーシートをめくって飛び立っていく。

「良かった。屋根を修理しなくて。毎回壊されるくらいならブルーシートで十分だ。家にいてキャンプが体験できるなんて俺は幸せ者だな。」

 チタマはテントを張ってキャンプを満喫するのであった。


「やって来ました! 中国の武漢のロナ・ウイルスの散布場!」

 光の速さで菜々子は中国にやって来た。

「来たな! 裏切り者!」

 そこにはロナ・ウイルスを散布しているゴエティアのマルバスがいた。

「おまえは何者だ!」

「私はゴエティアのマルバス。おまえが逃げた、この世界で細菌をバラ撒いてやったぜ。これで地球は滅亡するのだ! 地球が滅亡するのはおまえが原因だ! ワッハッハー!」

 ロナ・ウイルスが散布された原因は2021年に菜々子がやって来たことが原因であった。

「そんな!? それでは私がこの時代に来なければウイルスはバラまかれなかったというの!?」

「その通りだ! おまえの性だ!」

「私の性!? 私の性で地球がウイルスに汚染されていく!? 未来の地球が滅んだのも私の性!? ガーン!」

 菜々子は地球を滅ぼしたのが自分だと言われて動揺する。

「クンクン。」

 何か美味しそうな匂いがする。

「美味しい! 中国のラーメン! アハッ!」

 菜々子はラーメンを食べて現実逃避を試みる。

「美味しいものがあったら食べる。ただそれだけだよ。」

 菜々子はラーメン屋のオヤジに教えられる。

「ハアッ!?」

 その時、菜々子は何かに気がついた。

「私は地球を守る為に未来からやって来ただけ。私は何も悪いことはしていない。やっぱり悪いのはウイルスをバラ撒いたゴエティアだ!」

 菜々子は美味しいラーメンを食べて前向きに考える。

「おじさん、ありがとう! ちょっと地球を守って来ます!」

「お嬢ちゃん。頑張れ。」

 気力の回復した菜々子は再び飛び立つ。


「また来たな! 裏切り者! おまえがこの世界に来なければウイルスはバラまかれなかったのだ! 悪いのはおまえだ!」

 マルバスは菜々子を精神的に追い込もうと迫る。

「違う! それは違うぞ! 私は何も悪いことはしていない! ウイルスをバラ撒いたおまえが悪いんだ! 地球に変わって成敗してくれる!」

 ラーメンを食べた菜々子は精神的に強い子に成長した。

「クソッ!? 私のネガティブ攻撃が効かないとは!?」

 マルバスは実力行使に出る。

「地球をいじめることしかできないおまえなんか怖くない! くらえ! ハイパーメガ粒子砲!」

 菜々子はハイパーメガ粒子砲をマルバスに打ち込む。

「ギャアアアアアアー!」

 マルバスはハイパーメガ粒子砲の光に呑み込まれて倒された。

「ドカーン!」

 おまけにロナ・ウイルス散布場も破壊された。

「これで良し。私が地球の平和を守ります! ロード・トウ・ピースです。アハッ!」

 菜々子は悪の組織ゴエティアのマルバスを倒した。

「今夜はマッタケご飯です。アハッ!」

 菜々子はお腹が空いたのでチタマの家に帰ることにした。


「ただいまです! 今夜のご飯はなんですか?」

 菜々子はチタマの家にたどり着いた。

「ジャンジャカジャーン! メロンだ! 奮発して買ったんだぞ!」

 チタマは菜々子のためにお小遣いを奮発した。

「やったー! メロン!」

 メロンに大喜びの菜々子。

「ごめんな。マッタケは高すぎて買えなかったんだ。」

 素直に謝るチタマ。

「大丈夫ですよ。はい。マッタケ。」

 菜々子はマッタケを取り出す。

「マッタケ!? これはどうしたんだ!?」

「帰りに中国人の人が「地球を救ってくれてありがとう。」ってくれたんです。アハッ!」

 良いことをすれば良いことがある。

「それじゃあ、マッタケご飯も作りますか!」

「やったー! マッタケご飯だ! わ~い!」

 地球の平和と菜々子のマッタケは守られた。


「なに!? マルバスもやられただと!?」

 悪の組織ゴエティアの刺客たちは山の温泉を堪能していた。

「今度は肉を食べようよ!」

「いいや! 伊勢海老だ! 伊勢海老しかない!」

 刺客たちはまだまだ旅行がしたい。

「こうなった肉も伊勢海老も盗むしかない! ウァレフォル! 美味しい食べ物を盗んでこい!」

「お任せください。」

 こうしてゴエティアのウァレフォルが美味しい食べ物を盗むことになった。

「これで地球は食糧危機に陥るのだ! やはり地球は滅亡する運命なのだ! ワッハッハー!」

 アモンの笑い声が木霊する。


「今年は秋の味覚の秋刀魚は不漁です。ついでに肉や伊勢海老も取れないらしいですよ。」

「大国の乱獲が原因でしょうね。資源の取り過ぎには注意してほしいですね。」

 テレビのニュースで秋の味覚が不漁だというニュースが流れた。

「残念。今年はサンマが食べられないのか。美味しいのにな~サンマ。」

 チタマは秋のサンマを諦めた。

「どこの国から滅ぼしましょうか? アメリカでも1カ月もあれば滅亡させられますよ。アハッ!」

 菜々子はバエル完全武装で乱獲した大国を滅ぼすつもりだ。

「食い物の恨みは怖いな。」

 チタマは菜々子の食欲に呆れた。

「私はサンマを守ります!」

 菜々子は燃えている。

「おいおい。おまえは地球を守りに来たんだろうが?」

「私は地球の食料問題を解決します! 貧困! 難民! 生活保護! 何でもかかってこい!」 

 菜々子は話を弱者救済にすり替えた。


ピキーン!


 その時、菜々子は何かを感じた。

「これは!? デビル・スーツの気配!?」

 菜々子はデビルスーツの気配を感じることができるようになった。

「まさか!? サンマが獲れなくなったのもゴエティアが絡んでいるのかもしれないぞ!?」

 チタマも地球の滅亡を企む悪の組織ゴエティアのことが分かってきた。 

「ちょっとサンマを助けてきます。チェンジ・デビル・スーツ・バエル! 菜々子! 行ってきます!」

 菜々子は地球の平和のために飛び立った。

「それ行け! 菜々子!」

 チタマは菜々子を笑顔で手を振り見送る。


「これでサンマもゴエティアのものだ。きっとアモンたちも喜ぶぞ。」

 ウァレフォルは秋の味覚のサンマを独り占めしていた。

「そうはいかないぞ! ゴエティア!」

 そこに菜々子が現れる。

「おまえは! 裏切り者!」

「誰が裏切り者だ! 私は地球の味方だ! とう!」

 菜々子がウァレフォルに近づく。

「私の名前はウァレフォル! 地球から食料を盗んでやるのだ! おまえにサンマは食べさせないぞ!」

「そうはいくか! ゴエティア! 私がいる限りサンマは食べるぞ!」

 やはり菜々子は地球よりサンマが大事。

「くらえ! ハイパーメガ粒子砲!」

 菜々子はメガ粒子砲をぶっ放す。

「ギャアアアアアアー!」

 ウァレフォルを倒した。

「私が地球の平和を守ります! ロード・トウ・ピースです。アハッ!」

 勝利のポーズを決める菜々子。

「おっと!? 私のメガ粒子砲の性でサンマが焼きサンマになってしまった!? 目黒でバラまいて帰るか。」

 こうして地球と目黒のサンマ祭は守られた。

「美味しい! サンマ! うっ!? 骨が機械に刺さったです!? 誰か助けて・・・・・・。」

 戦え! 菜々子! 地球の平和のために!

 つづく。

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