第10話 最強の親バカ登場!!


三人の前に現れたのは、あの娘大好き子離れ出来ないあの男…… 白鳥龍平でした。


「 お父様!? どうしてここに? 」


姫はビックリしてしまう。

セバスは意識が薄れ行くなか龍平を見ました。


「 だ…… 旦那様…… 。

申し訳…… ご…… 。 」


セバスは安心したのか気絶してしまいました。

不良達はその貫禄に恐れをなしてしまう…… 。


「 うぉいっ! じじいがでしゃばんじゃねぇぞ!

このじいさんと同じようになりたいのか!? 」


ボスがそう言うと龍平は笑いながら返す。


「 おっほっほっほい! 若造が私に喧嘩売るのは、ウルトラ1000年早いわ。

姫。 光ちゃん怖かったね。

さぁ、こっちへ。 」


そう言うと光は油断したボスから抜け出して、セバスの元へ。


「 セバスさん…… ごめんなさい…… 。 」


光は気絶したセバスの元へ行き、姫と必死に応急処置をしました。


「 ふざけんじゃ…… 。 」


相手の話をさえぎり、龍平が話をする。


「 おいおいおいおいっ!

お前さんらはこの私…… 白鳥龍平を敵に回したのだぞ?

分かってるんだろうなぁ…… ? 」


びくびくっ!!

不良達は震え上がる。

白鳥家はテレビでも取り上げられる程に有名な資産家。

良く見たら顔も同じでした。

龍平は温厚でいつも優しいのですが、「 家族 」を傷つけられた時、いつも見せない恐ろしい形相で相手を威嚇しました。


「 …… 臆するな!!

お前ら! やっち…… 。 」


「 動くな!! 一歩でも動いたら私の鉄砲が黙っちゃいないぞ? 」


そう言い龍平は手で鉄砲のような形にさせ、相手に向けていました。


「 バカにすんなよ…… 動けぇっ!!

お前らぁーーっ! 」


ボスの声で震えが止まり、全員が龍平の元に足を踏み出す。


「 バンッ!! 」


ジュドーーンッ!!

不良の一人が倒れる。

不良達は倒れる仲間を見て驚き止まってしまう。


「 だから言ったろ?

私がまたこの鉄砲を使ったら、全員痛い目見ることになるぞ?

その覚悟は。 」


「 行けぇーーっ!! ハッタリだ。

どんな手品か知らねぇが、この人数居たら全員に同じ事出来んのか!? なぁ!? 」


そう言い凄い勢いで飛び掛かる…… 。

姫と光はその勢いに負けて叫びました。


「 お父様ーーっ!! 」


「 娘を心配にさせるんじゃない…… 。

バンッ!! バンバンバンッ!! 」


また龍平がそう言うと次々と倒れて行く…… 。


「 うわぁっ!! 」

「 いてぇっ。 」

「 ぐうわぁーーっ。 」


一人、また一人と同時に倒れて行く…… 。

そしてボスにも…… 。


ズキューーンッ!! スドッ! スドッ!!

鈍い音の後に激しい痛みによりボスは倒れてしまう。


「 どうなって…… 。 」


バタッ!!

ボスは龍平の目の前に倒れる。

それを上から見下ろす。


「 悲しいな…… 。 まだこんなに若いのに。

私の大切な者達を傷つけた罰じゃ。

しっかりと受け止めると良い…… 。 」


ボス達全員は気絶してしまいました。

姫と光はその光景に言葉を失う…… 。

そして龍平は上に手を上げる。


「 もう良いぞ。 任務完了じゃ。

おっほっほっほっ!! 」


遠くのマンションの最上階や、他のビルから専属のスペシャルSPが銃を下ろしました。


「 こちらA班。 任務完了!

危険対象をゴム弾で全滅させました。

どうぞ!! 」


龍平のインカムにSPの任務完了の通達が入る。

何と!! 周りには警察の中でも選りすぐりのエリートをスカウトした、最強集団SPが赤子の足を捻るが如くに無双してしまう。

専用のゴム弾により激しい痛みで倒れていますが、体になんの問題もありません。

相手の事をしっかり粛清させるのも、大人の務めなのです。


「 お…… お父様ーーっ! 」


姫は龍平に抱き付きました。


「 おうおうおう。 怖かったね。

あっちに美味しそうなカフェラテのお店があるから、そこでじっくりと話そうか。

ここには警察がそろそろ来る。

後は本職に任せよう。 」


セバスは病院に運ばれ、三人はカフェラテ専門店へ。

光はボスのポケットから、健とハラケンの財布を取り返してスマホも回収しました。

やっぱり全部持っていました。


カフェラテ専門店に入ると。


「 姫ちゃん! 光ちゃん!!

心配したんだから。 」


姫のお母様が走って来て二人を抱き締める。


「 お母様も来て居たの?? 」


「 そりゃ勿論よ。 さぁさぁ。

温かいカフェラテ入れて貰ったから、ゆっくり飲みながら話しましょ! 」


二人は店内の席へ案内されました。

そして落ち着いた二人にこれまでの経緯を話しました。


「 姫の事が心配で私達はずぅーーっと、ずぅーーっと! 離れた場所から見ていたのだ。

わはっはっはっ! 」


龍平はバカ笑いして親バカをさらしてしまう。


「 私も心配でパパと一緒にずっと見てたのよ。

福島も楽しいわね。

沢山食べたりしたのよ?

はい! 二人の分の桃ね。 美味しいわよ。 」


呑気に観光していた二人。

姫はあまりの二人の親バカぶりに苦笑いしてしまう。


「 本当におじ様に百合さんには助けて貰いました。

ありがとうございます。

それと…… セバスさんは…… ? 」


光は自分のせいで怪我したセバスの安否を気にしました。


「 ふんっ! あんなもん。

姫達を怖がらせおって…… 。

良い気味なんだ。 全く…… 。 」


龍平はセバスを信じていたので、簡単に制圧する事を期待していたのです。


「 うふふっ。 安心して!

病院で少し見てもらったら直ぐに来るって。

パパも本当は心配してたのよ? 」


百合も笑いながら龍平の気持ちを代弁してしまう。

奥さんには全てがバレているのですね。

二人は一安心する。


そしてハラケンのスマホを起動させました。

何か…… 何か手掛かりがあるはず…… 。


「 ん?? マップアプリに地蔵桜ってある。

何だろうこれ? 」


光が見つけたのは目的地の場所の履歴でした。


「 多分ここね。 やったわね光。 」


光は姫を強く抱き締めました。


「 ありがとう…… ありがとう。

姫。 一緒に来てくれてありがとう!! 」


「 良いのに。 私が来たかったんだから。

今日はゆっくりホテルで休んで、明日に地蔵桜に行こう?

沢山美味しい物食べよう! 」


二人の絆はとても深いモノになっていました。

大親友で仲良し。

二人は手配されているホテルに向かうのでした。


( ハラケン…… 待っててね。

助けに行くんだから。 後少し…… 。 )


光はハラケンの安否を気にしながらも、少しの希望を持ちゆっくり休むのでした。


その頃、ハンバーガー兄弟は自分達の店のアプリにクーポンのお知らせを会員に送っていました。


「 兄貴…… これで明日は大忙しの大忙し。

誰があんなボロ店行くんですかね? 」


「 まぁー 気長に待てよ。

明日はハンバーガー祭りだ。

ふっはっはっはっは!! 」


悪者二人は潰す為に行動を開始していました。


ハラケン達は暇な時間を一生懸命掃除をして、店は見違える程に綺麗に。


「 完璧だな。 これで一段階目が終了。 」


「 おいおい健。 一段階目ってまだあるのか? 」


健の理想はまだまだ大きく、少し綺麗にしたから客足が多くなるとは思っていませんでした。


「 んふっふっふ。 まだまだだな。

あんなパンチの効いた店がライバルなんだぞ?

しかも喧嘩を売ったんだから、間違いなく明日は何かしら仕掛けてくる…… 。 」


「 ならどうするんだよ?

このままだとヤバいだろ。 」


怯えるハラケンと裏腹に健は落ち着いていました。


「 人の食欲はまず何処から来るか?

…… それは匂いだよ。

匂いに釣られてやって来るんだ。

だから匂い作戦だ!! 」


匂い作戦とは一体!?

ハンバーガー兄弟との戦いが静かに幕を開けるのでした。

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