第7話 華ちゃんの休日


華ちゃんはいつも早起き。

誰かが起きた時の物音で直ぐに起きて来ます。

朝は沢山ご飯を食べて、夏休みなのでお店のお手伝いをしたりします。

小さいのにしっかりしています。


家の事ばかりしてはいけないと思ったお母さんは、たまに遊びに行くように外に出すようにしていました。

友達も沢山居ます。

お姉ちゃんやお母さんに似て可愛く、未来は二人のような綺麗な女性になるのでしょう。


華ちゃんが近くの公園に行くと、同級生の友達達が沢山居ました。

ここはにぎやかな公園で、誰も居ない事はほとんどありません。

なので暇なときはいつもここに来るのが日課です。


「 みんなぁーー 。 わたしも混ぜて! 」


男の子に混ざってはサッカーや鬼ごっこをしたりしました。

女の子だからって男の子に負けないくらい頑張っています。


疲れてみんなで休憩していると、一人のガキ大将の剛田君がハンバーガーを鞄から出しました。


「 腹減ったぁー 。 これよ。 これ! 」


そう言い大きな口で食べました。

そして仲間達の鞄からもハンバーガーが…… 。


「 えっ…… ? みんな。

ハンバーガーそんなに好きなの? 」


華ちゃんが言うとみんなは声を揃えて言いました。


「 もちのろんだぜ!

なぁ! お前ら?? 」


みんなは夢中でハンバーガーを食べていました。

子供にとってはハンバーガーの、あの病みつきになるスパイスに酸味…… 悪魔のような食べ物。


「 そんなの…… 私食べたくないもん…… 。 」


華ちゃんはお母さんが作ってくれた、大きなおにぎりがリュックの中に入っていましたが、恥ずかしくなって食べようとしませんでした。

華ちゃんは自然とみんなから少し離れて、一人寂しく座ってみんなが食べているのを見ていました。

本当はお腹が減っているのに…… 。


「 おぉーー いっ! 華ちゃん。

遊びに来たよぉ〜 。 」


デカい声を発しながら近付いて来たのはハラケンでした。

遠くからでも分かるくらいの、大きな体格でバカ面をしながら歩いて来ました。


「 華。 あれお前の知り合いかよ?

でけぇな。 ゴリラみたいじゃね?

あはははは! 」


男の子達が声を合わせて笑いました。

ハラケンの外見をみんなはバカにしていました。

子供は傷つけている意識は全くなく、ただ面白半分でいじってくるのです。

女の子の友達もクスクスと笑っていました。


「 あれ華ちゃんの友達?

凄い大きいんだね。 くすくす…… ! 」


華ちゃんはハラケンが大好き…… 。

なのにみんなに笑われてしまい、恥ずかしくなってしまいました。


「 華ちゃんはご飯食べないの?

お兄ちゃんと一緒に食べようよ! 」


そう言いながらハラケンは華ちゃんの隣に座りました。


「 私…… お腹減ってないもん。 」


ハラケンに冷たく返答しました。


「 そう? なら俺は食べようかなぁ! 」


そう言いながらハラケンはおばさんから用意してもらった、大きなおにぎりと唐揚げを出しました。


「 えっ? おにぎりとか。

ハンバーガーの足元にも及ばないぜ! 」


ゲラゲラと笑っている剛田君。

仲間達も一緒になって笑う。


( ハラケンは何も分かってないんだ…… 。

来なくて良かったのに。

恥ずかしい事しないでよ…… 。 )


華ちゃんはハラケンに背を向けて遠くを見て、知らん顔をしていました。

ハラケンはキョトンとした表情をしている。

元々無神経だったりと、光に怒られてばかりいました。

ここではそれが役に立つ事に。


「 ハンバーガーも美味しいさ。

でもね。 ハンバーガーばっかり食べてたら飽きちゃわないかい?

このおにぎりは塩加減といい、唐揚げは下味しっかりして美味しいんだから。

バクッ!! うんめぇーーっ! 」


ハラケンは笑顔でバクバクとおにぎりと唐揚げを食べました。

あまりにも美味しそうに食べるハラケンを見て、みんなは少し気になってしまう。


「 お兄ちゃん…… そんなに美味しいの?

その唐揚げ…… 。 」


一人の男の子がそう言うと、口を膨らませてハラケンは返答しました。


「 うんまい! うんまいっ! 最高なんだよ。

あの定食屋の料理は俺は全部大好きなんだ! 」


そう言いながら食べていると、みんなはゆっくりとハラケンの周りに集まって来ました。、


「 みんなも食べるかい?? 」


そう言うとみんなはハラケンの唐揚げを一つ食べました。


「 おいしい…… 。 」

「 本当だね! 」

「 うまい。 うまい! 」

「 僕にも頂戴!! 」


みんなはハラケンのお弁当に群がりました。

みんなは美味しいそうに唐揚げを食べました。

華ちゃんはその光景を見てびっくりしました。

さっきまでバカにしていたのに、ハラケンが美味しそうに食べていて食べたくなって貰ったら、みんなは唐揚げが美味しくて夢中になって食べているではないでしょうか?


「 おいお兄ちゃん! もうないの?

もっと食べたいよぉーー ! 」


剛田君が唐揚げがもっと食べたくて、ダダをこねていました。

華ちゃんは自分のリュックサックを見ました。

そしてゆっくりと中に入っている、おにぎりと唐揚げを出しました。


「 これ…… 一緒に食べる? 」


「 おいおいおい! まだあるじゃんかよ。

いただきます! もぐもぐ。 うめぇ!! 」


華ちゃんが勇気を出してお弁当を出すと、みんなは一口貰おうと群がってきました。


「 華ちゃんのお弁当美味しいね。 」

「 唐揚げって家で食べるより美味しい。 」

「 今度華ちゃんのお店に行きたいなぁ。 」


みんなは華ちゃんの弁当が凄いと絶賛!

誉められる華ちゃんは照れくさそうに頬を赤らめていました。

恥ずかしかったお弁当が、こんなにも注目の的になるとは思いませんでした。


「 お前らぁ! 食べたらお兄ちゃんと鬼ごっこするぞぉ。

全員捕まえてやるぅ。 」


食べ終わりみんなはハラケンと鬼ごっこ。


「 ハラケンのゴリラ鬼が追いかけて来るぞ!

逃げろ! 逃げろぉーーっ!! 」


みんなはハラケンから逃げながら笑いまくり。

ハラケンは大袈裟に走ったりして、足がもつれて転んだりしてみんなは大笑い!

華ちゃんも笑いが止まりませんでした。


「 華ちゃん。 あのお兄ちゃん面白いね。 」


友達の女の子はそう言いました。

華ちゃんは少し誇らしげにうなずきました。


「 ハラケンは私の大好きなお兄ちゃんなの。

大親友なんだぁ。 」


笑顔でみんなに自慢しました。

ハラケンは子供達を肩車したり、おんぶしたりと大盤振る舞い!

みんなは夕方になるまで遊びました。


夕方になりみんなは家に帰りました。

華ちゃんは疲れてしまったので、ハラケンがおんぶしながら帰っていました。


「 ハラケン…… さっきは…… ごめんね。 」


「 おう? どうしたんだい?

いきなり。 」


華ちゃんは申し訳なさそうに話始める。


「 来たときに、恥ずかしくて冷たくしちゃったから。

本当は来たとき嬉しかったのに、みんながバカにするから恥ずかしくなっちゃったの。

ごめんね…… 。 」


大きな背中に顔を埋めながら謝りました。

ハラケンはゲラゲラ笑いました。


「 俺は人より鈍感なんだって良く光に言われてさぁ。

ちょっとやちょっとじゃ傷つかないんだ。

全然気にしてなんかいないよ。

みんな凄い良い子だったね。

また遊びたいなぁ。 」


ハラケンが全く気にしていない所を見て、華ちゃんは凄い優しいと思いました。

華ちゃんはハラケンが本当に大好きな、本当のお兄ちゃんのような存在になっていました。

男のお兄ちゃんが居なくて、こんな事は初めてでした。

ハラケンがずっと家に居てくれれば良いなぁ。

と思いながら眠ってしまいました。


今日はちょっとした華ちゃんにとって、楽しい楽しい一日になりました。

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