第20話 ナンマンダブナンマンダブ
「兄上、いよいよですね」
「ああ、いよいよだ」
俺は、明日、あの小役人のところへ赴き、工事の許可を取り付けてくる手筈になっている。
奥の部屋で雅殿の事を一人思い、天井を見上げていた時に部屋にやってきて、心配そうに涼香殿が俺の前に立っている。
「明日のお話が上手くいくように涼香が兄上に力をあげます」
そう言うと、涼香殿は俺の前に膝立ちになり、俺の頭を胸に抱いて、
「兄上なら出来ます。自信をもって」
なに?ねえ?俺の妹、菩薩様かよ!!
次回、小役人ヤマガタ。
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