第46話 「2 ・奥の手は禁止」

 桃介の猫探し(家出猫を探せ)ーーー❷


 東雲さんが話した話をまとめると猫の特徴はこうである。


 1.アメリカンショートヘア、オス、5歳。


 2.首に鈴の付いた緑色の首輪を着けている。(シノノメと名前入り)


 3.前の胸、全面の毛が抜けて、当時は傷が生生しくあり、3センチ㎡くらいの赤い傷の肌が見えていた。


 4.尻尾は、やや切れていて、普通の1/3しかない。


 5.鮭のキャットフードが大好物。


 6.甘えん坊らしい。


 7.ニャーと泣く(だわなあ)。



 結構ある。こんな特徴だった。


 「桃介さ、で、見つからないかもしれないよ、ってもちろんに話したよな?」


 「はい。それは。」


 「なんて話したんだ。」


 「見つからなくても、調査の日数や時間分は調査料かかるけど、一週間、取り敢えず探すけど、これくらいです。って言って、料金表を見せて説明しましたよ。」


 「で、なんだって?」


 「私、コロナだし娘や息子も遊びに来ないしね、チャコちゃん居ないと楽しみがないの、取り敢えず一週間、見つからなくても探してみて下さいって。」


 「それだけ?」


 「で、每日、調査報告書は作りますよと言いました。」


 「ふむ。」


 「東雲さんは、文字は読めるのか?」


 「老眼はあるけど、なんとか大きい字なら、ルーペ使って見るらしいです。」


 「そっか。じゃあフォント18くらいで作って、報告書を作ろう。」


 「…ですね。」


 「桃介、俺、こういうだるい仕事は、一挙に10人位の集団で、ローラー作戦で、挑みたいとこだよな。かなりそれでも見つけるの大変だろうなあ。」


 「はあ。そしたら、ホスト仲間で、何人か昼間に暇してるのを見つけて誘いますかね。あとは僕は……看護師はみんな忙しいしなあ。」


 「ホスト仲間か。この間、ご飯食べてた子は?」


 「正和まさかず君は、まじめですからね。スポーツマンだし。」


 「おう、おう、そうだ。正和まさかず君だ。彼ならば間違いないよ。夕方まで塾講師やってから、夜にホストしてるんだっけ。あわよくば日中なら空いてるんでは?アイツめっさいい奴だから。」


 「あと、たかちゃんも意外とこういった猫探しみたいの、ゲーム感覚でやってくれそうですよねえ。焼き鳥大吾のヒカルちゃんもやってくれるんじゃないですか?」


 「ほう。たかちゃんも非番ならね。瞳ちゃんも誘おう。吉田ヒカルちゃんね。たしかにあの子は女子だが男前だからなあ。そんなん言ったら、親しいとこは石巻さんも頼めなくはない。」


 「石巻さんも休みの日ならですよ。柿沼さんも忙しいけど優しいし、確か猫好きですよね。頼める人が沢山いるかもですね。」


 「あらゆるひとに何かで協力頼めたら、甘えたいね。安易に頼むと怒られるかなあ。」


 「お礼はどうしますか?」


 「そうだよね、じゃあさ、価格はらない程度には、美味しいお弁当出してさ、協力頼もう。唐揚げ弁当大盛りとかなんでも聞こう。」


 「僕は唐揚げは、塩がいいです。いや、天丼いや、ハンバーグデミグラスソースかなあ。」


 「サラダじゃないのか?」


 「たまには、やはりガッツリ系。タンパク質を適度に補給ですよ。」


 「そうな、桃介はプロ○インとか飲んでるよな。あとは、東雲さんにも、無理ない程度のお金でやらないとだよなあ。しかし猫探しは、むずいな。時間が必ずかかる。前に探した時も見つからなかったからな。」


 「……先生、正直は、アメショー新しく買いたいくらいですよね。」


 「う〜ん。それは駄目!!それは勿論だめだし、あとアメリカンショートヘアのチャコちゃんは特徴が多すぎるんだよ。」


 「ハハハハハハハハハハハハ。」


 「笑い過ぎ。桃介はその奥の手を言うと思ったんだよ。全くなあ。」



 こうして、桃介の猫探し編は始まったのであーる。

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