第28話 「2.ホステルの夜」
優しい探偵〜街の仲間と純愛と〜
ーーー京都編❷
上の発の夜行列車、おりた時からあ〜。あ〜おも〜り〜駅は雪のなか〜♫
青森ではない、京都だし、暑い。
京都駅に降り立つ。21時30分をまわっていた。チェックインは22時厳守、2人で足早に向かう。荷物は少なく軽装だ。少し2人共に疲れている。京都の夜は何か蒼く深い。空気が意外なまでに澄んでいた。
まず外に出て気づいたのは「空が広い」のである。
まあまあ、高いビルが並ぶものの景観が損なわれていない。たぶん観光地ならではの高さ制限である。ワ○ールのピンクに美しく照らされたロマンチックな巨大ビルをさらに進み右折したすぐにホテルはあった。
僕が取ったのは、格安のビジネスホテルで、2名素泊まり6800円だ。あまり旅費は使えない。長期滞在もありうる。ホステルといわれる部類だが個室もあり、また外観が格式ある「西洋バル」みたいな雰囲気の建物入口だ。実にオシャレで気に入り予約したが建物につくと息を飲んだ。
「テンションあがるね」
美幸が喜んだ。全く期待していなかったが怪我の功名だ。
「木村様ですね。」
オシャレな白いワイシャツに、何故か黒いキャップを被った下町のイタリアンレストラン店主みたいなお兄さんが、優しい対応をしてくれた。ラウンジがある。休憩食事スペースだ。9階にあがり部屋に入った。
ガチャ
「わっ!2階建てベッドだ!」
「えっ。なにこれ」
「なんか面白い部屋だね」
「でも2人で寝れなくない?」
「あれさ、ほら、終わったらバラバラでいいんじゃない?どうせ普通のビジネスホテルのベッドだってバラバラだよ。美幸はベタベタあまりしないよね?」
「まあね」
何か納得いかない顔をする。
2人で交代で、別室シャワーを浴びてくる。何か修学旅行を思い出すではないか。京都は中学生の修学旅行以来だった
「二階建てベッドなんて、キャンプ?探検隊みたいで、よいじゃないかあ!おそっちゃうぞ!」
僕は、美幸に抱きついて服の上から身体をこちょこちょ触った。
(木村探険隊が女性の神秘を探訪するのだ。)
「キャハハハハハ〜!くすぐったいよ」
美幸がケラケラ笑う。楽しんでいる。
「ブラは後ろから?」
「あっ。ホックとってもらっていい?」
「あらっ、あらっ?はずれない」
「外れるよ」
カチャ。
ブラを外すと「ぷるるん」たわわな、少しこぶりなバ○トが顔を見せた。美幸は実は、スタイル抜群である。
「じゃじゃじゃ〜ん!(笑)」
「ちょ、ねえ!あかるいよ」
「明るくないと見えないよ。だめ?」
「えっ、なにそれ。変態?…いいけどさ。恥ずかしいよ」
(以下、制約あり、繊細な描写のつもりでしたが直した部分である。前に読んで褒めていただいた方には、申し訳ありません)
「どんな風に?両方?」
「えっ?どっちの両方?」
「え。ほら、こっちとかあ、こんなとかあ」
「うん…総合的に…どっちでも?」
美幸を抱いた。僕は3度目の濃厚なキスをする。見つめ合う。僕ら二人だけの世界。
実に、2段ベッドは狭く、一瞬は、めちゃくちゃに汗ばんだのである。しかし季節はずれのクーラーが効いてきた。僕らは何かサラサラ乾いたお互いの身体を重ね、気持ちを合わせる。二人だけの世界に没入していく。夢の中である。
日常と違い、僕が主導だ。僕らは激しく身体を重ねる。
情熱と情熱と、温かな生理現象。儚いようで、何か永遠のような夢の時間の中に、二人は居る。
僕は当たり前に君を抱くだろう。
でも、いつまでも離さず抱きしめている。僕はそう想い願っている。
「美幸、部屋の壁が薄いから声出しちゃダメだよ(コソコソ)」
「(コソコソ)れいさん、意地わる〜!」
「…………、……、……」
美幸が耐えながら、悶えている。
(カワイイな、美幸……。)
僕らはコンビニで買ってきた3パーセントの缶チューハイで乾杯した。そして、明日に備えてベッドにそれぞれ横になる。
2段ベッドの上に美幸。下に僕だ。
僕はむかしから「寝相が悪い」ため、絶対に2段ベッドの上には、寝てはいけない人だ。転落して怪我したら、聞き込みできない。危険要素は排除しないといけない。
「上は気持ちいいよん!」美幸は少し酔いながらニコニコしていた。
楽しく愉快な、永遠のような夜だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます