ムノリュウ

水結 晶氷

ムノセカイ

注意!

この話は中途半端な残酷、暴力、性描写があります!大丈夫な人だけゆっくり読んでいってね!











…この話は地球…いや、銀河系が生まれるより前にあったお話…



ドラゴンとヒトが共存している世界。

そこでは新たなるドラゴンを誕生させる儀が行われる。

ドラゴンの雄しべと雌しべが混ざり合う音がする。

神が産んだ竜と龍が交尾を行うことで新たなるドラゴンの子を成す準備をする。


翌年、ヒトの前で新たなるドラゴンが誕生しました。

ヒトは喜び祭を開催しました。ドラゴンたちも一緒に混ざりました。

新たなに生まれたドラゴンの子は宝石で全身を覆うという能力を見せみんなを驚かせました。


しばらくして、ドラゴンの子はヒトと共に育ち、ヒトの言葉が喋れるようになりました。

「アソボ!」

「うん!」「はしろ!」

「タノシイ!」

平和な時間は永遠です。


しかし


時が経つとヒトの心にも変化が起きます。


「おれたちのためにしね!」

「ドラゴンはてき!」

「ヒトだけでいい!」


「グォォォォォォォ」


ドラゴンの力を恐れ、自分たちが頂点という考えを持ったヒトたちによって龍は殺害されてしまいました。


「ッ!」

ドラゴンの子は龍の死骸を千切っているヒトを見ます。

ブチッブチッグシャァと聞くに絶えない音が広がります。


「ドラゴンだ!ころせ!」

ヒトたちはドラゴンの子を見ると襲いかかって来た!

ドカバキドゴ…

ドラゴンの子はヒトに捕らえられてしまいました。

「ミンナ…」


「たっぷりかわいがってやるぜ!」

ドラゴンの子は奴隷にされて半年以上死んだ方がマシな地獄の生活を送りました。

「…」

「おら!早く歩け!走れ!」

ヒトたちはドラゴンの子を完膚なきまでに叩き続けました。

中には小便をかける者、足で踏んづける者までもいました。


「奴隷にするのも飽きたな」

「こいつを餌にしてもう一匹ころそうぜ!」

「おう!」


ヒトたちはドラゴンの子を貼り付けにしました。


しばらくして、竜が助けにやってきました。


「動くな!このゴミをころすぞ!」

ヒトたちはドラゴンの子を盾にして降服を迫りました。

「…!」

竜は何もできずに捕まってしまいました。

「おまえがあの断頭台で首を落とせばあのゴミだけは助けてやる!」

「………」

竜は言われた通りに断頭台の前に行きました。

「首を落とす前に…」

ヒトたちは貼り付けになったドラゴンの子を竜の前に運んできました。

「…」

ドラゴンの子は弱りきっていました。

「………」

竜は断頭台に頭を乗せました。

「おらぁ!起きろ!」

ヒトたちはドラゴンの子に水をかけ無理矢理起こします。

「ッ!…!」


「………」

「やれ!」

スパァン!

竜の首は綺麗に飛び、ドラゴンの子の目の前に転がりました。

「ッ!」


「………ニコッ」

竜はこれでドラゴンの子が助かると安心して笑顔になりました。

「……………」

しかしドラゴンの子にとっては親が目の前で死んだという現実でしかなかったのです。


「あはははははははははは!」

ヒトたちはドラゴンの子の目の前で大笑いしました。


「お前をころせばドラゴン共は全滅だぁ!あはははははははははははははははははははは!!」

ヒトたちはドラゴンの子に刃を向けます。

「……ナ…………イ」

ドラゴンの子に刃が振り下ろされる瞬間!

「ミンナユルサナイ!!!」

ドラゴンの子は宝石で全身を被いヒトたちを吹き飛ばしました。

「ミンナキエロキエロキエロキエロ!」

ドラゴンの子は全てを消滅させるブレス攻撃をヒトたちに放つ!

「ごめんなさい!許してください!ぐわぁぁあ…」

ヒトたちは消滅し全滅しました。








そして長い年月が経ち


ドラゴンの子は大きくなりました。

そこにヒトらしきなにかが…



「君…独りなのかい?」


「ダレダ…!」

ヒトらしきなにかは灰色の髪で神々しい黄金色の鎧を身に纏っていました。


「僕は…「創造神の闘士」とでも名乗らせてもらおうかな…」

「カミカ?」

「半分正解かな」

「ハンブン?」

「僕は半分人間で半分神なんだ…そのせいで周りに迫害されたんだけどね…」

「…」

ドラゴンの子は創造神の闘士と名乗る者に少し親近感を感じました。


「親はいないのかい?」

「ヒトニコロサレタ」

「…僕も親は殺されたな…」

創造神の闘士と名乗る者は涙を流しました。

「…寂しいとは思わないのかい?」

「…………………」

「…僕と一緒に来るかい?」

「ッ!」

「人が憎いのはわかる…でも人間全てがそうじゃない…」

「ウソダ…」

「本当だよ」

「ウソダウソダウソダ!」

ドラゴンは距離を取り全てを消滅させるブレス攻撃の構えを取り初めます。

「ホントウダッタラコレヲウケテミロ!」

「さぁ…来なさい…」

創造神の闘士と名乗る者は構えを取らずに両腕を広げ受け入れる体制に入ります。

ブォォォ!

「っ!」

創造神の闘士と名乗る者は全てを消滅させるブレス攻撃を全身に浴び耐えています。

「ナニ!?」

ドラゴンは驚きます。

「……ニコッ」

創造神の闘士と名乗る者は全身で浴びながら笑顔で近づきます。

「……君は独りじゃないよ…」

創造神の闘士と名乗る者は近づいてドラゴンをギュゥゥと優しく抱き締めます。

「アタタカイ…」

ドラゴンはかつて竜と龍から貰ったぬくもりを思いだして泣き出しました。


しばらくして…

「オマエニツイテイク!」

「なでなで♪」

「アリガトウ…」

「これからは一緒だよ」

ドラゴンと創造神の闘士と名乗る者は一緒に行くことになりました。


「コンナスガタダケドダイジョウブカシンパイ」

「なら…」

創造神の闘士と名乗る者は1枚の白紙のカードを見せます。

「?」

「これに入れば姿の心配はないよ」

「ハイルヨ!」

ドラゴンが白紙のカードに触れるとドラゴンはカードと1つになりました。

「ココイコゴチイイ!」

「よかった♪」

「コレカラモ…よろしく!」

「よろしくね♪」



こうして独りのドラゴンは家族になりました。






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ムノリュウ 水結 晶氷 @gigantbrayder

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