第15話 騒がしくも、穏やかな日々

それから週末はしっかり薬を飲んで栄養がつくものを食べすっかり体調は回復していた。時折弟子を名乗るものからの電話を対応しつつ、話を聞いた感じと親睦会はクラスレインに投稿された写真から楽しかったようで新と翔太のレインからもクラス内での交流は増えたようだった。 


翌週光秀先生に休んだことへの謝罪をし時間も近いからと一緒に教室に入り、時は流れお昼。

「あ!俺祐樹ねよろしく鉄心」

「俺は健人ね」

新と翔太に後2人が挨拶をしてくる。

背が高く痩せているが筋肉はついており引き締まっている感じの祐樹と、身長は160センチ後半で坊主頭の健人、聞くと部活はまだ始まってないな祐樹はサッカー部、健人は野球部に入る予定らしく部活が始まる前だったので親睦会に参加でき仲良くなったらしい。

「鉄心も風邪引かなきゃ楽しかったのにな」

「それな鉄心いなかったからあんまり女子と話せなかったし」

「そうか新?普通に話したりしてたべ」

「俺は男子だけで話すのも新鮮で楽しかったけどな部活始まると中々遊びに行くのも難しいからなテスト期間とかはあるみたいだけどさ」

「俺もなかなか3人仲良く話してるから声かけるの渋ってたから新達が声かけてくれてよかったよ」

「楽しかったみたいで何よりだ、しかし新、俺がいるとなんで女子がくるんだ?」

「え?だって鉄心の周りには必ず女子がいるじゃん」

「なんだそれー」

そんな話を男子5人でご飯を食べながら話していると

「ガラガラー」

「あー!鉄心くんもう来て大丈夫?ゼリーとか飲めた?それより家で色々とごめんね」

ユウミが、教室の出入り口から一直線にこっちに手を振りながらくる、それに続き

「おいユウミきてるて言ったけどそんな急ぐことか?」

「師匠聞きましたよ!ユウミさんとも仲良くなったんですね!わたしもエリカちゃんに前に誘われて仲良くなったんです!」

「それよりも私も今度看病いきますからね師匠」

姉属性でこっちに来ていいかキョロキョロしていた妹みたいな真昼を誘ったのか、早乙女姉よ。

しかも看病とかまた体調崩す前提なのか

「ほらな、高校生になってこんな短時間でこれだぞ」

少し呆れた顔で新が呟いていた。


8人と大所帯になったが昼は学食に行ったり中庭で食べたりなどしている人もいる。俺たちはクラスで食べたり学食に行ったりなど様々だが新、翔太、俺と持ち込みなのでクラスで食事をとっていることが多かった。いない人の机を借りてみんなでしゃべりながらご飯を食べる。


「それで、さっきの話しユウミちゃんだっけか?家を聞いて来たのはお姉ちゃんの手伝いかと思ったけど看病もしてたの」 

「そうで、ですね。鉄心くんとは友達なので看病するのは当たり前であのあわわ」

「弟子として師匠のピンチに駆けつけられず恥ずかしいです!今度師匠の家行ってもいいですか?どんなとこかわたし気になります」

噛みながら答えるユウミさんと、距離感がおかしい弟子の女の子、女の子なんだからもう少し距離感を考えて欲しい。

「真昼も男の家にそんな行くとか言うのは自重しろよ?ユウミはな捨てられてる猫とか見ると助けたくなるから、そんな感じでこいつのことも看病してたんだよ」

誰が捨てられた猫だよ心の中でツッコムが、言いたいことを言ってくれたので言葉には出さない。しかし自性でしよ、わたし気になるとかどっかで聞いたフレーズで怖い。


「師匠は捨てられた猫なんですか?」

「あー鉄心は捨てられた野良猫みたいな目してることあるからな!」

「例えだよ!でも確かに家にいる時は弱ってる猫にも」

「お姉ちゃん猫好きだもんね」

「ユウミさんなんか違くね」

話はそれだけど、変な方向にそれてるな、思わずツッコンでしまったけど、ヤンキーに猫ありそうなシチュエーションだけど……。そんなやりとりをしていたら突然声をかけられる。


「みんな仲良しそうですねっ」

クラス内にいた時間さんが笑顔で声をかけてくる

「鉄心くん体調良くなってよかったです、朝仲良く話していたのでタイミング遅くなってすいません」

タイミングを見て声をかけてくれたのだろう、相変わらず律儀だなと思いお礼を言う。

「ありがとう時間さん」

答えた後少し沈黙があり、少しして彼女の口が動く

「時間さんですか?」

心なしかさっきより目が厳しくなってる。口は笑顔だけど、なんか怖い。  

「えーと時間さん?」

「美歌でいいですよ?ユウミさんもいつのまにか早乙女姉妹から名前呼びになってますし」

「えーとそれは友達になって名前呼びに」

「私とはただのクラスメイトなんですか?友達だと思っていたのに……」

今度は悲しそうな顔をしている。なんて表情豊かなんだ……じゃなかった。これは名前で呼ぶ流れなのかな

「えーと友達です、美歌さん?でいいかな」

「なんで他人行儀なんですか?美歌でいいですよ?」

後半の名前は強調して言っており有無を言わせぬ空気を出している。


「えーと美歌?これでいいかなっ?」

「はい!いいですっ」

今度は手を前に組み満面の笑みでそう答える。さっきまでの圧迫感はなく、こういう仕草や笑顔で男は落ちるのかと感心しながら見呆けており、新がやっぱり鉄心の周りにはとかなんとか言っているが

「はいはーい!じゃあわたしも真昼でお願いします師匠!」

俺たちのやりとりを見守っていた、自称弟子が手を挙げて椅子の上でぴょんぴょんしながら元気な言葉で伝えてくる。

「わ、わたしもユウミでいいよ」

今度は手をもじもじしながらユウミさんがこちらをチラチラ見ている。照れと積極的になる時のギャップが凄い……、下の名前で呼ぶのはいいが、何故か雰囲気が初々しく気はずがしい


こういう時は姉属性の、金髪ヤンキーの姉を一旦見て落ち着こう、何か助け舟をさっきみたいに出してくれる……はず。そう思い目を向ける。

そもそもこの空気はなんだ、あれか友達出来なくて可哀想な子にみんなで仲良くしましょうて先生が促してクラスの優しい子が声をかけてくれる感じのやつなのか??あれは小学生までのはずじゃ……


頼む姉……見つめているとエリカの口が動く


「え?私はどっちでもいいけど姉とかさん付けされるとムズムズするからエリカでいいよ」

少し目を伏せながらそう答える。


…………お前もか!?なんか変な雰囲気だけど、高校に入ったばかりでみんな緊張していて、初々しい雰囲気もそのせいだと納得した。

とりあえず女子はみんな下の名前で呼ぶことに決まった。


 そんな空気もすぐにバカの言葉で元に戻る。


「あ、あのわたしもしょうたでいいよ?」

「お、俺もあらたでいいっすよ?」

新もノリで笑いながら答える。

「お前らは最初から下の名前だし、さんをつけるほどでもないから」

「えー酷いっ今度からさん付けしろよ翔太さんって!」

「はぁーわかった翔太さん」

「え、なんだよ鉄心……さん付けするほどじゃないとか言ってたのにえらい素直だな」

 間をおき真顔で

「そうですね翔太さん」と答える。

「なんか嫌だ、振られた元カノに偶然会った時友達からどう?て伝えて、冷たくあしらわれた時みたいなシチュエーションでなんかやだ」

「なんだそれ具体的すぎるだろふふふ」

「お前彼女いたことないじゃふふ、ははは」

3人で笑い、ほかのみんなもつられて笑う。

「やっぱり翔太でいいよ」

「いや最初からお前は翔太だ」

俺が答え

「違いない」

新が頷く

なんやかんやで交流は増えたが3人で話している時は気楽でいいなと感じた。


健人と祐樹は空気のようになっているのが気になり目を配ると、2人ともお揃いか?とツッコミたくなるほどの大きいタッパーのお弁当を黙々と食べていた。祐樹と目が合うと何故かグッと親指を立てている。とりあえずグッと親指を立てて返した。

 健人の方を見ると手が止まり、のり弁の、のりがついている素敵な歯の笑顔を見せてくれる。

俺が指をさしてジェスチャーすると頭をかいて照れている。愛嬌があるやつだなと感じた。


登校する前は少し心配していたが病み上がりの教室は前回よりも交流が増え騒がしくもあり、穏やかな空気が流れていた



――――――――――――――――――――

作者余談欄

ここまで読んでくださりありがとうございます♪

よければハート等貰えると嬉しいです。


新キャラの男子2名は今後忘れていたら出ない時もあるかもです、モブの数が少ない気もしたので追加しました笑

時期的なものですが忙しくてやはりペース早めに書いて終わりにしようと考えてます。最後まで応援してくれると嬉しいです。


初投稿なので手探りで頑張っていきます。心の片隅程度で良いので応援よろしくお願いします。

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