第12話 相合い傘 水も滴るいい男

それからあっという間に放課後になり、今日は男3人で駄弁りながら帰っている。  

「おー投票、今週の金曜日に決まったみたいだぞ」

翔太がレインをチェックしたのだろうそう俺達に伝えてくる。今日が水曜日だから明後日か…

「どう皆んなくるの?」 

「数人来れないぽいけどまぁ殆どじゃねぇ?」

「これがいつからかどんどん来なくなるんだよな」

「テツそれは言わないお約束だぜ」

「そうそう忙しくて来れない人だっているんだから」

と新が言う。

「バイトとか?まだ2日じゃそれは早いか」

「バイトかーでも仕事とかになると中々断れないんだろうな」

そんな話をしながら下駄箱に着く。するとポツポツからザーと季節外れの雨が降ってくる。まぁ朝に天気予報で確認済みだから朝に傘立てに入れて置いてある。


「げー!雨かーでもでも俺は珍しく傘を持ってるんです!」

翔太が1人で何かやってる、ニュース見てたらあれだけ傘必須マークが出てれば誰でも用意するだろう2人ではいはいと話しながら新と俺は傘をさす。

「鉄心の傘は大きいな」

「あぁなんだっけ?台風でも折れないてやつ買った通販で」

ジャパ○ット高○はなんといっても主婦の見方!大きな扇風機のような機械の風でも折れてなかったし、(出演の人のカツラは飛んでたけど生放送ならではだろう)そんなテレビの前と中の驚きもさながらそれでいて2980円(送料別)これは買いだと思って買ってしまった。さしてるの俺しか見たことないが。

「なんだそりゃ」 

2人が笑っているのを横目にザーと強い雨音の中に会話が聞こえる。もちろん俺たち以外も帰ってるから聞こえるのは当たり前だけど。知ってる声だからか他の雑音よりよく聞こえたきた。


「お姉ちゃん!ダメだよ誰かのとっちゃ」

「いやこの古いのなら大丈夫じゃないかな使ってなさそうだし」

「名前書いてあるよ!先輩のだよきっと終業式とかで置いていったやつだよ!4月だから少し汚れてるんだよ」

「お姉ちゃん止むまで待とうよ」

「そうだなお互い朝弱いのが運の尽きだったな」

2人下駄箱の前に設置された傘箱の前でやっている。


「ちょい新、翔太待ってて」

「えーあうん、」

「おう、トイレか?」

2人に少し待ってもらい元来た道を戻る。


「早乙女姉妹さん傘貸すよ俺のなら2人入れるだろう」

諦らめたような目をした2人の前に行き傘を妹さんに渡す。

「え、あ、ありがとうございます」

「あ?あぁ真昼の師匠じゃねぇか、貸してくれるのは助かるけど何か裏でもあるのか?」

なんで喧嘩口調?そして真昼の師匠とか美空さんどこに布教してるんだか、 

裏は別に、どこかの誰かだけど傘盗難?それで下駄箱難民になるのを防ぐため……?

まぁ冗談だけど女の子が濡れるのが嫌だからとかキザなセリフ言うつもりもないし


「裏かー貸すけど1つ条件で明日そこの傘入れに入れといて置き傘にするから」

「それでどう?雨強いしまだ寒いから濡れたら風邪ひくよ?それでいて俺は置き傘が自動的に設置される」

「…………まぁそれなら貸し借りなしだなよし!ありがたく借りるよ」

結局貸し借り作りたくないだけかよ笑そう心で笑っていた、別にその心笑っているねで言うほどではなく微笑む程度に。

「あの、お姉ちゃんあんなんですけど気にする方なので本当にありがとうございます」

そう姉妹の妹とは頭を下げて背中が遠くなっていった。


帰りは新に入れてもらい帰路に着いた。

「優男ー」「さす鉄」とか帰りにうざかったから「相合い傘だね」と新に腕を近づけ言ったら頭上の傘を避けられ数十秒だったが思いっきり濡れた。その直後車道側を歩いていたためもろに車から水をかけられる落ちまでついて。

水も滴るいい男というが、パンツまでビッチョりで滴るを超えて滝行を終えた僧侶のような格好だった。

最後まで送ると新が言っていたがここまで来たら変わんないと言ってケータイや大事な物だけお腹に入れ走って帰った。教科書は置き勉で、勉強する範囲はケータイに写メを撮っているため問題ない。(後で文字を埋めて覚えいるか穴埋めみたいにしたりするため)


「ただいまー」

誰もいない家に帰り、築50年は経っているため雨漏りも当然する、急いで朝事前に設置したタライを新しくし、お風呂に入り、洗濯機を回し、適当に食事を済ませ敷いてある布団に横になる。 

画像に取り入れた教科書を読みながら穴埋めにしたり、数式、英語の単語をピックアップ、コピペして付箋のアプリに入れたりしているとケータイの画面が突然変わり音が鳴るため今までの作業の流れでボタンを押す。


「はい鉄心だけど美空さんどうした?」

「あ、え?師匠ですか?」 

「俺以外誰がいるんだよで?連絡どうした?」 

なんでかけた方が慌ててるんだ?と思ったらすぐに答えが分かった。


「あわわ間違いで師匠にどんな分を打とうか迷ってしまいましてそれで間違えて連絡してしまって男の子とレインてどうしたらいいか分からなくて……」

女と男で変わるのか?あれかスタンプマウント的なやつ?とりあえずスタンプを送る的な、多分違うな


「あぁそんなこと、いやでも美空さんにとっては大事か……俺は気にしないけどそれじゃこれから他の人と連絡するとき参考にならんしな、……そうだな時間さんとか打つの早いぽいし数人の男子と連絡取り合ってるみたいだから相談してみたら?」

「ありがとうございます師匠!相談してみます」

「それは何より1人も数人も変わらんだろう」

翔太、新とも初日に交換した後、どっちからかしたか分からないけど連絡してたみたいだし、別に邪険にはされることはないだろうまだ分からないけど八方美人なような気もするし

「あの師匠!」 

「うん?なに美空さん他にも相談あるなら聞くけど」

まだ何かあるのかと思い聞いてみる。


「あ、あの!美空さんじゃなくて真昼でいいです!いいですから!それでは!」  

「え、あ…」

ブチっ………………

おお、嵐のような子だな、ちょっと今日の天気も相まってポ○ョが俺の頭の中で海を走っていた。 


その後 

「師匠先ほどは唐突にすいませんでしたっまた連絡してもいいですか?」

「師匠金曜日楽しみですね」と少しした後レインが入っていた。


「出れたら出るけど事前にレイン入れてくれると助かるよ」

「楽しみだね」と当たり障りなく返した。

きっと時間さんへの相談の結果なんだろう、そう思いながら就寝した。 



――――――――――――――――――――

作者余談欄

いつも読んでくださりありがとうございます!

よければハート等貰えると嬉しいですっ 


他の小説読んだら余談欄的なのがありましたので今度から書いてみます。 

鉄心は心の中ではユーモアに溢れてますが、口に出すことは少なく、今後の話でも意識しますが自分の本心は話したりすることは少ないです。意外にも自分のことをベラベラと話す人より、話さない方が魅力的に異性見られている面もあるので本人の欠点が他の人には魅力的に映っている風に考えてもらえると助かります。

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