第11話 視界と思考の端々に思い出すのは
「俺さーみかみかからレインきてさこの髪型素敵だなって」
次の日学校で翔太と新と学校に来て話をしていた。
「それはお世辞だと思うぞしかし俺も簡単に挨拶して話したけど優しい人て誰にでも優しいんだな」
新がそういいつつテツは?と聞いてくる。
「あーしたけど遅刻しないようにとかだったな」
もちろん今日は遅刻しなかった。
「なんだそれ」
笑っていると視界の端に師匠と呼んでくる子が映る。
「師匠!昨日は連絡せずすいません!弟子として恥ずかしいです」
「大丈夫だよ」
そんな義務でもないし、どちらかというと電話で済ませたい派であるため安心させるように伝える。
「あ!皆さんおはようございます」
少し話を4人でした後時間さんも登校しこちらに簡単に挨拶をして、席の近くの女子2人ととレインの話をしてる。
周りを見渡すと30人いる教室にはグループができており、みんな集まり話している。
「それでこの女優が良いのですぞ」何か本を見ながら話している側から見ると冴えない男子4人。あれが陰キャとか呼ばれるのかな俺たちは、ルックスとかから影響力を見れば陽キャなのか?楽しそうに話してるのは同じだろうに何が違うんだろう。顔なんて親からの送りものだろうに、言葉通りの意味ではないが声の大きさなのか。発言力とかそういうものなのかな。
親友が生きていればこの学校に進学する予定だったためそんなことも心の中でなく、話せたんだろう。けど俺の景色に彼女はいない。
気づけばそんな風に考えながら教室を見ている自分がいた。
「師匠話し聞いてます?」
「ごめん、聞いてなかった」
「もうー師匠」
「テツは抜けてるからな、でもそこもいいところなんだよ」
2人が笑いながら話しかけてくる。
抜けてるか、親友なら足りている人なんていないとか微笑んで返してくれるんだろうか。良い意味でも悪い意味でも、裏表がなく周りから孤立してしまった彼女、まだ高校の環境に慣れていないのか思考の端々によく思い出してしまう。
そういっちゃんも言ってたな。
「心の中でこの人がここにいればなて思う人は大切な人なんじゃぞ」うちの婆さんがいればと続くが……
やっぱり親友は1人だけなんだと新生活の中、周りの会話を聞きながらそう1人再確認していた。
その後何事もなく教科書を買ったりしお昼を迎える。
やはり周りにはグループができておりそのメンバーで食べている。師匠と呼ぶ子は意外にもヤンキーと話して食堂だろうか?に向かっていった。昨日の妹さんも混じって食べるのだろうか、姉御肌てやつか。こっちをチラッと弟子?が見ていたが男子と食べるのは多分まだハードルが高かったんだろう。
「テツはサラダチキンとカットサラダだけか、お前料理出来なかった?」
「まぁ、それなりにはでも昼はこんなもんだろう」
「ドレッシング付けないのか?」
「あー嫌いなんだよね酸味とか変な感じがして」
「なんか筋トレしている人の食事みたいだな朝は何食べてんの?」
「コーヒーとパン1枚かな」
「「女子かよ」」
どこら辺が女子?疑問に思いつつそんなたわいない話をしてると翔太が聞いてくる。
「そういえば女子といえば何故か鉄心の場合何故かいつも女子が寄ってくるよな顔か?顔なのか?」
「そんなことないと思うけどな」
「「あるな」」
2人の声がハモる。
「まあ、それは女性の方が日本は人口多いから」
「えそういう意味?なんか違くね?あとさ!あるなてさ!るとさなの文字変えるとさ!あな」
「そこの男子ー混じっていい?」
翔太が馬鹿な話をしていると、話したことないすらっとしたスポーツ選手のような引き締まっているが細長い性格が少しきつそうな女子と、マスクをしている少し怠そうな女の子、それと時間さんが席の近くに来ていた。
「いいけどどうしたの?」
新が答える。
「親睦深めようと思って楽しそうに話してたけど何話してたの」
机の下で2人顔を近づけニヤニヤしながら
「ほらな、だよな」
2人はさっきの女子の人口についての話をしているのだろうか?このクラスは女子16人いるし……まぁ違うことだろうけど、責められる流れだから話変えるか
「あーそれはな翔太が…」
「それはなし!鉄心!ごめんて」
あな○の流れを伝えようと思ったら思いっきり止められた。
それから合コンではないが近くの机を拝借し向き合う形に設置した。
その後筋トレの人みたいなど話が最初に戻ったかのような会話をしいつの間にか流れが親睦会のことになっていた。
「それでさ親睦会でカラオケかライニング1行こうかて話出てさ女子はどう思う」
「レインの集計機能でとって予定合う日で行くとかどう?」時間さんが答える。
「それでいいんじゃない?今週中で聞いてみよ」
同意を得て私はセッティングするねとクラスレインに曜日と場所、出欠の集計が出る。ご丁寧に予約するので早めにお願いしますと時間さんのコメント付きで。
俺は仕事が早いな、参加しない理由もないが、参加するのも親睦という意味ではグループそれぞれ出来てるし?別にいいんじゃないか。ここで言うのは野暮だが……。
そういっちゃんが残してくれたお金はまだあるが自分で月にこれくらい使うと決めて残している。今後何に使うかもわからないし、いち高校生に何にどのくらいかかるかもわからないから大体だが……
どうするもんか、もしこれで俺が参加せず人が離れるならそれは友達ですらないしな、疫病神、プレイボーイ、女たらし、中学の時のあだ名。何も知らない人たちから評価された名前が頭の中で反響していると…ポケットが揺れている。
手に取るとケータイを確認すると
「鉄心くんもくるよね?」
ここにいるメンバーがすぐにケータイを触り投票し、決めてる中で俺だけ手が止まっていることを気にしてくれたのか、レインがくる。
すぐ目の前にある顔を見るとこちらに気づき笑顔を見せてくれる。
あざとかわいいな。そう心でごちりながら、深く考えすぎるのはやめて
「行く」
短く返信を打ち投票した。
「ふ、ふふふ投票だけでいいんだよ」
さっきより笑ってお腹をかかえている時間さんを見てクラスレインに打っていることに気づき確認が足りなかったと反省しつつ、周りにも茶化され恥ずかしくなり頬をかいてしまう。
あれかな?きっと妖怪のせいだ、きっとそうだ妖怪〇〇〇〇の歌で聞いたやつだ。
恥ずかし過ぎて現実逃避していた鉄心だった。
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