第6話 高校初日

起きた時間も寝過ぎて7時30分、いつもなら間に合うが顔のいたずら書きを消すと間に合わない。  

選択肢としては


1 顔の落書きを消さずに学校に急ぐ

2 顔の落書きを消して遅刻はするが学校に行く

3 初日から休む


うん、1はないとして3は昨日のことを知って洋平さん達に負い目を感じてほしくないし、消しながら瞼にも目がかいてあることに気づく、そらを見て沸々と怒りがというか時雨のやろう本当にふざけやがって!!

  

脳内で2を選んだ俺、学校の校門には誰もおらず、朝には賑わっていただろうクラス表の前にも誰もいない、番号を確認し扉式の下駄箱に靴を入れ、教室に向かう。もちろん誰もいない。今はきっと体育館で説明やら挨拶をしてるのだろう。


黒板を見て自分の名前の席に向かう。

時間は10時あれから急いだが都心から少し離れており自転車で飛ばしても30分かかるが、初日から遅刻もありゆっくりきたのも関係してるが……この場にいても気まずい。


そんなこと思い席について外をボーと眺めてるとガラガラと教室が開く音がする。


「あれ?誰かいる?」

その声に振り向くとそこには長い髪を後ろで編み、前髪の左側が垂れ下がっている。目は少し眠そうだが吸い込まれそうな程大きく、顔のパーツが全て整っている。芸能人、モデルそう言われても差し支えない美少女がそこにいた。 


「朝にはいなかったよね?」

そう彼女は聞いてくる、同じ遅刻仲間と少し喜んだが朝にはという言葉からきっと彼女は訳あって遅れてきているのだろう。 

  

「あ、あ初日から遅刻してさ」 

短く返答する。


「そうなんだ、ふふ面白い人だねお寝坊さんなのかな?」

微笑む姿も見惚れてしまうくらい彼女は魅力的に見える。

「えーと名前は山崎 鉄心くん?」

俺が惚けていると黒板を見ながら聞いてくる。座ってる席から名前を見たのだろう。  

    

「そう、えーと君は?」

「あーごめんね私は時間 美歌っ」 

「じかんて書いてときまて読むの」

 

「そうなんだ?珍しい名前だね時間さんでいいのかな?」

「時間でも美歌でもいいですよ、親しい人はみかっちと読んでますし、それで鉄心さん暇ですしおしゃべりでもしましょ」

手を合わせたかと思ったら真ん中の席から椅子を持ってきてお話ししようと誘ってくる。時間もあるので会話をする。よく聞くと朝体育館まで行ったはいいが、貧血で倒れたとのこと、少し保健室で寝たらよくなったから先に教室にきたとのこと、よく聞けば昨日緊張して眠れなかったなど会話をし、俺は昨日のことを写真を見せながら話すと本当に楽しそうに笑っていた。


「あははは、それはやばいですふふふ」

遅刻はしたが話のネタにもなり時雨もこれを狙っていたのかと思ったが普通に遊んだことでも話題は出来るためそれはないと首を振る。


「笑いすぎだよ」

「だってぇーふふふ山崎くんは面白い人」

ツボに入ったのか、最後の写真を見せると吹き出していた。 


「笑い死にさせるきですか?あ、そろそろみんな戻ってきますねそれじゃ!」

そういい時間さんは席に戻る。廊下から話し声が聞こえだれか入ってくる。


忘れてたけど遅刻はやらかしたな、そんなこと思いながらそわそわしていた。そんな中


「おーい鉄ー!初日から遅刻とかやるなお前はさすが疫病神てか?それに……美少女と2人でいるなんてプレイボーイの名は伊達じゃないな」

中学生の時のあだ名を知りつつ冗談を言ってくるのは三森 秀太。中学からの腐れ縁でこういうキャラでみんなを引っ張って行くような性格。身長は175センチ程で平均より大きく少しチャラい見た目をしているが悪いやつじゃない。


「おい秀太鉄が困ってるしそこはあだ名関係ないだろ?鉄もめんどくさがってないでこいつの髪変わってうんこ色になってる所にツッコミめよ」 

なんでそんなこと言うんだよと秀太が泣きついているのは。白石 新。綺麗なサラサラの髪に王子様ヘアーをしている。いつも突っ込んでくれる助かるやつ。頼りになるし甘い顔で周囲からキャアキャア言われる時雨さんタイプにならないで欲しい王道のイケメン。


「でなんで遅刻したの?寝坊とか珍しいね」

秀太をめんどくさそうに手でおし避けながら聞いてくる、さっき時間さんに伝えた通りのことを写真付きで伝えると……2人は吹き出して方をめっちゃバンバン叩いてくる。 

  

「あはは!あひひ、そのままこいよ、ぶー」

とりあえず秀太の頭を掴みアイアンクロで力を込める。 

「いて!いてててて!!許して鉄!!」

「ぷ、ぷぷぷ」 

そんなことをしていると少し離れた席から笑い声が聞こえる。

「あ!すいません!話が聞こえて面白くて」

語尾にテヘとつきそうなお姫様カットの身長も150センチもない、あどけなさが残る第二次性徴に置いてかれたような子。好奇心旺盛そうなキラキラというエフェクトが浮かんでいるような瞳の少女がそこにいた。


俺ら3人がそちらを見ると萎縮してしまったのか

「あわわ、大きな人達がこっちをみて」

「すいません、すいません、すいません」

なんか見てたこっちが申し訳なくなるくらい怯えてる。


「あー?朝はいなかった奴だな?初日から遅刻して、しかもこんな小さい子いじめてる奴はお前らか?あ?」

今度は金髪のねーちゃんが少し離れた席でこちらにガンを飛ばしてくる。身長は170センチはあるだろうガンガン効果音がなりそうな勢いで近寄ってくる。


「あーいやほらいじめてるわけじゃなくて」

新が弁明するが、あ?と睨んでくる。イケメンスマイルも聞かない様子。‥‥こいつできる。


「えーと驚かせてしまったのは悪いと思ってるんよ」と秀太


「黙れうんこ頭、坊主の方が似合ってるんじゃね?」

うん、見るからにすごくしょげてる、忘れてる頃にトドメ刺した、坊主の方がとつぶやいてるし明日染め直してくるのかな?


「でお前はなんでいじめてるんだよあんな小さい子をよ」

今度は俺かその前に

「初対面で言われる筋合いないな。あといじめがどう言うことかわかっていってるのか?」


「あ?、どういうことだよ」


「あの子は知らない子だが見た目で苦労してる部分もあるだろうに小さい子小さい子て同い年なのに失礼だと思わないのか?ただ見た目から怖がらせたのは悪いと思ってる」


「だけどな、俺の友人に酷い言葉や睨みつけてる奴はなんだ?それこそいじめとか言うやつなんじゃないか?」


少し考えるそぶりをしてる。

「そ、それはよ、」

自分の言葉と行動と彼女なりの正義があるのだろうが勘違いしたのを反省してるのか先ほどの異性はない。

はぁーとため息をつく。


「あの子もあの子だ見た目だけで勘違いされているのは同じだろうに、俺たちも少なからず見た目で傷ついただから痛み分けでどうだ」


先ほどの小さきものに目線を変え訴える。

「はい、はいです!師匠!!」

うん、いい返事だ仲直りできたかなうん?師匠


「えーと師匠て何」

「師匠は師匠です!私の気にしてることも配慮して、1番気にしてるのは私だって気づかせてくれた大人の男性です!話も面白くてユーモアもあり、ヤンキーにも怯まない!人生の師匠と呼ばせてください!」

へんな子だな。そんなシンプルな印象を受けた。


「あの、私も悪かったよ双子の妹もあんな感じではないけどひ弱な性格で…守ってきたクセが、すまねぇ!」

ヤンキー……しっかり謝罪できるところから根はいいやつなんだろう。

正直助かった、クラスの視線も痛かったから変に注目されるのは遅刻したことだけでいい


「あ、あいいよ秀太も新もいいよな?」

「坊主の方が……」 

「気にしてないから大丈夫!」

秀太、新の順で答える。

うん、秀太はダメだな深刻だ。それにしても双子か似てるのかな?ヤンキーが2人‥‥なんだか怖くて考えるのをやめた。


「はい、席について。遅れてすまんな」

担任が遅れて入ってきてみんな席に着く。 俺も習って席に着くが。 


あれ?……どこかで聞いたような声がするなそんなこと思っていた。

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