目を開けて歩けば

裏切りよりもいいものにけつまづく

たとえば 踏みにじられる愛

ときには 耳をかすめるおだやかな風

そしていつかの 鼻を強くかみすぎるクセ


流れ伝って 乳房の谷をすべる涙はミステリー

いなくなった恋人と目が合うとき

きのうに進めばくびが痛んで

おしまいにとりすがれば 手にはうす汚れ


底にさわってふるえたとき

金のなる木をかこった壁のぐるりが 華やぐ街になる

もの語る力はうつむきかげんに膝をかかえて


薄目にゆらめく信号機のあかりはまだ

ぬるい情熱知った煙を むかしのすみかへ泳がせている



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

学ばない 関藤みずほ @kling22

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る