第3話 山田さん

月のクレーターが報道された翌朝、ピンポーンと玄関のチャイムがなった。インターフォンのモニターを僕は覗きこんだ。モニターには山田さんが映っていた。これが山田さんとの出会いだった。

「同じ高校の山田です。川田くん、月のクレーター、君でしょ?話したいことあって家に入れてよ。大丈夫だよ、きっと私しか気付いてないよ。」と山田さんはニカッと言った。

まずい、なぜバレたんだと僕は思った。噂が広がるとまた面倒になると思って僕は玄関のドアを開けて山田さんをリビングに迎え入れた。

「そちらのソファに座ってください。なぜ僕だと思うのですか?」と僕は言った。

「月は常に地球の正面を向いている。月が地球の周りを回る公転と月自身が回る自転周期が一致してるからだよ。クレーターの場所・角度的に地球、この街から放射された何かが当たった。」と山田さんが言った。

「それで何で僕になるんですか?」と僕は言いながら月は同じ向きなんて知らなかった、狙いがまずかったなと思った。

「あとはたまたま君の家から青い球体を見たからだよ。私の実験に付き合ってよ!川田くん。」と山田さんは目を輝かしてニカッと言った。

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弾丸フラストレーション たらいゆあ @cavacava

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