間章の弐

「最終調整はバッチリよ、オリオン」

 

「⋯⋯」

 

 オリオンはルピーの方をじっと見たまま黙っていた

 

「オリオン?  私の顔を見てどうかした?」

 

「いやぁ、お前には随分世話になったなって」

 

「何を今さら。 私たちの仲じゃない」

 

「そう、だよな」

 

 オリオンは自信なさげに言う

 

「なあルピー、俺たちのやっていることはこの世界のためなんだよな?」

 

「そうだって、あの方も言ってたじゃないの」

 

「最近思うんだ。 俺達はあの方の手の上で踊らされているだけなんじゃないかって」

 

「どうしてそう思うの?  何か証拠でもあるの?」

 

「証拠なんてあるわけないだろ!」

 

 突然、怒鳴ったオリオンにルピーは驚いた

 

「⋯⋯ 怒鳴ってすまない。少し頭を冷やしてくる」

 

 そう言ってオリオンは去っていった

 

「私達がやっていることは間違ってないよね、ナターシャ・・・・・様⋯⋯」

 

 

「そーろそろ最終段階に突入しますよぉー!  準備できてますかぁー?」

 

「こっちは準備完了、いつでもOKニャン!」

 

「よーろしいっ!  それでは実験開始っ!」

 

 ポチッと

 

 ガタガタガタガタ ボコボコボコボコ⋯⋯

 

 ウーウーウーウー!  シュー シュー

 

 色んなところからガスが漏れだしている

 

「ニャニャッ!  これは失敗ニャンか!?」

 

「いや、これは失敗じゃない。 成功への第一歩だ」

 

「何カッコつけてるニャンか!  早く脱出するニャンよ!」

 

 獣人の子は長身メガネ男の手を引っ張りその場から脱出した

 ヴィーゼのどこかで大規模な爆発が起きた

 それが誰の仕業なのかは、未だに分かっていない

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