第2話 〔名前〕ヲ、ツケテモライマシタ
「パパ〜!
こんなに おっきな おにんぎょ ありがと!! 」
自分の2倍はある大きな人形を、誕生日でもクリスマスでもこどもの日でもない〔普通の日〕にプレゼントしてくれる父が、とても
母の
「……ローン何年分よ、アレ……」
「……アレはネットで200円だったんだ……」
「はぁ?! 200万?!?!」
「ちょっ! バカ!! 声がでけぇよ!!」
「何、言ってんのよ! 200万なんてだまっちゃいられないわよ?!」
「〔200円〕だ! って言ったんだよ!!」
「バカ言ってんじゃないわよ!
こんなデッカイのが200円なワケないでしょう?! 送料の方が高いじゃない!!」
「知らねぇよ!
サイトには大きさなんて書いてなかったし、200円で等身大フィギュアが買えるなんて普通思わないだろ? サイト見てみろよ!」
夫にそういわれてオークションサイトを見てみれば、確かに200円でこの等身大フィギュアが落札されていた。
「ウソでしょ……」
父・
「うぁ……。
きょうからよろしくね。おにんぎょさん」
人形の手をとりながら話しかけると、
「ヨロシク オ願イシマス マスター」
大きな人形をもらえただけで嬉しいのに、
「「「「!?!?」」」」
これには、祖父、祖母、
「わたしはね、〔いなか きらり〕っていうの。
あなたは?」
「マスター、〔イナカ・キラリ〕。登録シマシタ」
ごく自然な流れのように、
「あなた!
うちの娘が〔マスター登録〕されたわよ!!
あの
「落ち着け。
200円の等身大フィギュアのいうことだ。
きっと、
「私ハ、〔
「ぼ〜か……? え〜、ながい〜」
長くて
「デハ、〔1号機〕ト オヨビ クダサイ」
これを聞いて、
「え〜。〔いちごう〕は、おとこのこッポイ〜」
ほっぺたを
「そうだ!
“う”をとって、〔いちごちゃん〕ね!」
「了解。
〔イチゴチャン〕登録シマシタ」
“ピピッ”という電子音がしたので、母・
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!
また、何か登録したわよ!!」
「落ち着け!
今度は
「いちごちゃんは ろぼっとだから、めから びぃ〜むとか でる?」
「ノー。マスター〔キラリ〕。
私ニ、戦闘機能ハ アリマセン」
「ははぁ。それにしても、不思議じゃのぅ。
最新のハイテク人形に見えるのに、
「そういえば、昔のSF映画に出てくるロボットのような話し方ですね〜。おじいさん」
ただただ驚いて、動きを止めて驚いていた祖父と祖母が、〔いちごちゃん〕の存在に
〔いちごちゃん〕は祖父母の方に向きを変え、機械的に答えた。
「私ハ、歌ヲ歌ウタメニ 作ラレマシタ。
会話ヲスル能力ハ 最低限デイイト
博士ガ 判断シマシタ」
「ほぅぁ〜。最近のこどもはこんなに大きな人形で遊ぶんじゃのぅ〜」
「
“歌を歌える”と聞いて祖父母は、“〔ボタンを押せばメロディーが流れる人形〕の大きくなったバージョン”だと想像した。
父・
「この人形は確かに
ところで……。
いちごちゃんは、
祖父は何かをひらめいたようだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます