ぼくは あおむし

自称小説家

ぼくは、あおむし

ぼくはあおむし、なぜかみんなのきらわれもの。

みんなからみれば、ぼくはとってもきもちわるいらしい。


ほら、にんげんのこどもがぼくをみて、なにかいってる。


「あっ、あおむしだ、きもちわるい」


ぼくたちをたべる、とりさんがきた。


「へんないろ、あれはたべれない」


おかげでそこはたすかるけど。


こんどはいぬさんがきた。


「あしがないのにうごいている。

へんなの」


そういってしっぽでポーンとはじかれた。


こんどはねこさんがきた。


「へんなかお、 くちがあるかないかわからないよ」


そういって、あしでころがしてポーンとはじかれた。


いけまでころころころがった。


こいさんがきた。


「へんなかっこう、いけのみずでみてみなよ」


あおむしはじぶんのからだをいけのみずでうつしてみた。


たしかにみんなのいうとおりだ。


あおむしはかなしくなっていっぱいないた。

いっぱいないたらなんだかきゅうに、ねむくなった。

ねむくなったので、つちのなかにはいってねむった。


どれくらいねむっただろう。

からだがなんだかむずむずしてきた。


あおむしはつちからでると、いま、きているふくがやぶれてあたらしいからだがでてきた。


ふしぎなことに、あおむしのからだからおおきなはねがはえていた。


あおむしはあたらしくできたはねをぱたぱたとひらつかせてみた。


すると、そらたかくとぶことができた。


たかくたかくとぶことができた。


しばらくとぶとつかれたので、おおきなはっぱにとまってみた。


すると、にんげんのおとこのこがやってきた

「みてみて、きれいなちょうがいるよ。

とってもきれい」


きれいなちょうなんかどこにいるんだよ。


あおむしはそうおもってはばたいた。


きのえだにとまるとこんどはとりさんがやってきた。


「わぁ、きれいなちょうちょ。

あんなにきれいだから、たべちゃかわいそうだよ。」


きれいなちょうちょなんかどこにいるんだよ。


あおむしはそうおもってはばたいた。


またつかれたので、いしにとまると、こんどはいぬさんがやってきた。


「わぁ、きれいなちょうちょうおはなのようでいいにおいがしてきそう」


そういってじぶんのはなをクンクンとおしつけてきた。


きれいなちょうちょなんかどこにいるんだよ。


あおむしはそうおもってはばたいた。


またつかれたので、こんどはいえのへいにとまった。


ねこさんがやってきた。


「まあ、きれいなちょうちょ。

いっしょにあそびたいな」


きれいなちょうちょなんかどこにいるんだよ。

それにまた、あしでけとばされたらたまらない。


あおむしはそうおもってはばたいた。


のどがかわいたのでいけでやすんだ。


こんどはこいさんがやってきて、

「うぁ、きれいなちょうちょ、どこからきたの」


あおむしは、こいさんにきいた。

「きれいなちょうちょ、どこにいるの」


こいさんはこたえた。


「いけのみずをのぞいてごらん」


あおむしはいけのみずをのぞいてみた。

するとおおきかなきれいなはねをつけたちょうちょがそこにいた。


あおむしはうしろをふりかえってみた。

でもちょうちょはいない。

もういちどいけのみずをのぞいてみた。

たしかにそこにちょうちょはうつっている。


おかしいな?


するといけのこいさんがいった。


「それがいまのきみだよ。

とってもきれいだ。


そういうとこいさんはむこうにおよいでいった。


これがぼく?


しばらくながめていたら、とりさん、いぬさん、ねこさん、そしてにんげんのこどもがやってきた。


「ごめんね、いままでいじわるいって、

ボクたちきみといっしょにあそびたいんだ。

ゆるしてくれるかな」


あおむしはいいました。

「いいよ、いっしょにあそぼう」


あおむしはみんなとなかよくなれたのがとてもうれしかったです。



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