第2話

玲は驚愕した。転校生の声を聞いた事があったからだ。

転校生が教室に入ってくる。瞬間、クラスメート全員の動きが止まった。息を忘れるほど美しい少女だった。手入れを欠かしたことはないであろうとても綺麗な長い黒髪に、綺麗で滑らかな白い肌。あまりにジッと見つめすぎたためだろうか。彼女と目が、合った。彼女がニコッと微笑んだ気がした。

「はい。じゃあ簡単に自己紹介してください。」

「私の名前は長田真姫です。よろしくお願いします。」

パチパチパチ…。

「皆さん、仲良くしてあげてくださいね!えーと、長田さんの席は、あっ、丁度空いてる長田君の席の隣です。」

男子生徒からの視線が痛い。


「玲。」

えっ?ちょっと待って。これって幻聴なのかな?ついに俺の頭がおかしくなったのかな?

「玲。」

あ、また。違うと思うけど、一応確認。

「玲。」

あっ、やっぱ俺に言ってたわ。

「何ですか、長田さん?」

「ふふふ。敬語じゃなくていいよ?あと、真姫って呼んで?」

えっ、可愛いんだけど。ねぇ、ヤバイよ。

「へ?あ、…じゃあ、真姫。何か用?」

「放課後空いてる?」

「空いてるけど…。」

「じゃあ、デートしよう?」

「えっ!?」

「駄目、かな?」

あああ、可愛過ぎる!!!反則だよ。この顔をされて断れる奴絶対いないよ!?

「駄目、じゃないと、思う。」

「やったあ!」

ううう、可愛すぎー!!

と、思ったところで気づく。何だか殺気を感じる。チラッと男子生徒達を見ると、しっかり見られていた。


休み時間、男子生徒に声をかけられた。でも、良かったー。笑顔だ。とはならない。目が笑ってない!怖いよ!!明らかに憎悪の念こもってるよ。そんな視線浴びせないで!!てか何しれっとそっち側にいるんだよ。亮!!

「なあ、玲クゥン?」

めちゃ怖いよ!!やめて!イジメないで!

「長田さんに、どうやって取り入ってんだァ?」

「弁当一緒に食ってたしよォ…!」

この恐怖の中でお昼の事を思い出していた。

(「玲、一緒に食べよう?」

「えっ、い、いや、他の人と食べた方がいいんじゃな…」

「玲、駄目なの?」

可愛すぎ過ぎるよー!!断れるわけないじゃん!

「いや、駄目じゃないよ。」

「良かったー。」)


放課後。無事に放課後まで生きることができた。

奇跡だな。これ。でも、明日が命日かもな。

とか考えていると、目の前に絶世の美少女が。

「真姫…。」

「うん。じゃあ、行こっか?」

「ああ。」

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