閑話‐4 特番!絶叫映像、恐怖の百連発!!
『これは一般の方がスマホで撮影した映像です。ほらここ、ここに映りこんでいるんです』
テレビ画面がスタジオからスマホの映像に切り替わる。
バイパスを走行中の車から防音壁を映している映像が流れる。
“なに?あれ?キモーい!”などと叫ぶ撮影者の声を拾いながら、テレビ画面右上にカウントダウンの数字。
5、4、3、2、1。
スマホ画面を左から右に黒とピンクのぼんやりした塊がバイクらしい物体と一緒に防音壁の中ほどを横切って行く。
チャララ~ン、チャララララ~ン。
BGMが入り司会の声が響く。
『本日初めの衝撃映像は走行中の車から撮られたキモい謎の映像です』
『これはまさしくキモい悪霊のたぐいですな。オン キリボシ サラダ マン ハッタン、オン アミ ニティ マン ハッタン』
胡散臭そうな坊さんがお払いのお経を唱える。
『いつものように妄言密教の
アシスタントの女子アナが話を続ける。
司会者が更に説明を続ける。
『でもこの日は周辺の多くの車からも警察に目撃情報が寄せられています。我々はいくつか同時刻ごろに取られたドライブレコーダーの映像も入手することに成功しました』
おどろおどろしい声でナレーションが入り映像が流れる。
『この車列を縫うように走るピンクのキモい塊はキモい悪霊なのだろうか!!』
『いや~ん、キモい~。何かの祟りなの~』
『なんか、噂じゃあキモい宇宙人の仕業とか言う話もあるじゃない。その辺のところはどうなの』
ゲストのタレントが口をはさむ。
『そうなんです。この日周辺を走っていた車からも多数キモい目撃情報が寄せられています。しかしドライブレコーダー等に映る映像は同じ様にぼやけたものばかり。今日はゲストコメンテーターとして超常現象の専門家、月刊△-の編集長の御神さんに…』
堪忍してください。
ウチ、調子こいてました。
・・・・キモくて悪かったなあ!ぁぁあ!!
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