第9話……魔王降臨!?
恐ろしい攻撃を受けた気がする。
一瞬、視界が真っ白になって気を失ったぞ。でも、高レベルのおかげか直ぐに自然回復。おまけにベリルのプチヒールも貰っていた。それは意味ねェ!
「……あっぶね! 意識を失いかけた。何なんだ……」
「エド、大丈夫か!?」
「ああ……なんとかな。それより、なんだよあの気配! あの黒いオーラは……?」
目の前では暗黒の炎がメラメラと燃え盛っていた。あれが攻撃してきた、という事か。その物体に注視していると、黒炎が語り始めた。え、喋るのか!
『……男よ、何故死なぬ。今のはレベル100以下なら即死だった……。タンスの角に足の小指を打ちつけるようなダメージを受け、
なんだって!?
タンスの角に足を打ちつけるダメージ……そりゃ嫌すぎるぜ。良かった、どうやら俺は、高レベルであったが故に状態異常の耐性が出来上がったらしい。
それにしても『呪術』って……魔法学校の授業であった気がする。確か、魔族が使う高等スキルだ。
「ベリル、あの黒い男は何者なんだ」
「ヤツは自称・魔王の遠い親戚……アルマンディンだ。その力は確かに魔族のモノだから本当かもしれないけど、証拠もない」
「ま、魔王の遠い親戚? 聞いた事ないぞ」
ていうか、そんなヤツがなんだ帝国にいるんだよ。しかもいきなり殺されかけたし、これは反撃していいよな?
アルマンディンが浮遊し、接近してくる。俺は身構えた。
「……フン、まあいい。騎士団長・ベリルに守られたか何かだろう。今度こそ消えて貰うぞ。……む?」
「へ」
ヤツは何故か俺の顔をジロジロ観察してきた。俺もソイツの顔を確認する。なんだ、顔は結構普通だな。
「お前……! その人生に疲れきったような顔はエドウィン・ハークネスか!?」
「お、おう。それは俺の名前だが……って、誰が人生に疲れきったような顔だ!?」
「き、貴様かあああ!! 騎士団長・ベリル様の想い人とは!!」
アルマンディンは、キレ散らかしながらそんな事実を口にする。俺は「そうなの?」とベリル本人に確認した。すると、ベリルは顔を真っ赤にして俯いていた。……露骨な反応あざっす!
心の中でガッツポーズし、俺は向き直る。
「おい、自称・魔王の遠い親戚……アルマンディン! 俺とベリルは、今デート中なんだ。邪魔するんじゃねえッ」
「なん……だと……! デートだとぉ!? ふざけるなあああああああああ!! もう手は繋いだのか!!」
「手ぇ!? 手どころか昨晩、ベリルと夜を共にしたわ!!」
そう言い返すと、アルマンディンがカチーンと固まり……白目を剥いて静止した。いや、事実だしな。
「エ、エド……恥ずかしいじゃないか……」
もじもじとするベリルさん。
そう純粋な乙女モードになられると、こっちも照れるな。……てか、ちょっと昨晩の記憶が蘇ってきて鼻血が……うぅ、忘れたくないけど今は忘れろ俺。
「そうか……エドウィン!! よほど死にたいらしいな……!! 侯爵家を追い出されたクセに……。それに、魔法学園の落ちこぼれの分際で……!
言っておくが、この僕は魔法学園トップの『Lv.64』だぞ!! 騎士に匹敵するレベルだ。しかも魔王の血も流れている……勝てると思うなよ!!」
嘘だろ。学生は高くても『Lv.30』前後。それ以上となると優等生だ。つまり、コイツはその部類か。しかも魔王の血も受け継いでいるらしいし……面倒だが、俺の敵ではない。
「ベリル、ここは俺に任せてくれないか」
「ダメだ! エドを守るのはわたしの使命なんだ。君を失ったら……生きていけない」
「!!」
まさかの真面目すぎる返答に俺は困惑した。ベリルがここまで俺を想ってくれるとか……一瞬、目頭が熱くなっちまったよ。
だったら尚更、俺はあの自称・魔王の遠い親戚アルマンディンをこの魂の拳≪ジャスティスパンチ≫で殴らなきゃダメだと――思った。
「隙だらけだぞ、エドウィン!!」
「隙だらけ? お前がそう思うのなら、そうなのかもな。お前の魂の中ではな」
「何を
空高く飛び立つアルマンディンは、黒い炎を落とす。なんだこの邪炎……マジで魔王じゃん。こんなヤツが魔法学園の生徒とかいいのかよ! まあ細かい事はいいや。
俺は【レベルイーツ】を展開。
食事を開始し、ヤツのレベルを
「ぶおえええええええ……腐ったミルクみたいな味だ」
これでヤツは!!
猛接近してくるアルマンディンに対し、俺は拳を強く握り締め――
伝家の宝刀・ジャスティスパンチと見せかけ――!!
「プチファイアーボール!!!」
魔法学園をサボりまくったせいで、こんな可愛らしい魔法スキルしかねぇが! 高レベルであるが故に、
「ぶあかなあああああああああああ、うぎゃああああああああああああああああああ…………!!!」
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