第5話……君が必要だ

 よく考えたら、何故俺が戦わねばならんのだ? そりゃあ、ベリルのお世話になっているし、彼女は美人で優しいし、おっぱいだ。


 超絶美少女にして帝国最強の騎士団長の隣にいられるだなんて……夢のような話。でも、俺は本当に必要な人間なのか?


 ただレベルを食べるしか脳のない俺が……。



「君が必要だ、エドウィン」

「まて、ベリル。勝手に人の心を読むんじゃない! 大体、俺の何処がそんな気に入っているんだよ」


「全部だ」



「…………」



 ハッキリ言われ、俺は固まる。



「もう一度言おう、全部だ」



 めっちゃ真剣な眼差しー!!

 これほどマジに告白されては……悪い気はしなかったし、というか、騎士団長から告られているって……俺は幸せ者だな。


 照れ隠しするように俺はベッドから立ち上がり、背を向けた。……さすがに目を合わせられるかってーの。



「俺はちょっと散歩に出る」

「分かった、必ずわたしの部屋に戻るんだぞ」


「……俺の部屋はないのか?」


「ハッキリ言おう、ない・・。わたしと一緒の部屋だ。不満か?」



 不満なわけない。

 むしろ幸せ過ぎて死ぬ。


 死んでしまうから――少し頭を冷やそう。



 ◆



 騎士団内部を歩くと本当に女騎士ばかりだった。しかも胸の大きい美人ばっかり! 多少男もいるけど、ほんのわずかだ。しかも女騎士と違って男の方が位が高いようだな。


「てか、ココどこだ?」


 修練場のような空間に入ってしまった。

 中には騎士が十数名。

 全員、ぶるんぶるんおっぱいの女騎士だ。


 やたら豪華な装飾がなされた派手な鎧に身を包み、その鎧や剣の鈍い音など重苦しい音を響かせていた。


 そうか、修練中か。などと納得して――あくまで風景おっぱいを眺めていると、ひとりが俺の存在に気づく。



「……貴方はさっきのエドなんとか!」

「エドウィンな。そっちの姉ちゃんも集団の中にいた一人だよな。赤髪で片目隠しだから印象深かったんだ」


 ついでに、お尻の形が安産型で好みだった。


「そ……そうです。私はフィルン。フィルン・ブリュースターと言えば分かりますか」


「ブリュースター? すまない。俺は貴族の情報にはうとくてね。けど、フィルン、君の雰囲気……どことなく」



 そう、あのアゲートに近いモノを感じた。赤髪といい、もしかして……。



「お察しの通りですよ。アゲートは私の義理の弟です。義弟はこのクリスタル騎士団の教官の立場であり、その位も三番目なんですよ。先ほど貴方にやられちゃいましたけどね」


「そうだったか。それは悪い事を」

「いえ、よくやってくれたと感心しました」


「へ?」


 よくやってくれた?

 どういう意味だろうと聞き返すと――



「義弟は……アゲートは、騎士団長・ベリル様に恋焦がれるがあまりに……その、ストーカーに近い行為を働いてしまっているんです。最近、ベリル様も困っていたようで……だから、罰が下って良かったんです」



 アイツにそんな悩みがあったんだ。そんな素振りまったく見せてなかったけど、案外強がっていたのかもしれないな。


 これからは俺が守って――あれ、何言ってんだ! 俺とアイツは別にそういう仲じゃ……。ああ、クソッ! 気になって仕方ないや!



 急いで部屋に戻ろうとしたんだけど……腕を掴まれた。



「フィルンさん、俺……」

「待って下さい、エドウィンさん!」



「止めないでくれ。俺行かなきゃ……」



「あの……所で、エドウィンさん、貴方の頭上にブラジャーが」


「え!?」



 手を伸ばし頭に触れた。するとフニフニ柔らかいモノが……えっと? それを手に掴んで目の前で確認する。白い下着が……って、これ……まさか、ベリルの!?



 俺、ずっとブラジャー頭に乗っけてフィルンと会話していたのかよおおおおおおおおおお…………!!!




「うああああああああああああああ!!」




 ブシュ――――――!!!(鼻血)




 俺はベリルの下着で会心の一撃・・・・・を受けた――。

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