第30話 変身するKの正体!幼なじみとの最終決闘‼

 「こっちに向かって来る奴らを倒した!残りの反対側の奴らも標的は俺の筈だ!」と後ろを振り返ると「先生!反対側へは今井さんと龍二が向かった!」と京がついて来ていた。

「分かった!俺達も行くぞ!」

「ハイッ!」

1人目が階段を上がって飛び掛かって来るところへ町野は滑り込む様に膝下に足裏を当てバランスを崩させた。

そこへ京の低空タックルがカウンターで入り床に叩き付け倒した。

ヘルメットは吹っ飛び動きを止めた。

町野はそのままのスピードで2人目の腹にドロップキック気味に蹴りを入れると後方から上がって来る3人目を巻き添えにして落下して行った。

残すところは2人となり1階のフロアでの勝負となった。

ところが反対側の階段の5人も一直線に町野目指して向かって来た!

その早さに今井も龍二も間に合わない!

丁度中間地点に差し掛かった辺りで先頭の警備兵が後方に跳ね返された。

あとから続く警備兵達はそこで止まり倒れた仲間の周りに集まり不思議そうに眺めていた。

身体全体にネットの様な網目が付き衣服は切り刻まれ、皮膚に貫通しヘルメットを被った頭部以外は鋭い刃物に寄る傷を追っている。全員首を傾げていた。

町野と京は左右に動き回る奴らに対して攻めてを失っていた!

その時、前方からこちらに向かって来る警備兵が目に入った。

「京!彼奴らの標的はジャケットを着ていない俺1人だ!だから!分かったか?」

「了解です!先生!」と次の瞬間、町野が前に飛び出したが、膝から崩れ前のめりに両膝を付いた。

ここへ警備兵2人が低い姿勢で飛び掛かって来る!

後ろから飛び込み前転で町野の背中にバウンドさせた京の身体が跳ね上がり両足のカカトがヘルメットと首の間にめり込んだ!

勢い余って京は前方宙返りで体操選手の様に手を広げた!振り返り「どうでしょうか?先生!得点は!」ニャッ!と笑い「・・・10点満点だ!」

「先生の演技も合格点でしたよ!」

町野は立ち上がりざまに体を回転させ最後の力で飛び掛ろうとした左側の警備兵の腹部に回し蹴りを食らわせ、3m先の壁まで突き刺さった!

「左足が少しだけ浮いてたな!9.5点だ!」と言いながら膝をはらった!

「勝負の別れ目は一瞬の直感と閃きがあるかだ!感性を研ぎ澄ませ!京!」

「ハイッ!先生!」と2人は前方へ目を向けた!蹲っている警備兵を見て「京!あとは任せよう!双子に!」と言うと振り返り階段を上り三芳達を追った!

残された警備兵の1人が正面に手の平を伸ばした。

ビックリした感じで手の平を見ると倒れた奴と同じネットの様な網目が付き身体が痺れ出し泡を噴いて倒れた!

龍二が今井を制して「今井さん!上を見て!サーカスのピエロが2人つる下がってるだろ!」

「いつの間に!奴らは何者だ!」

「毒糸使いの双子のキラーズだよ!大丈夫、味方だから!でも気を付けてね、あの糸には!先に行くよ、今井さん!」とバク宙から水面蹴りで1人目を寝かせると次に飛び掛かって来た警備兵にバク転しながら右脚のつま先を喉から顎にかけて突き刺した。

バックステップで今井の後ろに周り「後はお願いしま〜す。」と背中を押した。

「やるねぇ〜!了解!」

今井も素早いサイドステップで右脚の横蹴りを最後の1人へぶち込んだ!

龍二が最初に水面蹴りで転がした奴が立ち上がろうとして来たところへ龍二を意識してトドメの回転しながらのソバットを顔面に突き刺した。

「どうだ!龍二!」龍二は黙って親指を立てた!

倒れたクローン警備兵10名の腕と足を結び付け毒糸に触れた4人には解毒剤を10 CCづつ注射し倉庫に押し込んで来た。

「俺達は元の入り口へ戻るぞ!」と今井の後を付いて龍二と毒糸ネットを纏めたキラーズも後を追いかけた!大型の荷物を運ぶエレベーターで管理室に上がり三芳だけは村営住宅前の指令室の装甲車へ戻った。

「遅くなりました篠田隊長!その後、内部操作班からの連絡はありませんか?」

「それが変なんですよ!1時間以上経つのに誰1人戻って来ないんです。山本さんも山川さんも連絡に応えも帰ってこないんです。」

「篠田隊長!中へ行ってみましょう!」とSAT隊員4名を帯同させA棟の手前と奥の階段から3名づつに別れ内部操作に入った。

「三芳です。今、1階の101を操作中!今井班メンバー無し!102へ移動します。」

「こちら篠田!103にも人影無し!105へ移動します。三芳さん!この部屋だけ生活感がありません!テーブルも家具も家電もありません!和室に入りました 。押入れの襖を開けます!」

「ちょっと待って下さい!」

三芳は一瞬考えて「… 気を付けて下さい!」拳銃を構えながら少し襖を開けると少しカビ臭い冷たい風が流れて来た!

篠田は一気に開き一歩下がった!

「三芳さん!やはり地下へ繋がる通路を発見しました!2階3階を調べて105へ集合しましょう!」

走りながら上の4部屋を確認したが形跡は無かった!11名全員が姿を消した事になる。「町野先輩!捜索に当たっている公安メンバー11名が神隠しにあった様に消えてしまっています。SATメンバーとその捜査に入り村営住宅A棟105に地下通路を発見しました!これからそこへ入ります。」

「俺達は藤井達に合流している今井達の所へ向かう!焦るなよ!ゆっくりと進め!」

「分かりました!」

「洋平!香織はお前とトモカの産みの母だ!分かるよな!大分衰弱している。ここからお前が母さんを守るんだ!」

不安そうに町野を見ながら「父さんはどうするんだ!」

「俺は三芳達を追う!その責任が俺にはあるんだ!お前は今井と和也の所へ向かえ!そして爺ちゃんの所へ母さんを連れて行け!大丈夫だ!」

三芳警視正とSATの部隊は階段を下がり薄暗いトンネルをくぐり抜け地下洞窟へと進んで行った。

内部は少しの明かりでキラキラと輝く!結晶が成分の鍾乳石だろう!まるで星空を眺めている様だ!天井からの水滴が身体にも触れる。

「篠田隊長!この方向はどっちに向かっているか分かりますか?」

「それがさっきから磁石で位置を試みてるんですが !この辺は富士山の溶岩石で,磁鉄鉱を多く含んでいる様なので緯度が出せないんです。感覚的には例の研究施設方面へ向かっている様に思いますが!」

前方で何かが光った様に見えた!篠田が後方へ無言でしゃがむ様に指示を出し、身を潜め前方を伺った。

ここまで300mは歩いて来ている。

段々と薄明かりが目を慣らし前方100m程先にドアがある様に見える。

ナイトスコープを取り出し確認する篠田!何かが動いた様に見えた!

先程の明かりはこのドアが開けられた時の物だったんであろう。

右側に姿勢を下げて警戒する見張が1人いた。

それとは別に左へ見通せる空間が続いていた。

「皆んな、先ずはあの見張を抑える事だ!」後ろから「俺が引き付けますよ!」と息を切らせて町野が到着した。

「先輩!どうして!」

「伸一!加藤伸一は俺の幼なじみだから!奴をこのままにさせておく訳にはいかないんだ!俺の大切な人が悲しむしな!」と言うと前に出て「待って下さい!勝手に行かないで下さい!」と言う声を無視して「任せとけ!」とゆっくりと近付き見張の左方向へ何かを投げた!それは音をたててコロコロコロと転がり止まった!

見張の男は!「山川?どうして!」後方に回り込み肩を叩くと振り返った山川の目は瞬きしないで警棒を引き出し襲いかかって来た!振り上げた警棒を持つ右腕を取り一本背負いで投げ飛ばした。

立ち上がると銃を取り出し銃口を向けて来た「山川!俺だ!町野だ!シッカリしろ!」と言うと頭を押さえ出した山川は意識を無くし膝を付き倒れ込んだ。

三芳達も近付いて来た。

残りのメンバーも同様に山本になり変わった加藤伸一に催眠によるマインドコントロールにかかっている事を確信した。

この先に向う前に三芳が「篠田隊長!例の物、ここで使えますか?」

「大丈夫だと・・・思いますが!」

町野の声掛けで山川が目を覚まし、意識が戻った様だ!

「町野!どうして俺はここにいるんだ!」「山川さん!皆んな建物捜査に入った後連絡が付かなくなって!どうなったんですか!」と三芳が肩を掴んだ!山川は記憶を思い返した「緑の目を持つ男!」

「・・・山本だ!皆んなやられたのか!」三芳が答えた。

「分かりません!でも山本以外の残り9人も操られていると思われます 。」

町野も続けて「この扉の向こう側に何があるかだ!後は集団催眠を解く為に閃光破裂弾を使うタイミングだ!ここでは携帯電話も電波が繋がらない!今井達と連絡が取れればいいんだが!」

山川が前に出て「俺が先ず中に入る!まだコントロールされている振りをしたままだ!」「そうだな、それが1番危険の無い方法だろう!だけど、1人では行かせられない!俺も一緒に行くよ!」と町野が言うと「先輩!それは許可出来ません 。相手は銃を所持し訓練され操られている警察官。しかも9人ですよ!先ずは様子を見ましょう。」

「山川さんにはこのペンを仕込んで行って貰います。ピンマイクと同じですからインカムで声は拾えます。」

「山川!あの山本はニセモノだ!神藤と同じ組織の幹部で人を操る魔術を使う!だからこれを貼って行け!」とポケットから取り出した物を渡し、手首の内側に透明なフィルムを貼り付けた!

「あいつと向き合った時、これをグッと押すと瞬時に薬品が血管に伝わる!」

「分かったよ。町野!奴らを一緒に征圧しよう!」と言い握手を交わすとドアの中に入って行った!

中に入るとやはりあの地下工場に繋がる通路が有り10m先にもう1人の見張が立っていた!「山本からの指示で交代だ!」と言うとすんなり入れ替わる事が出来た。

「そっちに1人行きますよ!」ドアを開けた瞬間、腕を掴み後ろに周り確保し町野は山川の後を追った。 

2017年7月21日16時05分 

 山川の言う通りだった!町野だけが中に入りベルトコンベアの陰に隠れ、突っこむタイミングを伺った。

地下工場内に入り携帯のアンテナが立った!町野はまず今井へ連絡を入れ現状までの報告をした!

「今、さっきの地下工場に戻った!山本は香織が救出された事に気付いたらしく、まだガジュマルの木の上にいる。人を操る目を持つあいつを孤立させる!」

「何をする気だ!町野!」

「罠を張る! だからそこにいる双子に動いて貰う!」

… エヴァポイントで3名の操られる公安刑事に「施設側のエレベーターから上がって香織を取り返して来い!って言ってましたよ。」エヴァ (Eva) は、ラテン語の女性名。

語源はヘブライ語で「命」または「生きるもの」を意味するハッヴァーで、旧約聖書の創世記に登場する人類最初の女性イヴに由来する。

これをギリシア語でゾーイ(Zoe)という女性名もある。

「分かりましたか先輩!」

「三芳! お前、読唇術が使えたんだよな!って、まだ出てくるなよ!見つかるろ!」

「大丈夫ですよ!いつまでも昔の私と一緒にしないでください!」

「ああ、そうだったな警視正殿!」

「この先は俺が奴を追い詰める!その後に例の物を使い残りの奴らの目を覚まさせてくれ!」と言うと立ち上がりガジュマルの木へ向かい話しかけた。

「伸一ッ!伸一くんッ〜!もいい〜かぁ〜いッ!」と右耳に手をあてがい、おちょくるかの様に話し掛けた!

その声にイラつき反応して走り出して来た男の顔は怒りに満ち溢れていた。

「久しぶりだな河童の伸一くんッ!あの時、お前に眠らされたお陰で忘れていた幼い頃の記憶が蘇ったよ!それにしても上手く化けたな!整形手術とホルモン注射ってところか?締めて1000万円も掛けて!… 手足が細長く髪が薄いんで河童って呼ばれてたよな!泳げないくせに!」

「よく喋りやがる!その減らず口、叩けなくしてやるから覚悟しろ!」

「お前こそ!相変わらず、ふてぶてしい態度!思い出して来た!人を騙し、悪い噂を流し、自分に都合がいい様に裏で動いてターゲットを落とし入れる悪意の塊!人を脅し、恫喝し、弱い人間をバカにしてイジめる!そういう汚いやり方で幹部まで成り上がっ出来た!昔から嫌な奴だったよな!お前は!」

「その言葉は俺にとってお褒めの言葉にしか聞こえない。そうやって支配して来た!生きて来たからな!」

「それに気付かずお前を担いで来た奴らも馬鹿者だけど!お前はつくづく哀しい奴だな!だから本当に信頼出来る仲間がいないんだ!…どうだ!俺も操り人形にしてみろ!香織の心は絶対に渡さない!1人でクローンに相手でもして貰え!このエロ河童野郎!」と伸一を苛立たせ管理室へ向かうエレベーター方面へ向かった。

町野を追って走り出す加藤伸一。

2階へ向かうエレベーターの扉は閉まり足をバタつかせながら苛立ちを隠せずにいる加藤。

「言いたい事並べやがって!殺してやる!」と拳銃を手に完全に冷静さを失っている。

上へ向かうエレベーターのボタンを何回も何回も押し続けながらやっと落ち着きを取り戻し拳銃を締まった。

見開いた奴の目はグリーンに輝き出した!

エレベーターが降りて来て上へ向かう加藤!到着音が鳴り、1階の管理室に繋がる扉が開いた!

電気が消えた薄暗い中、外へ出ようとした時、皮膚に触れる違和感とツゥ〜と流れ落ちる汗の様な物を感じた加藤は一歩下がり何が起こったのかはすぐさま分かった。

それは腕と肩と膝と顔で徐々に痛みに変わって行った!

「やってくれたな!だがな公平!この毒に対する血清は打ってある。だから俺には効かない!それに… 」

地下工場内ではSAT隊による閃光音響手榴弾が投げ込まれた!耳栓をしていない三芳と隊員以外は音を失い一瞬にして目の前を曇らせた!

この刺激でコントロールされていた者達は正気に戻された!

1階管理室から薄明かりの中、聞こえて来たのは「伸一!こっちだよ!」と正面の椅子の方から町野の声が聞こえた!その方向に向かって眼光を輝かせた!

「お前は今、俺を操ろうとしている様だが残念ながら無駄だ!俺はそこにはいない!」と目がその薄暗さに慣れて来た時、椅子にあったのは無線のトランシーバーだった。

「伸一!俺を操りたかったらもう一度地下へ来い!エレベーター前で待ってるよ!じゃあな!」

1点を見つめているとトランシーバーから煙が上がり火を噴いた!

「待ってろよ!公平!すぐに地獄へ引き込んでやるからな!」と地下へ向かうボタンを押し扉を閉めた。

地下室エレベーター前で毒糸ネットを張り終えた2人がこちらを振り向き兄貴の錯(サク)が前に出て「終わったよ!町野さん!」と声を掛けた時、後ろのエレベータードアが開いた!乱(ラン)の背中から煙が上がり燃え出した!

「あっちぃ〜い!」と火が付いた事で驚き床を転がりだした。

何か引火性の液体をかけられ火を付けられたんだろう!

それを見て錯(サク)も服を脱ぎ一緒になって火を消し出した。

町野が2人の前に飛び出し「錯!乱!下がってろ!それと奴の目を見るな!」と言うと2人も後退し戦評を見守った。

「お前の言う通り降りて来てやったよ!どうせまた蜘蛛の糸を張ってるんだろ!公平!」「そんな事よりお前の力を見せてみろよ!鳥カゴの中の鳥状態のお前に何が出来るかを見せてみろよ!」

「分かったよ!お前が自分でこの網を剥がすんだよ!」と町野に向かって指をさした!すると体が震えだし硬直して立ちすくんだ!黒眼がグリーンに輝き出して「そうだ!そのまま少しだけ前に出ろ!」とその言葉通り瞬きせずに前に進んだ!

手を伸ばし、この網を掴んでお前の手の骨で引きちぎれ!」

ゆっくりと指を広げ少しづつ前に手を伸ばして「公平さん!ダメだ!」と錯(サク)が叫ぶと伸一が目線を向けた時、目の前が真っ暗になった。やられたのか?」と錯が思った時「錯兄ィ!見ちゃダメだ!」と乱(ラン)の声で気付いた!

目の前の闇は乱が手の平で塞いでいた。

「チェッ!」と舌打ちをして目の前の町野の手を見た。

自分を守る為の最期の理性が抵抗し躊躇してギリギリのところで踏み留まっている!

「何をしているんだ!幸せな瞬間はもう直前にあるんだよ!さあ、一気に行きなさい!」と次の瞬間伸一の顔色が変わった!

「何だ!」網を掴む指が両手とも人差し指と中指だけがカタツムリの様に立ち上がり、小刻みに震え出した!

「フッフッフッ復活!だから効かないって言っただろ!いや、言ってなかったか!」

「どうして効かないんだ!お前には!」

町野は首を振りながら左手の平を裏返し指を指した。

「俺にも分からない!がインターポール(国際警察機関)から貰ったフィルムを貼ると脳神経組織が抵抗するらしい!後はまたそいつらに聞いてくれ!」

加藤伸一は怒りが沸点を超え心臓の心拍数が上がり拳を握った。身体が膨らみ出し「まだ終わってないからな!みてろ!」と言うと「アァ〜ッ!」と叫び声を上げ顔や体に残っている網目の傷が消えて行った。

そのまま身体は変化し皮膚は緑色へと変わり、手は指が伸びて水掻き状になり爪が鋭く長く伸びていた。

その後ウロコの様に変化して行った。

「これがお前の本当の変化なのか!それとその体!お前も人魚の肉を食ったのか?」

「前田の婆さんの事か?あのバケモノの研究は俺も手伝ったよ!その時の研究実験の結果がこの体だよ!」と話しながら毒網を引きちぎってエレベーターの外に出て来た!

左足左拳を前に構えた町野は「あとはここで本物のカッパになった怪物と闘うのも何かの運命なんだろう!」と素早くジャブを顔面にぶち込んだ!

足を軸に回転させ右足のカカトを左頬から顎に掛けてめり込ませた!

グラッと来たところに続けざまに左のハイキックを側頭部へ!

その後も連打を顔面に集中させた。

最後はカチ上げ式に右膝が下からアッパーカット気味に顎を打ち砕いた!

後方へ倒れ毒網にもたれ掛かって留まった。硬くなった皮膚に丈夫で刃物の様な糸は食い込まない!

「やはり生身の人間ではこの程度が限界か!公平君!君の噂は聞いていた!速さと当てどころはいいがやはり普通の人間だ!僕にはダメージ1つ与えられない!」

背中から銃を取り出し「どうせこんな物通用しないのは、あの婆さんに誰かが放った弾丸の跳ね返りを見て分かっている!」とキラーズがいる方へ銃を放り投げた。

「今度はお前の攻撃を受けてやる!さあ、来い!」

長い腕と長い爪が町野の体を切り裂いて行った!

「町野さん !無理だよ!このままだと殺されちゃうよ!」

「お前らはドアの外に出ていろ!そして、誰も中に入れるな!昔の幼なじみと2人だけの決闘だ !破ったらお前らも承知しない!」と激しい形相で睨み付けた。

2人はドアを開けて逃げる様に外に出て行った。

「まだ手を抜いてくれている見たいだけど、皿の水が枯れる前に俺を倒しておかないと負けちゃうよ!」

不敵な笑みを浮かべながら「いつでも仕留められる状態のお前を痛ぶるのは彼女への情念とお前への復讐を込めているからだ!」

「俺への復讐!」

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