第18話 黄金の血!過去の事件の真相‼
「そうだよ!前田隆だ!大分若返ってはいるけどな!あなたがここにその「黄金の血」あらゆる血液型の患者に対して輸血可能な「Rh null」を持つその子を連れてここへ来る様に誘導したのは私だ!」
「何だと・・・!」
「あの日、茜さんのポケットにあった。娘と息子が住んでいる住所と香織が働いていた店の名前メモはお前が仕組んだ事だったのか?」
「茜は約束を破り時間外の夜に母さんの所へ近寄り、謝って噛みつかれた!だから変異が進んでしまったんだ!全ては私が海外へ「Rh null」を研究に行っていた10年間の間に勝手に変えてしまった。世界中の「Rh null」を持つ人に会って調べたがみんな歳を取り過ぎていた。
そして君と香織の間に産まれた2人の子供について考えてもいなかった!香織は君の残した写真により記憶が戻ったのだろう!君の予想通り!そして2人を連れて出て行き、姿を消した!そして進藤と言う身も知らずの子供を授かる事の出来ない夫婦に養子として2人を託した。まだ2歳のトモカいや、キミカ(公香)と1歳の洋平を!」
「おっさん!町野!どう言う事だ!こいつの言ってる事!何なんだよ!」
「そう言う事だ!だから桃子もお前の血の繋がった姉〜ちゃんって事だ!」
「桃子…モモコ…?」
「キミカちゃんの事は心配いらない!血液は調べたが「Rh null」ではなかった。」「俺と恵子の娘、とっくに調べはついているだろうが若菜も違っていた。」
「池袋の女の子達が行方を眩ませたのもキミカちゃんを見つけ出す為だったと言う事か!」
「浜田物産もこの10年近く洋平君を探していた。そこであの人に頼んで公安を動かし君を雇ったと言う訳だ!」
「早田!早田警視総監!やはり奴か!山梨県大月村の生まれで前田商事から仕事を請け負っている早田土建が奴の実家だ!」
「浜田物産の紹介もここに薬物を持ち込ませたのも早田だ!黒幕の登場だ!」
「もういいだろう!洋平君を渡してくれ!そうすれば母さんが戻って来る。長い間に化け物のまま麻薬を使い隔離し続けて来たが、やっとこの時が来たんだ。」と言うと後方から3人紺色の迷彩服にキャップを被りゴーグルっぽい黒のサングラスをかけている。
「後ろにいる男の子を捕まえなさい!」
「イエッサー!」
その3人の前に恭子が立ち塞がり「公平!その子をこいつらに渡してはダメよ!この人は実験体としてしかヨウヘイ君を見ていない!」
「恭子!大丈夫だ!俺に任せろ!」と言うと恭子の前に出た。
「桃子は元気にしてる?」
「正気に戻った見たいだな!お前の代わりに毎日ガミガミうるさく言われてるよ!」
「良かった!」
「また伸一の様に後ろからチクッ!と注射で痺れさせられるかと思ったよ!」
「何をゴチャゴチャ言ってるんだ!いいから捕まえろ!」
前に出て来た奴のボディーに正面蹴りで吹っ飛ばした。
次は掴みかかって来た右腕を掴み投げ飛が増して来た!
「恭子!洋平を連れてエレベーターまで下がってろ!」
「うん!」
ドアを開けホールに出た!「チンッ!」とエレベーターが下がって来て誰かが降りて来る!
「マズイな!挟み打ちか!」扉が開くと紺色の迷彩服の男2人が立っていた。
前に襲い掛かって来たと思ったが「バッタン!」と2人揃って倒れた。
後ろに2人が立っていた。
「大分苦戦してますね!先生!」
「龍二ッ!」
「公平さん!こいつら!暴れるんでおとなしくさせました!公務執行妨害罪で!」
「あっ!和也ッ!」洋平も気付いて「龍二さん!藤井さん!」
「ヨォッ!大丈夫だったか?」と洋平の肩をポンと叩いた!
「恭子さん!ご無沙汰しています。ビックリしました。ここは俺たちに任せて下さい!」「ハイッ!」と2人は前に進み公平の後ろに着いた!
「助っ人登場!」と龍二が言うと「今井課長からの伝言です。「浜田物産は俺が抑える。この後、警視庁本部へ向かえ!」 と伝えましたよ!」
「了解!」
「先生!さっきエレベーターの2人を閉め落とした時に首の後ろ側から後頭部にかけて傷跡が残っていた!」
「公平さん!こいつらも何かしらの手術をされて操られている!」
「分かった!真ん中は俺がヤル!あとの2人を頼む!」
和也と龍二は顔を見合わせお互いに頷いた。公平は半回転し背中を見せた瞬間左足のカカトを相手の顎に食らわせた。
倒れかかる背中側に回り頸動脈を締めた!右後ろにいた龍二は斜め左へ滑り込み股間を下から蹴り上げた。
前かがみにしゃがみ込み頭を後ろに引いて腕を首に回した。
それと同時に和也も斜め右側に走り飛び蹴りを胸に食らわせるとよろめいた体に後ろ側から左腕に左腕を絡ませ右腕を前からあご下へ回す。
チキンウイングフェースロック!からのチョークスリーパー。
「終了だ!」公平は和也に目線を送った。「前田隆!監禁及び脅迫並びに傷害強要罪の現行犯で逮捕する!」と言うと右内ポケットから手錠を取り出して隆の両腕にそれを繋いだ。
あとの奴らは上の物置にあったガムテープで足と腕をグルグル巻きにしておく事にした。「下の階まで、お付き合い下さい!」と言うと隆の腕を掴みエレベーターに乗り込むと全員が乗ったのを確認してから【M】のボタンを押した。
「あの吸血鬼の様になっているのはお前の母親と噛まれた娘の茜以外に化け物になる奴はいないのか?」
「恵子も茜に腕を噛みつかれた!だがかろうじて食い止めた!自分で自分の腕を…切り落とした!」
「あとはお前達が怪盗ゾロと名付けた被害者の女の子達だ!」
「チンッ!」と到着した。
エレベーターのドアが開く。
「みんな!警戒しろ!」先ず、隆を前に出して人質として表へ出た。
「そんなにビク付く事ないよ!昼間はほとんどが眠っている。」
「和也!龍二!警戒しながらゆっくり!進め!正面の壁を開けるスイッチはエレベーターの中にある。」
「さっきの話の続きを聞かせろ!警察の遺体保管室から消えた6体はどうなった!」
「生き返って暴れ出す前にあなたの弟!」と恭子を指差し「伸一君が作った薬を注射して、お友達!公安警察の方達がここへ連れて来てポリプの研究に使われ、地下室で麻薬の製造工場内で働かされている。あのまま街に広がったらパンデミック状態となり街は一瞬にして化け物だらけとなり東京の機能はストップしていただろう。」
「なぜ女性ばかりが狙われた!」
「体内での女性ホルモン減少とクレアチンキナーゼ!血液中の酵素のひとつの量が関係している。筋肉量の多い男性は女性と比較してクレアチンキナーゼが20~30%以上高値の為、ワクチンとして感染出来ない!だから女性のしかも若い血を好む!筋力が無い男性も同様に感染する。」
「茜もポリプによる若返りが原因で感染した。」
「俺もあの夜、茜に噛みつかれたが何も変わらなかったんだ!」
和也達が突き当たりまで到着した。
「少しだけ離れろ !和也!例のヤツを使え!」
「了解!!」
エレベーターの右角のスイッチを踏んだ!足元の明かりが光だし!壁がずれ始めた。
その隙間から何かを投げ込んだ!
「シューッ!パッ!」一瞬にして閃光が360度に広がり、中に誰かがいれば一瞬にして目をやられる三好から贈り物!最新の閃光弾がブルーシルバーに発光した!案の定、中には黒いスーツの2人が目を押さえて横たわっていた。
少し暴れたがさっきのガムテープで腕と足を巻き付け横たわらせた 。
スーツの内ポケットから警察手帳と手錠、警棒と拳銃を押収した。
あの時、トイレまで洋平を追って来た奴らだ!手帳を開き「警視庁警備局公安第1課8係志木良介警部補。こっちも8係!暴力団と裏の組織を監視してる奴らだな!ミイラ取りがミイラになったとは、この事だな!」
以前と変わらない風景とこっちも8係!暴力団と裏の組織を相変わらず生臭い少し海の匂いが何か嫌な予感を感じ、雨でも降っているかの様にガラスに水滴が付いていた。
薄明かりの中にはプールと大きな水槽が見える。さっきと同様に隆を人質に先頭に立て前に進んだ!この檻の様なゲージで囲まれ、床よりまだ深い水深のプールにもの凄く薄いピンク色と水色の光線が底の方から照らされている。
「あの光!何だか分かってますか?」
「何なんだ・・・!」
「教えておいてあげるよ!このピンク色はあのツツジのエキスを蓄えた変異性ポリプが発光している光線!そしてもう一つ、あの美しい淡いブルーの光は母の身体から発行する光線!それが混ざり合ってプールを照らしている。」
右の水槽の岩に繋がっている人も再生中なのか!よく見ると腰あたりまでピンク色のチューリップの花の中に飲み込まれているかの様に!これがポリプによるメデューサ状態なのか!
「これがあなたの考えた命の再生!不老不死への挑戦の結果ですか?」
隆はクスッと笑い顔で「その通りだ!」と悪びれもせずに答えた。
「伸一を利用し記憶の埋め換えや村の人たちを洗脳させたのも、この事を隠す為なのか!」
「ああ!そうだ!誤算だったのはあの凶暴性が解決しない事だ!今はかろうじて、レンゲツツジのエキスを投与・皮膚吸入させている為、変化を抑えられているが!だから精製は止められない!そこで始めたのが伸一君の研究していた脳内麻薬物質。脳内麻薬と呼ばれる約20種類の物質の中からβエンドルフィン、ドーパミンを催眠により活性化させた。メデューサ化した女性達は「恐怖と暗闇」を連想させた時に変身し誰かれ構わず襲い掛かり最悪命をも奪ってしまう。この変化時に脳内麻薬が活性化すると頭痛を引き起こししゃがみ込んでしまう。この痛みにより変身が制御されて行く。」
「この中にいる化け物たちとは何が違うんだ。」
「母さん以外は外見は人間のままだが吸血鬼の様に特定の人の血を吸いウィルス感染させ化け物を増加させてしまう。変身のきっかけは恐怖と暗闇!だから夜間の行動を制御し監禁するしかなかった。それも脳内麻薬の効果で収まって来ている。母さんと茜以外は!」「どうして2人だけダメなんだ!」
「伸一君が言うには催眠が効かないらしい!その為、満月の明かりに照らされ、その時だけ細胞が記憶を戻すかの様に人の意識が目覚める!」
公平は思い出していた。
廊下の窓から眺めていたある風景を!庭の池の前に立ち、その後、池の前にある休憩用の椅子に座り、水面に映る月でも見ている様にそこに茜の姿はあった。
その日も満月の明かりが照らしていた。
「母さんも月明かりに照らされた時だけ西湖に向かう!その時だけ若い頃の人間の姿に戻る事が出来ている。」
「だからと言って見逃す訳にはいかない!それとあなた達を利用して麻薬を密造させた組織と共にその金を自分の物にしている奴らを許す訳にはいかない!」
向かい側のプールがブルーシルバーの明かりとなり広まり出した!
隆は一歩前に出て「母さぁ〜ん!」と叫んだ!輝きがまして来てプールの水面が震え出し盛り上がりを見せた!
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