第16話 赤い目が襲い掛かる!埋蔵金とは‼

 「ヨウヘイっ!あの中に姉ちゃんはいないか?」


「さっきから探しているけど、あの中にはいない!」


「おっさん!リサと涼子がいる。…」


「どの子だ!」


「化粧はしてないけど間違いない!」と言うと走り出した。


「バカ…!まて…オイ!」


「ビィーン!ビィーン!ビィーン!」と赤く光るサイレンがなり出して

「侵入者!侵入者!侵入者!」と続いた。


女性達はしゃがみ込み震え出した。


「ウゥッガウゥ〜!ウゥッガウゥ〜!・・・

ウゥッガウゥ〜!ウゥッガウゥ〜!・・・・ウゥッガウゥ〜!・・・」と動物達の唸り声が響き渡って来た!


近くでうずくまる女性へ「大丈夫!」と肩をこすろうと手を伸ばした時


「ヨウヘイよく見ろ!こいつら普通じゃないぞ!俺たちを獲物として感じている!」


隣でうずくまっていた女が顔を上げると真っ赤な目に口から伸びた2本の牙!


「ウゥッガウゥ〜!ウゥッガウゥ〜!」

爪を尖がらせ今にも襲いかかってくる態勢で震え興奮状態でいる。


「ヨウヘイ!目をつぶれ!絶対に開けるなよ!」と言うと台に登り全部を引き付けた!


懐から何かを出してサングラスを掛けた!


その手を高々と上げ集まって来た奴らの中心にそれを落とした。


「シューッ!パッ!」


一瞬にして閃光が365度に広がり、目を押さえもがき苦しみ出した。


三芳から最新の閃光弾を預かって来た。


「今だ!ヨウヘイ!いつまで寝てんだ!いくぞ!」と言われた通り目を塞ぎ背中を丸めていたその肩を叩いて歩き始めた。


ヨウヘイは辺りを見回すと何が起こったのか訳が分からなかった。


ただ、置いて行かれない様に小走りで後を追った。


自動のスロープを登りセンサードアが開くと手前のドアの上にある赤外線センサーに紙を貼り付け、入る時のセンサーと赤外線センサーの事は分かっていた。


ヨウヘイを肩車して階段の天井にある赤外線センサーの部分をさっきから噛んでいたチューインガムを穴埋め用のパテだとだまして塞がせた。


これでしばらくは中への出入りは出来なくなった。


このまま一気に地下研究施設を目指す為、洋服を着替え周り廊下から橋を渡りあの祠を目指した。


橋を渡り祠の裏側へ周り扉を開けた。


内部は木製の板と裏にはコンクリートで仕切り壁が作られ塞がれている。


考えてみれば15年前に侵入されている場所をそのままにしておく訳がない!


「おっさん!大丈夫か!ヤ・ヤバイところじゃねぇ〜か!」


「お前びびってんだろ!」


「うるせー!」


「あの地下通路は残っている筈だ!

だとしたら新しく入り口を作るとしたら!

15年前から変わったところ!」


「さっきの地下室だ!しかも、工場ではなくトイレか!」


「その他の設備関係の部屋か!」


「走って階段を降りてトイレへ入って中には特別な扉は無かった。」


「後は浄化槽設備室か!給排水設備室か!のどちらかだ!」


「両方とも鍵がかかっている!」


「さて!どうするかだ!」


「あの〜!」


「ちょっと待て!今考え中だ!」


「だからこれ!」と手渡したのはキーホルダー!


「お前、これどうしたんだ!」


「さっき、節子さんが渡しに来た!」


「帰りに裏口の鍵を閉めておいて!」って!


「それで外のポストに入れて置いてくれればいいって!」 


鍵を見ながら

「どうせ、ここの鍵は無いだろ!」と4つある鍵の中から一つを浄化槽設備室のドアの鍵穴に差し込んだ。


「入った!えっ!」


「カチャッ!」


「あれっ!」ドアノブを回し引いた。


「開いちゃった!」


「やったね!」とヨウヘイが大きな声で跳ね上がった。


町野は冷静に

「ヨウヘイ !このキーホルダーを表のポストに入れて、裏口の鍵を内側から閉めて来てくれ!俺は中を調べて置く!」


「分かった!」と言うと歩き出すヨウヘイの服を掴み


「まった!」


「中に鍵が必要な扉がある可能性がある。

それと隣の給排水室も見ておいた方がいい!」


給排水室はコンクリートの壁に覆われた排水口の丸いプラスチックの蓋が2つあった!


一つ目を開けたが普通の排水口の枡がある。


もう1つは蓋が倍近くの大きさで隣のと違い がたつきが無い!


蓋の上には開閉禁止の下に(DONT⚾CLOSE!)と彫り込まれた加工がされていた。


ヨイヘイの顔を見て「ここだな!」と言うと蓋を持ち上げようとしたが何かが引っ掛かっている。


また何処かの壁に隠しスイッチがあると考え調べたが何もない!


配管が2本、下から上へ上る途中に野球のボールが挟まっていた。


蓋をもう一度見返してみた。アルファベットの間にボールのマークがある。


パイプの間のボールが挟まっていた。


そのボールを取って何か仕掛けがあるかを見てみたが特に変わりは無い普通のボールだった。


このボールを中心のボールのマークの上に置いてみた。


何も起こらない!


上から押して見るてグリーンの光が四方からボールを照らした!


「ウィーン!」という音で蓋が動いた。


町野はヨウヘイの顔を見ながら

「楽勝だな!」と親指を立てた。


蓋を開けて中を見ると2人乗りのエレベーター式になっていた。 


地下通路へ下がる前にヨウヘイに鍵を戻してくる様に伝えた。


その間に操作方法を確認し上下のスイッチがあった。


ヨウヘイが戻って来ると部屋の鍵を内側から閉めて地下エレベーターに向かい合わせで立ち、中心のポールに付いているハンドルがあり、そこに捕まりボタンを押すと下がり出した。


下が見えて来てボート置き場近くに降りた。


15年前もあの大晦日の夜に何をするのか行き当たりばったりでこの船に乗り込み、何が起こるか分からないまま.誰と闘うかも分からないまま自身過剰の俺はその場所に立ち入ってしまったんだ。


今回は6ヶ月間調査を重ねて、何を破壊し、誰を止めるのかを決定してここへ戻って来た!


それもあの人からの招待状を受け取っていたからの事だ!


まず、前田家が!前田喜兵衛が権力者になる為の資金の流れをさかのぼり調べた。


時は戦国の時代、甲斐の将軍を支えた武田二十四将(たけだにじゅうししょう)は、武田信玄に仕えた武将のうち、後世に講談や軍記などで一般的な評価が特に高い24人をさして呼ばれる様になった武田家家臣団の呼称。


「武田二十四将図」に描かれた他の武将の中で最後まで生き残った武田の金庫番武藤喜兵衛(別名真田昌幸1547年~1611年)真田一族は幸隆の謀略、昌幸の知略、幸村の鬼神の活躍、信幸の現実的で誠実な振る舞い。


これにより戦国乱世を生き抜いた。


非常に魅力的な一族である。


その血族である前田家が武田の隠し財宝が埋められている場所の地図を引き継いでいたのではと密告して来た徳川家関係者からの情報だ!


その場所が西湖コウモリ穴(さいここうもりあな)だ!


富士五湖カテゴリ:自然/天然記念物国指定天然記念物溶岩鍾乳石面・縄状溶岩床など(平成19年4月から一般公開)

この洞穴は、比較的大規模な支洞をもち、総延長350m以上に及び、富士山麓の溶岩洞穴中最大の規模で洞穴の内部には、富士山の噴火で流れ出た溶岩が外気にふれ、爆発成分(ガス)を発散しながら固まる時、洞穴の内面に鍾乳石や縄状溶岩などが作られ洞穴内の温度は、他の洞穴と異なり、夏もそれほど冷気を覚えず、冬温暖である為、過去には 、多数のコウモリが冬眠の場所として生息していました。


そのコウモリのおかげで人を近付かずに秘密は守られ前田喜兵衛の叔父である前田昌幸と共に、見つけ出した武田の埋蔵金を独り占めにした。


全てを運び出す事が終わると、その後の前田家の周辺環境開発が行われ、無差別な立ち入りが多くなって一時は絶滅寸前になったが、現在では洞穴は管理され洞穴奥にコウモリの保護区域を設定した為、毎年少しずつコウモリの数が増える様になりまた研究者位しか近付かなくなっている。


地下の川を移動し階段を10段位上がると広々とした空間ここには室内灯がありスイッチが無くてもやはり人感センサーにより明かりがついた。


電動式のシャッターのスイッチボックスを開け、上げるボタンを押て表へ出た。周りのトタン壁はそのままだった。


前回侵入した時に作ったスベアキーを隠して置いた場所がある。


浄化施設室を過ぎると3m程先に建物が左側に凹み地下へ下る階段がある。


その凹み角を右に真っ直ぐ進み森との境にある高いフェンスを支え2段積みのブロックの穴に袋ごと落とし、その穴の大きさにあった石を詰め周りの砂で隙間を埋めた場所を探した。


「おっさん!何してんだよ!こんなところで!」


「宝の箱を開ける鍵がここにあるんだ!」と言うとポケットから取り出したマルチ道具からナイフを取り出しほじくり出した。


鍵を取り出し、それでシルバーの鉄製のドアを開けた。


鍵にはマジックで印をつけておいた。


「外階ドア」


「ポリプ」


「メデューサ」


「M秘」


「地下通」

と5本の鍵が順番通りドアを開けた。


壁のスイッチで明かりを付けそこから更に5段下がり中に入ると物置の棚の荷物をずらすと3段目と2段目の右側に縦に30cmほどの薄い金物が差し込まれていた。


2つを抜き取り、棚を左へ押すと隠し扉が出て来た。


内側からドアノブのロックを外し 

「俺の指示なしでは何も触るな!分かったな!」


「わかったよ!」


 薄暗いブルーの深海をイメージする明かりに目が慣れ、エレベーター前まで来て立ち止まる。


下矢印を押しエレベーターの中へ入る。


【P】の階を選択しドアが閉まる。


緊張感漂う中、何も話さずにエレベーターのドアがゆっくりと開いた。


15年前にここへ侵入し内容を確認せずに今井へFAXを送った文章を加藤恭子が内容を解析していた。


内容はベニクラゲ類の特徴と「よみがえり(生物学における不老不死研究)」が書かれている。


その中に不思議な言葉が2~3回出て来たが恭子も不老不死の比喩表現と最後は解釈したらしい!


もしかしたらこの事を調べに行き、奴らに捕らわれ事故に見せかけ殺された!


そんな筈はない。実の姉を伸一が殺す筈が無い!・・・こっちに来て直ぐに2階のあの部屋に潜り込み調べたんだ。


あらかじめあのタイムマシンの入口を開ける為にキリと金槌それとマルチ道具を用意していた。


その蓋の四方にキリで穴を開けた。


古い接着剤にもヒビが入りその片側を少しだけ叩いた。


するとすんなりと外れた。


真ん中のスイッチを押す「ガー!」と音を立て後ろの本棚が左右に開き奥の部屋が姿を見せた。


中へ入りビデオテープと共に並んでいた書籍をみて行くと、肝細胞研究や遺伝子組換やDNA研究資料ばかりだった。


その中にいわゆる絵本が一冊とそれに関係する出版物があった。


題名は「人魚姫」(にんぎょひめ、Den lille Havfrue)は、1836年に発表された誰もが知っているデンマークのハンス・クリスチャン・アンデルセン作の童話である。

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