第13話 ポリプとメデューサ!不老不死とベニクラゲ‼
「左利きの女!」
「アルファベットのKで始まる名前!」
「恵子 ・・・若菜の実母!」
「若菜さんは左効きなんだ!」
「母がぎっちょだったみたいで!」
「若菜さん…生まれはこちらではないですよね!」
「どうして!」
「だって至って標準語。」
「・・・・・!」
「すいません!」
「あんこは古い話しゃあー嫌うんだ!
あんまし言いたくなぁ事があっからっし!」
あとは「香織!」
「俺は豊子婆ちゃんに5年前の事件当日、他に瀕死の重傷を負った事故にあった人がいた事について教えて貰いたかったから、立ち寄っただけだ!」
「婆ちゃんは何も言えなくなっちまった。」
「その事故にあった人とはたぶん !
あんたの奥さん!前田家の孫娘 !香織さんだよ。」
「噂になっていた。
でもその後、飲み屋のホステスが酔って車にはねられたと新聞に出ていた。
それも前田さんの息がかかった店のホステスだった。」
そんな筈は無い!
「K」は左利きの恵子だ!
残りの3・4件目は無言で切られているから三芳だったんだろう。
もう一つ「もうこれ以上耐えられなくなって来た!ハーブの成分だけでは抑えが効かなくなって来た。」と言い残した若菜さんの言葉の意味は俺を誘い出す為だけではなく、本当の心の言葉が「つい」口から出てしまったのでは?奥の実験室へ機密通路でエアーシャワーを浴びて中へ入った。
中へ入ると同時にセンサーか何かが反応して明かりがつくと室内は真っ白の壁と中央に実験体が入った水槽の周りを囲む様に検査機器が並べられていた。
正面の奥側にも全面のアクリル板の中が水槽になっている。
きっとこの中央の水槽と奥の大きな水槽は繋がっているのだろう。
よく見ると大きな水槽の真ん中で仕切りが有り右側には多くのマス科の魚が泳いでいる。
左側にも数匹いるがハジの方で固まっている。
近づいて底の方を見るとあの西湖にいたピンク色のクラゲがたくさん魚に張り付いて体液?血液?を吸っている。
体が骨と皮になるまで集団で襲いかかり、その後の片付けを小さなカニ達が行っているのだろう。
本来のクラゲは海で生息し、主にプランクトンなどを常に捕食し浮遊している物とここにある生物図鑑にも記録されている。
研究資料がファイリングされているが、「ベニクラゲ生体研究①〜⑨」・「アンドンクラゲのポリプ再生研究①〜⑦」・「淡水性ミズクラゲ科花クラゲ類(ヒドラ科)生体研究①〜⑥」までと「生物学における不老不死研究①〜⑧ 」とある。
「不老不死」ボリプ、メデューサ「生物学における不老不死」普通のクラゲは有性生殖の後に死ぬが、前述の通り、ベニクラゲ類は再び「淡水性ミズクラゲ科花クラゲ類(ヒドラ科)生体研究①〜⑥」へと戻る事が出来る。
成熟個体は触手の収縮や外傘の反転、サイズの縮小などを経て再び基物に付着、「ポリプ」となる。
生活環境を逆回転させるこの能力は動物界では大変稀であり、これによりベニクラゲ類は個体としての寿命による死を免れている。
当然ながら、個々のベニクラゲは食物連鎖において常に捕食される可能性があり、本種の全ての個体が死を免れている(永遠に生き続ける)ということを意味するものではない。
有性生殖能を獲得するまでに発生が進んだ個体(クラゲ類ではクラゲ)が未成熟の状態(クラゲ類ではポリプ)に戻る例は、後生動物としては本種と軟クラゲ目のヤワラクラゲ(Laodicea undulata)でのみ報告され、動物におけるこの様な細胞の再分化は分化転換(transdifferentiation)と呼ばれる。
論理的にはこの過程に制限はなく、これらのクラゲは通常の発生と分化転換を繰り返すことで個体が無限の寿命を持ち得ると予想されている。
そのため、「不老不死(のクラゲ)」と称される場合もある。
ただしこれは、老化現象が起こらない訳ではなく若い状態に戻るだけなので、より厳密にいえば「若返り」である。
ちなみに腔腸動物でポリプに老化現象や寿命が認められないことは珍しくなく、むしろ大多数の種で老化や寿命はないであろうと思われている。
この現象は地中海産のチチュウカイベニクラゲ(T. dohrnii)で発見され、1991年に学会発表されてセンセーションを起こした。その後各地で追試されたが、地中海産のものでしかこの現象は見られなかった。
しかし、鹿児島湾で採集された個体も同様の能力を持つことが2001年にかごしま水族館で確認された。
その影響 で編集され、このようなベニクラゲ類の特徴はマスコミにも取り上げられた。
NHKでは1998年に「海・第七集 眠る巨大資源」で取り上げた(このころは日本での「よみがえり」はまだ確認されていなかったためイタリアで取材が行われた。
「生物学における、不老不死研究メデューサ化の恐ろしさ」アンドンクラゲのポリプは水温の上昇がきっかけになってメデューサになり、飼育検査機内では温度を数度上げた時、もしくは自然に水温が暑くなっただけで変態が始まり、数日後にクラゲが泳ぎだす状態が確認されたのですが、恐ろしいのはここのところ。
アンドンクラゲの飼育で本当に恐ろしいところは、「ポリプがメデューサになってポリプが残らない。」ことにあります。
普通のポリプをもつクラゲは、ポリプがメデューサを「産み出す。」形式です。
方法は出芽とかストロビレーションとか種によって違いがありますが、立方クラゲ以外のクラゲではポリプがかならず残ります。
ところが立方クラゲの多くはポリプの形状が変化し、メデューサに変わってしまい、もし全部の個体がメデューサ化したら「保険」であるはずのポリプがいなくなってしまいます。
1986年8月10日
アンドンクラゲの長期間メデューサ化とチチュウカイベニクラゲのポリプ再生を遺伝子組み換えで融合させる実験がスタートした。
同時にチチュウカイベニクラゲのベニクラゲのポリプ再生を遺伝子組み換えで融合させる実験がスタートした。
チチュウカイベニクラゲのヒドラ科 (Hydraceae) の動物は、細長い体に長い触手を持つ、目立たない動物である。
これらは淡水産で群体を作らず、浅い池の水草の上などに生息している。
体は細い棒状で、一方の端は細くなって小さい足盤があり、これで基質に付着する。
他方の端には口があり、その周囲は狭い円錐形の口盤となり、その周囲から6~8本程度の長い触手が生えている。
体長は約1cm。触手はその数倍に伸びる。ただし刺激を受けると小さく縮む。触手には刺胞という毒針を持ち、ミジンコなどが触手に触れると麻痺させて食べてしまう。
全身は透明がかった褐色からやや赤みを帯びるが、体内に緑藻を共生させ、全身が緑色になるものもある。
足盤で固着するが、口盤と足盤をヒルの吸盤のように用いて、ゆっくりだが移動することもできる 。
アマチュアのアクアリストが飼育には手を出しづらい種とされている。
飼育の難しさのひとつにその高い遊泳能力があるようで、狭い水槽では水槽壁面にアタマをぶつけてしまう事があり、遊離直後のメデューサはすぐにブラインシュリンプを食べる為、ミネラル分が豊富なプランクトンが豊富な淡水が必要である。
もし100ccほどのカップ(安全のため、蓋ができるもの)、エアレーションなしで一日一回給餌して1時間後に全換水を毎日行い、4週間健康な状態に保つ事ができましたが、残念ながらこの方法では成長が遅くなり、傘径5mm前後からまるで成長がとまってしまいました。
盆栽のように、ミニチュアのアンドンクラゲとして生育する事は出来るが現段階では、まだまだ課題は多い。
この遺伝子組み換えクラゲとAとBを再度遺伝子組み換え融合させる事が出来れば人類にとって夢の不老不死研究が証明出来るチャンスがやってくる。
「述 .神藤雅之」これは前田隆の研究を奪った物だとするとやはり、人体実験が行われている。
噂が本当なら香織もこの遺伝子再生を受けているのか?そして茜が1週間近くここに入っている事は再生!若返り!を受け自由に歩ける状態まで回復している事になる。
まただ!
あの時と同じ様に、誰かに見られている気配がしていた。
周りを見回しても人はいない!
ただ分かったのが目の前にある大きな水槽にいるクラゲ達がアクリルガラスに数百匹こちらに向かって張り付き、触手を動かしながら魚に吸い付くのと同じ様に俺を狙っている様に感じた。
後ろを振り返ると実験台の真ん中に設置された検体水槽からもさっきよりも多く集まり、こちら側に張り付き触手を動かし狙われていた。あのツナギやフェイスガードがあればわからない仕掛けでもあったのだろうか!
もう一度正面を向き底の方を見ようとした。
が俺の行く方へ張り付いたクラゲ達も移動する為、ポリプ自体はよく確認出来なかった。この遺伝子操作されたクラゲをどうやって人間の不老不死へと導く事が出来たのだろうか!
実験室から機密通路のエアーシャワーを浴びて準備室へと戻った。
ここを出る前にこの幾つかの実験ファイルを今井へとFAXを送った。
そして目に付いた通路横のドアの前に立ち横のカーテンを開けた。
マジックミラーになっているが防音も兼ねているのだろう!
電気が付かないと良く見えないがまるで取締室の様だった。
大きなドアノブを下げ引いた。
思ったより重くドアも厚みがある。
入口の左手にあった照明のスイッチを付けた。
中には真ん中に床屋さんにある様な大きめなリクライニング出来る椅子が固定され、映像を見る為のモニターが3台と編集機らしき機材が並んでいる。
椅子の裏側に幾つもの線が繋がったハーフキャップみたいな物がフックに掛かっていた。
天井や壁にも幾つもの埋め込み式のスピーカーが配置されている。
聴力検査の時に使う様なヘッドフォンが3つある。
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