第10話 大晦日の夜!運命を占うカード‼
2001年12月31日
この2年間前田家の大晦日は氏神様と共に新年を迎え、新春の豊作を願い前田家が紅白の餅を配り正月を迎える行事がある。
春日神社は村の氏神様であり、村人は「春日さま」と呼び、親しんでいる。
本殿の彫刻装飾には、すばらしいものがあります。
社殿裏にひっそり建つ小祠(苗字神)が村の信仰のあつさを物語ります。
それに参加する為お爺様とお母様と香織と恵子さんも村長や村役場の人達 、市や県からも議員の先生方も一緒に餅を蒔くのだった。
その後、お屋敷に戻り新年会が開かれる。
その時間内にあの地下施設で何が行われているのかを確認する。
大晦日は村の人達も夕方までに大掃除や正月仕度に追われ外出する人も少なく出歩くには都合が良かった。
夜になれば春日神社へ向かう人達も多くなり、大分お酒も入った状態の人波は身を隠すには丁度良い。
「高野先輩っ!」振り返ると総務課の横山みなみがそこにはいた。
「ビックリした!どうしたんだ!」
「そんなにビックリしないで下さいよ!やっぱり可愛い娘に声を掛けられるとドキドキしちゃいます?」
「バカじゃねぇーか?お前な・・・ドキドキなんか…しちゃいないよ・・・」
「先輩の家、こっちだったよなぁ〜と思って歩いていたら会っちゃうんだから!やっぱり運命感じちゃう!」
「バカバカしい!」
「縁ですよ!」
「じゃあ !ここでキスするか!」
「・・・・・・いいですよ!・・・・・どうぞ!」
「・・・やめとけ!そんな勇気も無いくせに!なぁ〜んてな!俺にもそんな勇気はないよ!」
「な〜んだ!少し覚悟したんだけどな!」
「つまらない意地なんて通すな!もったいないだろ!」
「ハイッ!」
「それで本当は何の様だ!」
「昨日、深夜高野さんの事が急に浮かび何か分からないけど危険な事件や事故に巻き込まれる気がしたんです。」
「冗談だろ!俺はピンピンしてるぜ!」
「2001年今夜新年をむかえる時とタロットで占ったら出たんです。」
「タロット!」
「それで何て出たんだ!」
すると『タロットカードの導き』と書いてある本を開き付箋のページを開き話し出した。
「太陽のタロットカード!」
「それは陽光を浴びてはしゃぐ子供の姿が描かれていて
「幸せな状況や期待できる将来性など」を意味します。
明るい未来や成功や完成が目前にある状況を表すカードが出たんです。」
「いいカードじゃないか!」
「本来の向きであればです。」と言うと再びその本を開き話し出した。
「太陽のカード正面~成功や満足の予兆を感じることができ、望みが叶っていく時~陽光・魅力・結婚・恋愛・恩恵・達成・成就・満足・信頼・恋愛・友情・兆し・可能性。正面向「太陽」のタロットカードは、成功や満足が目前に迫っている事を意味しています。
人の魅力ある部分を照らしてくれるカードで、それが全てのいい結果を招いてくれると言います。
特に、恋愛や友情などの人間関係では信頼を深める事ができ、望みどおりの関係をもたらし場合によっては、人を結婚へと導いていく事もあります。
このカードはあなたに「望みが叶うのはすぐそこの出来事だ」と伝えています。
これまでに長い夜のような気分を味わってきたかもしれませんが恋愛においても友情においても、あなたの希望が形になる日は近く結婚に対しても希望を持つ事が出来ます。
希望を感じられる出来事は、少しずつやってきています。」
「何の問題もないじゃないか?」
「それとも何か!またさっきの運命の話に戻すのか!」
彼女は黙って首を横に振った。
「いいですか!ここからが問題なんです。
太陽のカード逆向きが高野さんの運命を占うカードです。
~中断するという勇気を持って行動し、現状を見直す必要がある時〜延期・中止・停滞・中絶・妊娠・衰え・放棄・消沈・挫折・半端・無計画・婚約破棄。
逆向き「太陽」のタロットカードは、物事が延期されたり、中断されたりする事を意味しています。」
「だから、何なんだ!結論から言えよ!」
「逆向きの「太陽」それは、十分に計画が練られていなかったという原因を教えるものでもあり、その為に必然的に挫折をもたらし、また時には結婚の延期を意味する事もあり、それによって人の心を消沈させる。
ただし、それも全て状況を見直すべきというサインなのです。」
「だから!何だよ!」
「このカードはあなたに、決断を急がずにそこで立ち止まって物事を中断する勇気を持つ様に、と伝えています。
あなたはすでに、前に進むしかないと思える様な状況に身を置いているかもしれません。しかし、同時にそれが危険である事も感じているでしょう。」
「はいはい!」
「その予感から目を逸らさずに、延期や中止を選ぶ勇気を持つ事で、本当に幸せな状況への道を見つけられます。と出ているんです。」
「またいい加減な事を言うなよ!タロットって名前と年齢や生年月日が必要だろ!」
「高野公平!1975年8月10日生まれ!26歳!」
「さっすが総務部!それで占ったのか!」
「はずれてると思ってますよね!」
「本名は町野公平!元警察庁公安警部!」
「何でそんな事まで!まさかお前!お前が俺の後任なのか?」
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