第30話 復帰配信/3



後編だと言うのに長いです。三十話到達。


「…ん、こほん。次は…えっと、え?

 怒り顔?…うん、まぁ、いこか」


かちっ。出てきた瞬間、ちょっとびっくりした。

 

「…めちゃくちゃ怖いやん、この顔…」


◯めちゃ怖いじゃないですかやだー

◯あれか、普段静かな人ほど怒りゃ怖いという

◯脳内に般若が浮かんだわ

◯私龍が浮かんだ

◯じゃあ俺は虎が浮かんだ

◯じゃあってなんだじゃあってww

◯後付けかよ

◯ハルミママガチですな

◯よっぽどマユキちゃんに

 変な虫つけたくなかったんじゃね?

◯かもしれん

◯いや、それだろ

◯マユキちゃん可愛いもんな、

 お持ち帰りしたい位

◯お前さんの様な奴を変な虫と言うのでは?

◯あべしっ

◯オラオラオラオラオラオラァ

◯てめーは俺を怒らせた

◯それ違う漫画

◯あーたたたたたたたたたぁッッ!

◯お前は既に、○んでいる…

◯確かにあの人並みに怖いが

◯男の子の会話に混ざれないわ

◯おまいらこんな滝の様に流れるコメントで

 よく会話できんな

◯そこはフィクションなんだから

 [このメッセージは運営により

  既に削除されました]

◯なんか言ったか?

◯うん…?忘れた



「うーん、…ちょっと怖いから早よいこか。

 次は…えと、悲しみの泣き顔…?

 じゃあ、いくで」


かちっ。んー、これは…


あれちゃうん?唆られる顔ってやつちゃうん?


やばいわー。


若干顔を赤らめ涙を溜めて目線を伏せている。


口を引きむすんでいるような感じもある。


◯・・・これは、ぞくぞくするな

◯唆る

◯えっっっっ

◯マユキくんをよしよししたい衝動にかられたわ

◯今首筋あたりに鳥肌できてるんだけど

◯これはいかんじゃろハルミママ、、、

◯ナデナデ\(^-^ )

◯マユキちゃん泣かないで〜っ

◯こりゃやばいな

◯暴徒と化す輩が出るぞ

◯マユキくんをそんな目で見ないでよ男性陣

◯よしよし

◯ちょっ!?

 男性陣全員がそう言う奴らのわけじゃねーよ!

 俺はそうだけども!

◯やかましいわ


「あと一つやね。えーと…」


ぶふぉっ。


ちょちょちょ、えー?吹いてもうたわ。


晴美ちゃん…これやるのは…恥ずかしすぎて、

心臓に毛ぇ生えてんと無理な奴やろ…?


◯マユキくんが吹いた

◯吹いたな

◯吹いたわね

◯吹いたよな

◯吹いたね

◯マユキちゃんめっちゃ盛大に吹いたな

◯何事じゃい

◯表情どうなった?

◯何で吹いたんだろ

◯可愛いから許す


「けほん、こほん。えーっと、この表情は…

 …お蔵入り、やね…僕の心臓に悪いし…」


◯えーっ

◯やだー

◯見ーたーいー

◯なんでよぅ

◯表情みたい

◯なんでなんで?

◯吹くくらいの何かってことでしょ?

◯ことさら見たいわ

◯見たい見たい

◯みーせて

◯笑わないから、ね?

◯みたいよー

◯見せてクリリン

◯何顔かだけでも教えて


「…何顔かだけなら…うーん…んん〜………

 うっ、ぅぅ〜…受け、顔…」


◯ブフォ

◯ブフォ

◯ブハッ

◯ハルミママァァァΣ(゚д゚lll)

◯それは吹くわ

◯待って待って

◯マユキくんになにさせようとしてんの…

◯ハルミママって女性だよね?

◯oh…

◯逆にすげーわ、こんな所にぶっ込んでくるか

◯出したくない気持ちがわかったよマユキちゃん

◯まぁでも女性でもそういうえっっな奴って描くんじゃない?


「…このお話はしまい!は、背景いくで」

服も表情も初期のに戻した。

灰色の、殺風景な部屋。

マユキのイメージとあってると思って、

俺から要望したんやけど…ええんかな?これで。

うちっぱなしのコンクリ壁、

灰色のフローリング、一つつけた小さめの窓。

パイプベッドとデスク、タンスしかない家具。

なんかミニマリストみたいやね。


◯良いね

◯the殺風景

◯箪笥の中身は?

◯雰囲気は合ってる

◯こういう部屋好き

◯待って窓に格子ついてない?しかも結構ガチの方の

◯窓に格子くらいついてるだろ

◯防犯のやつよね

◯どー見ても違う気はするんだが…

◯妄想掻き立てられますなぁ

◯この部屋とチョーカーって相性抜群じゃね?

◯湧くなHENTAI共

◯草


「ん?なんか妙なコメントが…まぁ、気のせいやろ」


うーん、これから何しよ?


と思ってると、通知オフにし忘れてた携帯から

電話が来る。


「えっ、ちょ、ちょっとごめんな…

 って鈴…マネさん?」


◯本社からの電話キター

◯え、何もやらかしてないわよね

◯なんだなんだ

◯なんじゃなんじゃ

◯何が起こっとるんじゃ

 じゃっじゃじゃっじゃじゃー

◯何事?

◯ハプニング?

◯what?


「も、もしもし…マユキです。

 どうされたんですか?」


『…まず、スピーカーをオンにして、

 視聴者の皆様にもこの音声が

 聞こえるようにしてください』


「は、はい…」


何か怒られたりでもするのだろうかと

唾を飲み込む。


「…えっと、できました」


『ありがとうございます。

 皆様、聞こえていますでしょうか?』


◯聞こえてます

◯うん

◯聞こえとるね

◯大丈夫です

◯何事?

◯珍しいね

◯え、怒られんの?

◯本部召喚 


「聞こえとるみたいです」


『…では、お願いします(ボソッ)

 ガタンカタカタ…

 あーあー!マユキちゃん!元気ぽんか〜?』


「…んぇっ!?間狸(またたけ)さん!?」


◯おぅふ、急展開

◯コンポンきたーー

◯刻狐ちゃんは?

◯えー、知らなかった

◯告知なかったよな?

◯ドッキリか?

◯どっちかというとサプライズじゃねーの?

◯驚いたマユキたんかわええ

◯それな

◯んえっのトコ

◯、、、ごくり。何が起きるんじゃ?


『もしもし、刻狐(こっこ)もいるこん。

 久しぶりこんね』


「お久しぶりです、刻狐さん…入社以来で」


『そうそう。あとはマユキちゃん、

 敬語直すこん』


「あ、はぃ…うん」


『もしもーしマユ、ちなみに俺もいるよ』


「ハルくんも…!?」


◯大集合じゃん

◯マジか…

◯ひぃふぅみぃよー…Vtoober四人か

◯すごいわね

◯すげぇなあ

◯最っ高にハイって奴だー

◯やれやれだぜ

◯みんな来て忙しーっていうのに

 くだらんことやっとらんで見るぞッ

◯ピシガシグッグッ

◯こんなに集まって何すんの?


『そして最後に、

 我エイヴォン・マッカートニーぞ!

 マユキとは初めてよな?』


「はっ、はい…って、ぇえ!?エイヴ先輩!?

 だ、第一期生の…」


『驚かせてしもうたか?』


「はい、びっくりしました…」


◯まじか

◯五人目

◯神回

◯すげえや

◯(小並感)

◯私エイヴ好きー

◯すげえなぁ、うんうん

◯して、なぜにマユキくん殿の所へ?

◯わかんね

◯マユキちゃんはガチでびっくりしてたよね

◯ソーキュート

◯可愛い


『回復おめでと、マユ』


「え…」


『こっちにいるみんなは、

 マユの事心配してて

 しかも風邪も良くなったって

 集まってくれたんだ』


「僕の、ため…に…?」


『そうだこん。クチナハ爺もサヤちゃんも

 キュトクマさんも来れなくて

 残念がってたこん』


『エイヴ先輩も、一期生の方々を代表して

 来てくれたんだぽんよ』


『その通り。後輩は、大事にすべき。それも、

 飛び抜けて良い子ときた。

 みな心配しておったさ』


「嬉しい…ほんまに、嬉しいです」


『それはよかった。

 来た甲斐があるというものぞ、

 わっはっは』


『マユキちゃんは綺麗なんだから、

 体も大事にしてほしいぽん』


「うん」


『完全に回復したら、また今度コンポンとコラボでも

 して欲しいこん。一緒にあそぼ、マユキちゃん』


「うん」


『マユ。マユが体調悪いのに

 俺…気づかなくてごめんな。

 俺はマユみたいに頭が良いわけじゃないから…

 気の利いた、

 マユキが聴きたい様な事は言えないと思う。

 それでも俺はマユが好きだから…

 これからも、友達でいてくれ』


「…うん、うん……っ!勿論やで、ハルくんっ」


◯・・・てぇてぇ

◯人格者だらけね

◯うっうっ、よかったなぁマユキくん

◯ハルキ、カッコいいな…惚れ直したぜ

◯てぇてぇ

◯てぇてぇな

◯てぇてぇよー

◯浄化される…

◯仰げば尊死


『今日はここまでなのだが、また機会があらば

 コラボいたそうぞ』


「お願いします」


『マユ、俺との約束も忘れないでくれよ?』


「当たり前やで、ハルくん」


『『んじゃ、またねマユキちゃん』』


「うん、またね」


◯約束?

◯はー、良かったぜ今回

◯うんうん

◯エイヴ先輩てぇてぇ

◯てぇてぇ

◯全部てぇてぇ

◯あたぼうよ


みんなからの通話が切れる。


「はー、うれしかったわ…うん。

 めっちゃ嬉しかった…っ…

 うぅ…ありがとう…


 っはー、

 時間も良えかんじやし、

 今日は終わりにしよかな」


◯ながいようでみじかいぜ

◯名残惜しい

◯後ろ髪引かれる

◯もっと聞いてたいなぁ

◯また今度

◯お大事に

◯楽しかった

◯癒された

◯また会いたいなぁ

◯くぅ

◯はぁ…短いなぁ

◯体感時間みじけえ

◯実に清々しい気分だ

◯前から気になってたんだけど、

 スパチャってできないの?


「…あ、忘れとった。

 うーん…スパチャ解放は、次回…かな」


◯早く貢ぎたい

◯貢がせて

◯払わせて

◯メンバーとかもしてほしい

◯わかる

◯払う価値ある

◯スパチャした事ないなぁ

◯次回が早くも待ち遠しいわ

◯オレ…ハラウ…スパ…チャ…

◯禁断症状じゃねーか


「じ、次回からやけども…

 みんな、無理せんといてな…?

 そら、嬉しいんやけど」


◯心配してもらえると聞いて

◯優しい

◯支払い確定したな

◯草

◯嬉しいんだろ?遠慮しないで、ほら☆

◯ヤメロ

◯払うぜ


「もー、みんな…

 まぁ今回はこれで終わりやね。

 じゃあ、また次の配信で…会おな」


[この配信は終了しました]

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