金縛り
3.14
金縛り
俺は、そのとき公園を歩いていた。
花が咲き、子どもたちの元気な声、そして暖かい空気。すべてがまるで幻想なように体がふわふわと心地が良かった。
しかしそのとき俺は、あることを思い出した。
そうだ、俺は、何か考えていたんだ。
何だったっけ、何だ、なんだ…。
「あっ、…」
俺は、その疑問が解けたとともに大きな違和感を覚えた。
それは、俺が眠たくてソファーに寝転がりウトウトしていた事だ。寝たいと考えていてのだ。
という事は、今俺は、公園で何をしてるんだ。これは、何だ?。夢なのか?!、。
そう思った瞬間、公園から引き剥がされ、目の前に、うっすらと自分の部屋の天井が見えた。やっぱり。俺は、そのとき、とても眠たかった。そして、そのまま寝てしまったがその夢の中でも「眠たい」という思いが残った。それによって、寝ているのに「寝たい」というパラドックスを起こしたのだ。
俺は、急いで起き上がろうとした。しかし体が動かない。目は、開いているもののそれは、うっすらとだ。体の筋肉は、動かず声も出ない。勿論、心霊的なものでは、なく金縛りは、科学的なものだと証明されている。だがとても怖い。いつものように手を動かそうにも動かない。まぶたもはっきりとは、あけられない、そして声も出ない。意識は、あるが体も動かせない。
「やばい、やばい」
体から冷や汗が出る。
俺は、必死に体を動かそうと力を入れようとしていた。
するとその瞬間
「はっ」
体がいつものように動き、目が覚めた。
俺は、気分が悪くなりながらもとりあえず水を飲むことにした。
「ふぅ」
俺は、金縛りがどういうものなのか1から調べることにした。すると色々なことが分かった。
金縛りになりやすいときは、レム睡眠になっているとき。レム睡眠とは、身体は、寝ているのに脳は、起きている状態。そしてその体が眠っているときに目が覚めてしまう事で金縛りが起きる。俺は、身体が、寝ているときに目を覚ましてしまったのだ。その目を覚ます原因となったのが寝ていて意識が無いはずなのに寝ようとしていたことを思い出してしまったからだ。
俺は、少し笑ってしまった。
こんなことが起きるのだと感心した。
するとそのときあることを思い出した。
「あれ、何かを必死にしていた様な…」何だ、何だ。
なぜだか分からないが考えては、いけないような気がした。しかし脳がどんどん考えてしまう。
俺は、何かを忘れている…。
「あっ」
俺は、そのとき目を覚ました。そしてその目の前には、見たこともない気持ち悪い生物が立っていた。俺は新しく発見された星の調査隊として他の星に行っていたのだ。
奴らは、こちらを美味しそうに見ている…。
俺は、そのとき思った。思い出しては、いけないことがあるのだと。
夢から覚めることが必ずしもいい結果には、ならないという事を。
金縛り 3.14 @3140905
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