「緊張の1時間」2021年9月12日夕方

16時半、ライフサポート社の柳瀬支店の近くまで母さんと俺の2人で来ていた。

約束の時間まであと30分あるので、近くのコンビニでトイレを済まし、2人で分けることが出来る4個入りのクリームが挟んであるワッフルを食べて糖分補給した。

脳に染み込む感じがする。


食べ終わったので、いざ出陣!

鞄の中にはボイスレコーダーをオンにした状態で、仕掛けてある。

ビルに入りエントランスで、エレベーターのボタンを押して乗る。

ライフサポート社がある階についたので、扉が開く。

インターホンがあった押すと、胡散臭い支店長が出て来て案内した。


案内された部屋と席を見て、母さんと俺は不信感を深め警戒心を強めた。


狭い部屋で俺たちが案内されたのは奥の席。もし何かあっても逃げれないようにしてるのか?って程、狭い部屋だった。


支店長が社長を連れて来た。

社長の第一印象は、やーさんの若?


俺の預金の被害の529万は諦めるけど、借金を何とかしたいと事前に伝えてある。

預金分に関しては、手渡しだから証拠がない。だから、しょうがないけどね。


数少ない証拠を出し、1時間近く話し合いをした。

現状の借金がなくなれば、生活は楽になるからそれをライフサポート社が負担することで決着がついた。


俺の投資詐欺で負ってしまった借金だけじゃなく、車のローンと母さんの引っ越しの時に負った借金も肩代わりしてくれるという好待遇。

総額316万9565円をお金をくれるというか、借金を肩代わりしてくれる。

盗られた700万には及ばないが、また貯めればいい。


今後、ライフサポート社員から投資詐欺にあっても責任を負わないとか、返すお金を借金返済以外に使わないとかの書類にサインして、話し合いは終わった。


支店長も社長もボロをちょくちょく出してた。

存在しないはずのライフサポートの社員の名前を出して車の保険の勧誘してきたり、松井に対して怒りがあり過ぎて話が支離滅裂になってたり、俺たち2人が内心笑いそうになっていたのはここだけの秘密。

家を欲しそうな人がいたら紹介してくれと支店長に言われたが、こんな会社に知り合いを紹介したくはない。怪しすぎる。


何とかしてこの会社との縁を切りたいけど、家のローンがあるからそれが出来ない。

いっそのことこの会社が潰れてしまえば、関わることがない。


雲を掴むような、砂漠で砂金を探すような、突拍子もない話だけど、、、その可能性を模索することにした。

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