別れ

鈴ノ木 鈴ノ子

わかれ

あの人はもうこない。


ああ、そうだ。別れたのだった。


桜の季節に、


ひまわりの季節に、


紅葉の季節に、


雪の季節に、


別れたのだ、もう、会うことも会えることさえない。


面影を探しては涙し、


アルバムの姿に涙し、


思い出の記憶に涙し、


泣いて泣いて枯れるまで泣いて、


そうして、思い出は想い出になってゆく。


行く年月、幾千万、の数限りない、別れ。


逃れられない、別れ。


だからこそ、生きている。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

別れ 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ