職業ぼく
シヨゥ
第1話
世界は馬鹿みたいに広い。それもそのはず。ゲームのようにここまで行ったらそれから先へは進めないということがない。たとえそれが海中であれ空中であれ宇宙であれ、装備を固めることができるのならば進めてしまう。
そんな世界にぼくはぼくという役割を与えられて今を生きている。
職業ぼく、はなにを目的にロールプレイをしなければいけないのだろうか。
ゴール条件を説明してくれるゲームマスターは不在。ルールブックがあるとしたら法律だろうが、住むとこ変われば変わるものなんてルールとはいわないだろう。
目的もなければルールもないなんて動きようがない。そんな世界で目指すゴールもわからず適当に歩けばいずれは誰かと衝突する。数十億の人間が歩けば1日で衝突する数はすごい数になるだろう。
そんな怖い世界にぼくは生きている。
生きるのが怖い。そう思ったらこのロールプレイは負けが確定するのだろう。
ぶつかろうが何しようが思ったように歩いて目的地に行く。
争いを乗り越える気概。妥協せぬ精神。痛みを忘れる鈍感力。
そういった強い在り方が求められる世界にぼくはいるのだと思う。
怖い怖いと家に引きこもるような弱い人間ではだめだ。
だから、ぼくはぼくを行く。ぼくがぼくを行った先にぼくらしいゴールがあると思うから。
職業ぼく シヨゥ @Shiyoxu
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