第2話・おいでませ異世界2

 しばらく歩いていると、マリエッタは足を止めた。


 生徒たちも止まる。


「ここが、あなた方の学園で国を作る本拠地ほんきょちです」


 学園だと示されたのは木造の横に長い校舎だった。


 寄宿舎はその隣に校舎と同じ作りだが、どこか昔の下宿のようなおもむきがあった。


「ホントにここはさ、異世界なの?なんか、芝居しばいとかしてないよね?」


 小雪が意地悪くそういうと、マリエッタは気にした様子もなく小雪の茶色の瞳を真っ直ぐみていった。


「ここはステラティアという名前の世界です。ここには魔法もあり、魔物まもの悪魔憑あくまつききが蔓延はびこっています。あなた方にはまずこの世界の共通語。あなた方が英語というものを覚えていただきます。こちらでは「グラスレーヌ語」と言います」


「日本語上手だね先生。どっかで覚えたの?」


 小雪がそういうとマリエッタは頷いた。


「あなた方が使う日本語を使う国もありますから。日本語は「ハマヤ語」になります」


「ああ、破魔矢からきてんのかもね」


「はい、習った時はそう教わりました」


 と、いうことはここはやはり異世界なのかもしれない。


 小雪たちはとんでもない場所で国を作ることになったのだ。


 しかも、未開拓で下手をすれば魔物や悪魔憑きに狙われる。


 生徒はみんな不安を覚えたのだった。

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