第1話・理事長の思いつき3
そのうちに小雪の後ろに他の生徒が並びはじめる。
小雪が振り返るとそこには大人しそうな男子生徒が立っていた。
「何?」
声は高くもなく低くもなく中性的だった。
「まっ、暇だからちょーっと話しでもと思っただけだけど」
「そうなんだ。僕は理事長の思いつきがここまでヤバイなんて知らなかったよ」
「ああ、いつもは体育祭で乱闘がみたいとか、文化祭じゃなく音楽祭をしようとかだったんだけど、今回のは凄いね。中高一貫校のうちの理事長は頭がイカれているとしか思えないね」
小雪が正直な感想をサラリといえば、男子生徒は「そうだね。いつもとは思いつきが
そんな話をして数分後、理事長室の扉が開けられた。
中からは理事長がニヤニヤ顔で「さぁ、入るんだ」と中にはいるように促した。
生徒が数人入ったところで、理事長は七色に光る輪っかを指差していう。
「これを潜ればそこはもう異世界だ。君達の健闘を祈る!以上、さよならだ」
「はい、さいなら先生。来年はこんなバカな思いつきしないようにね」
小雪がニヤニヤしながらそういって、七色に光る輪っかを通過する。
中にはいれば瞬き一つで、森のなかだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます