第1話・理事長の思いつき2

「大丈夫だ。現地にすでにその道のプロの理事長を派遣してある、それに魔法も使えるのだから怪我なんて一瞬で治るぞ。致命傷でなければな」


「んな怖いこというと、他の生徒は行きたがらないよ~理事長」


 小雪は挑発しながら理事長にいった。


「とにかく、問題は一切ない。安心して異世界ライフを堪能してくれ生徒たち」


 そういうと、理事長は「みんな理事長室に一列に並びなさい」と言いつけて、自分は颯爽さっそうと自室に戻る。


 残された生徒たちは、スマートフォンで親に連絡をとり、理事長の思いつきを話したりしていた。


 中には逃げ出し、親から「転校」を打診だしんされた生徒もいるので、理事長室に行く生徒は限りなく少なくなると小雪は予感していた。


 小雪の親は放任主義なので小雪の好きにするようにいったが、マザコンの弟は姉が居なくなり母を独り占めできるとたいそう喜んだ。


 とにかく、別れは電話ですませた小雪はさっさと理事長室に足を運んだ。


 理事長室までやってきても、まだ自分一人しか理事長室の前まで来ていない。


 一つ欠伸をして、小雪は他の生徒が来るのを待った。

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