第3話
自分の家に着いてからもメカに言われた言葉が消えなかった。
悪口を言うクラスメイトなんて宇宙に比べたらちっぽけな存在、確かにそうかもしれない。
今日もメカに言わせれば「ちっぽけな存在」の彼女らに媚を売っている。
そんな私の方がよっぽどちっぽけな存在だ。
私たちは今、学校という小さな箱の中に入っているだけで、あと数年経てば社会に出ていく、学校よりも何百倍、何万倍も広い社会に。そこで多忙な生活を送っているとき、私はもう彼女らの名前を忘れているだろう。
「ん?彼女ら?」
あれ。
今までボッチになるということに怯えすぎて考えてこなかった。
私は彼女らのことをどれほど知っているのか。
名前はぎりぎり言えるけれど、漢字でフルネームを書けと言われたら止まってしまう。所属している部活は三人ダンス部なのは何かの話に出てきた気がするけど、あとの三人は知らない。
彼女らのことを全然知らない。
もう少し考えてみる。
私は彼女らのことが好きなのか。
彼女らのそばにいるといつも嫌な気持ちになった。
誰も私を見てくれない、誰も私を知ろうとしてくれる人はいなかった。
いつもそれとなく輪から外されて、もっと私の顔とかスタイルがよかったら隣に並べる価値のある女の子だったら受け入れてくれるのかと痩せてみる努力もした。
これは親には言っていないけれど、一度ご飯を食べ終えた後トイレでこっそり吐いたこともある。
必死だった。
「私、あの人たちのこと嫌いかも」
試しに声に出してみるとお腹にストンと落ちてきて心が楽になった。
もしかして私は今まで私が嫌いな人たちに好かれようと頑張っていたのか。
なんだか急に可笑しくなってきた。
「フフッ」
久しぶりに顔を作るためではなく面白いと思ったから笑った。
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