(三)-5

 若い男は引けない引き金の原因を確認するためにその拳銃に目を向けた。

 その瞬間に入野はさらに二発撃った。

 三発目も胸に受けた後、若い男はその場で膝から崩れ落ちて倒れた。

 入野はゆっくりと男の近づいていき、トカレフを蹴って男から遠ざけた。

 白沢も男性に銃口を向けながら、ゆっくりと近づいていった。

 そのとき坂の下からさらに黒いミニバンが上がってきた。そして近くに停車し、運転席のドアが開いた。

 白沢が銃口を運転席の方へ向けた。入野は車の方をチラッと見ただけで再び倒れた男を見ていた。


(続く)

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