(三)-3
白沢と入野はとっさに背広の下に携行していた拳銃を取り出しながら車の陰に隠れてしゃがんだ。
相手の拳銃の一発目は覆面パトカーのトランクルーム脇に、二発目はエンジンルームの脇に当たったようだった。
「天誅や!」
そう言いながら若い男は拳銃をバンバン撃ち込んできた。覆面パトカーの後部座席のガラスの窓が割れ、次に前輪に当たり空気が抜け、車がやや傾いた。さらにリアガラスに助手席のガラス、フロントガラスも割れ、さらに運転席のヘッドレストに命中してウレタンを車内に四散させた。
(続く)
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