(二)-9

 入野は覆面パトカーに戻ってくると、無線でナンバーの照会をした。すぐに返答があった。大手自動車会社系列のレンタカー会社の東松川支店の名義であった。

 その後、織原金属の事務所に立ち寄って社長の坂之上と話をして、事件以後異常は特にないことを確認すると車に戻った。

 すると入野が「さっきのミニバンが気になるからこの後は俺が運転するよ」と運転席のドアを開けた。

 そういうことなら任せることにした。ここでの仕事は白沢よりも入野の方が長かった。移動中に何かあるのなら、着任して二日しか経っていない自分よりも入野の方が対処しやすいだろうと白沢は判断した。


(続く)

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