第54話

 翌朝、入り口に予定していた10人と。

 送り出す為に、トーマスとヤマト。

 それに、大勢の人達が来てくれていた。

 たいして、滞在してないのに。

 治療しまくったせいか、頑張れと応援してくれる人達。

 治療した、女性達からホッペにキスをして頂き。

 鼻の下を、伸ばしていたら。

 サリーに、早く行きますよと。

 耳を、引っ張られた。

 結構痛い!


 馬車には、リリ姫様と。

 何故か、ピーチパーティー3人がいた。


 「?姫様の護衛?」


 「仲良くなったし、王都にそろそろ帰ろうとも思っていたので」  


 キチが、答えてくれた。

 「リリ姫様。中はピーチパーティーが、護衛してくれるそうなので。私達は、外の警護を。サリーと、ニーナに、御者と馬車を守って貰いますので。安心して下さい」


 「ソウダイ様は、どうなさるのですか?」


 「俺は、走る事で強くなるので。少しでも、強くなる為に走ります」


 「?そうですか。道中魔物よけを、使いますが。お気をつけて下さい」


 「ありがとうございます。何だか、リリ姫とまともな会話は。これが、初めてですかね?では、出発します」


 外に出て、御者のサリーに声をかける。

 中から、キャーキャー声が聞こえる。

 ガールズトークでも、してるのだろうか?

 7日かけて、王都に戻る予定だが。

 俺と、メル、バハルは、先に王都に向かう予定だ。


 情報を、集め。

 できれば、カムイ王国にも行けたら?

 時間がないから、無理だろうけど。


 そんな事を、考えていると。

 パルマとザイスが、追いかけて来た。

 あ!

 2人を、忘れてた(笑)


 「おーい!置いて行くな!」


 「師匠を、置いて行くなんてありえないのです!」


 「悪い。色々考えてたらついな」


 「ついな。では無いのです!そんな事では、戦争なんてやめた方がいいです。だから、結婚なんてまだ、早いです」


 「お前が、戦争に来いって言ってなかった?結婚は、しないと思うけど?」


 「コイツは、戦争より。ソウダイのけっこ…」


 「ワーワー!ザイス!何を言うですか?昨日も、それは違うと言ったはずです!黙れーです」


 何か、賑やかだな?

 抜け出せるかな?


 「ソウダイ!今度こそ、約束果たしてくれよ!」


 「?なんだっけ?」


 「えー!戦う約束と、ゆっくり話をするって約束!本気で忘れてるだろ!」


 「?約束したっけ?あれ?」


 「こいつ、本気で忘れてるよ!リベンジは、本気モードで殺らせてもらうぞ!」


 「ちょい待て!覚えてるから、殺しに来るならやらないぞ!」


 ダメそうだ。

 メル、ザハル2人じゃ心配だしな〜。

 この際、タルフとナージも一緒に行ってもらって。


 馬車の護衛に、バルサ、ヤース、ララス。

 まぁ。

 サリーとニーナがいれば、問題ないだろうけど。


 1日目は、俺とザイスとパルマの3人で。

 多少、走りながら。

 進んだ。

 走りながら、ザイスと話していると。

 1時間もしないで、パルマは音を上げた。


 「師匠を、置いていくなー」


 その声で、パルマが付いて来ていないのに気が付き。

 来た道を、戻ると。

 うつ伏せに、倒れていた(笑)

 どうやら、声を出したあと。

 気絶したみたいだ。


 仕方ないので、俺が担ぐ。

 ザイスに頼んだら。

 それは、お前の仕事だと言われてしまった。

 何故に?

 別にいいけど。


 パルマは、小柄だし。

 一応、師匠でもある訳だし。

 担ぎながら、ザイスとひた走る。

 先程までは、ザイスと2人で魔物の討伐をしていたが。


 今は、俺が走って撹乱し。

 ザイスが、倒すという感じだ。

 ただ1つ、残念な事に。

 2人共、討伐証明がわからないので。

 倒したあと、放置している。

 とっっっても、残念だけど。

 パルマは、起きないし。

 俺の目的は、走り経験値を貯める事。

 ザイスは、楽しそうだし。

 良いんだろう(笑)

 ザイスは討伐証明とか、忘れてないよな?

 まぁいいか?


 その日の夜。

 俺は髪の毛を、引っ張られ。

 メチャクチャな髪型になっていて、皆笑っていた。


 パルマは、夕方に気が付くと。

 「降ろせー!」

 そう叫びながら、髪の毛をメチャクチャに引っ張り。

 降ろすと、何度も蹴られた。

 ザイスは、その時からゲラゲラ笑っている。

 何がそんなに、楽しいのだろう?


 何故か、リリ姫とピーチパーティーグループに。

 パルマも、加わった。

 賑やかで、いんだろうけど。

 サリーはキビキビと、野営の準備をして。

 ニーナは、周りの警戒をしている。

 ザイスは、俺ではなく。

 俺の奴隷と、戦闘している。

 3対1なのに、ザイスが押している。

 流石!

 S級パーティーラグナロクの、一員だ。

 ザイスは、確かバルサと同じ位のレベルのはず。

 それに、バルサは元団長。

 なのに、ヤースとララスが加わっても。

 ザイスが押してるなんて、レベルなんて。

 あてにならないのか?

 俺は、何でレベルを上げているのだろう?

 急に虚しくなった(笑)


 1人になりたくて、夜の警戒は任せて貰い。

 皆、寝るように伝える。


 焚き火の近くに、腰を下ろし。

 第1王子派閥に入るか?

 何処にも属さないか?

 カムイ王国側に、付くなんて案もある。

 が、中々答えが出ない。


 そんな時。

 サリーが、起きてきた。


 「だいたい、何を考えているかわかりますが。1つ助言と言いますか、ヒント?をつたえます」


 「どうか、この馬鹿めに。教えて貰えないでしょか?」


 「良いですね〜。いつも、そんな態度だと。良いのですが、無理でしょうね。おバカさんですからね。まぁ、貴方は…」


 「サリー様?ヒントは?」


 少しイライラしていると。


 「ヒントになるか、わかりませんが。クレナイ王国は、信用しない方がいいですよ。この国は、裏で色々しているのですが。中々尻尾を、見せないので。証拠は、ありませんが。背中を!刺されるかもしれない。その位の、考えで今回の戦争に望んで下さい」


 「メッチャ怖い!逃げて良い?てか、逃げよう!俺も、クレナイ王国は何処かおかしいと思っていた。だけど、何処が?と言われると困る。特に、第1王子は危険だと思う。確証は無いけどね」


 「その事で、迷っていると思いました。カムイ王国は、一致団結。ミカヅキ王国は、馬鹿ばかり?王族なんて、どこも同じです。裏切られる覚悟を持って、行動して下さい」


 「サリー?何を知ってるの?なんか、サリーの事も怖くなったんだけど」


 「ウフフ。そうですね。私も、心の底から信用せずに。いた方がいいかも知れませんよ」


 「コワ!本当怖いし!サリーには、勝てないと、思ってるから。遠慮願います!」


 サリーが、いなくなると。

 余計に訳わからなくなったやんけー!

 と、心の中で叫んだ。

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