第52話
日も傾き。
すぐに、出ていけなかったララ姫は。
翌日、大都に帰っていった。
護衛に、兵士とタリスを連れて。
何でも、近くの宿屋に兵士達が泊まっていたらしい。
リリ姫は、何故か残っている。
いつの間にか、ミーパや。
他の奴隷達とも、仲よさげだ。
一緒に帰ってくれたら、楽なのに。
まぁ、いいや。
俺としては、もう少し。
彼女達の、そばにいたいので。
ザイスや、パルマ達にも。
迷惑を掛けるが、彼女達の回復優先で理解してもらいたい。
ザイスは、シーリャルと仲良く?なり。
戦闘ばかり、しているようだ。
パルマは、何か悩んでるようだ。
愛しのマサヤと、離れ離れじゃ可愛そうとも思うが。
それはそれ、これはこれなのだ!
それから3日目。
人族の女性は、精神も良くなってきたが。
家族は、殺され。
帰る所が、ないと言うので。
屋敷で、働いてもらう事になった。
獣種族の女性5人は、多少食事をしたり。
付き添いと一緒に出かけたりできるようになった。
これで、王都に行けるかな?
後の事は、ヤマト達に任せ。
出発の日取りを、皆を集め相談する。
だが、思わぬ展開になった。
「御主人様。この領には、ヤマトさんとトーマスさん。アリス様とクーエさん。それに、新しく入った奴隷達もいます。私達も行きます」
「?戦争に、行くんだよ!俺1人で、行く事も考えてるし。シーリャル達は、残って欲しいけど」
「御主人様。シーリャル達は、契約条件に縛られている為。無理矢理付いて行くことは、出来ませんが。本人の望みを、否定するのは。不本意なのでは?」
「サリーは、皆で行くことに賛成なの?」
「本人が、望むのです。心配なら、御主人様が。守れば宜しいのですよ」
「違います!私が、御主人様を守ります!」
「私も、守りましゅ」
「妻として、そばにいます」
「私は、戦闘できませんので。帰りを、お待ちしています」
「俺は、信頼してるし。頼りにもしている。でも、皆に傷ついて欲しくない。我儘だけど、わかってくれないか?」
わかりません!
皆に、そう答えられてしまい。
困ってしまう。
「ニーナには、先行して状況を確認してもらっています。ハートさんには、空からカムイ王国を。調べて貰っては、いかがですか?」
優柔不断の俺は、悩んでいた。
嬉しい申し出でも、死んじゃったら。
俺でも、治せない。
今回のカムイ王国との戦争は、裏切り者がいる気がする。
色んな小説の読み過ぎで、ふかよみし過ぎなのかもしれないが。
守りきれるだろうか?
魔法は、威力が大きすぎるし。
剣の腕はない。
逃げ回ってるだけの、俺に守れる訳がない。
「やはり、認められない。出発は、明日の朝だ。どうしても、来たいと言う者は。俺の部屋に来て、説得して欲しい。俺は、皆に納得して残って貰いたい」
今は、朝食を食べた後のため。
まだ、十分時間がある。
隠れて付いてこられても、困るから。
このような方法を取った。
まず、部屋に来たのはサリーだった。
「御主人様。失礼ながら。先程お一人で行かれるつもりと、伺いましたが。本気ですか?死にますよ!まして、死にかけてからそれほど、お時間は立っておりません。馬鹿なのですか?」
「サリー。俺は、皆が大切なんだ。生きていて欲しいんだ。奴隷として、付いて来てくれているのかもしれない。それでも、皆に死んで欲しくない。だから、1人で…ていうか、バカバカ言うなよ!」
「?馬鹿にバカと言って、何が悪いのです?馬鹿なので、わからないのですね。それは、仕方ないですね」
「冗談も、そこまでにして。サリーなら、もっと優秀な人を主にすれば良いと思うよ」
「冗談ではないのですが。自暴自棄に、なっているのですか?考えるのを止めて、逃げるのですか?元勇者様は、優秀でした」
それを聞き、苦笑いする。
元勇者様と比べられても。
俺なんて、ただ走る事が好きな馬鹿なのだ。
サリーには、もっと優秀な主がいいと思う。
そう考えていると、顔に出ていたのか。
「全く。そんな風に、考えていると思いました。元勇者様は、最初から優秀な人ではありませんでした。初めてお会いした時。『奴隷キタ~』でしたからね。残念な人でしたよ」
何それ?初耳何だけど。
元勇者様とは、気が合いそうだ(笑)
「貴方に、よく似ています。メチャクチャな所や、馬鹿な所。奴隷を守り、自分が損をする選択をする。私は、それでも。支えていましたから。今回も、付いていきます。なれてますから」
「なれるなよ(笑)はぁ~、わかった。サリー。宜しく頼むな」
「最初から素直に、そう言えば良いのです。後、他の皆様の説得も。無駄だと思いますよ」
「そう?なんとかならないかな?」
「無理ですね」
「即答かよ!」
サリーは、貴方は優しすぎますからと言いながら出て行った。
そんな事は、無いと思うが。
次は、説得する!
気を引き締め待ち構える。
扉をノックされ、入ってきたのは。
以外な人達が来た。
「主様、事情を聞きました。我ら7人忠誠を誓い。此度の戦争に、ついて行かせて下さい」
サリーが、購入して来た奴隷達7人が。
同行許可を求めに、来たのだ。
「君達には、ここを守ると言う役目がある。残って、トーマスさんを支えてくれないだろうか?」
「トーマス様に、お世話になっていた者達は残ります。が、俺達は余所者。元々この国の人間ではない為。大恩ある、主に恩返ししたいのです」
「他国で、奴隷になりこの国に来たの?」
「私は、違いますが。他の者達は、そうなります。ですが、奴隷の為。裏切る様な真似は、出来ませんし。お願いします」
ウ~ン。
寧ろ、この国と関係ないなら。
余計に、連れて行くには気が引ける。
「ちなみに、貴方はどうして奴隷に?」
「私は、龍種の魔族。ミカヅキ王国の、第3騎士団。団長を努めておりました。が、他の団長に嵌められ。ミカヅキ王国から追放。クレナイ王国に、来たのですが。殺され掛け。目を覚ましたら、奴隷になっていました」
え?情報が、多すぎ!
龍の魔族?
見た目、人族だと思ったのに?
他にも、今回の奴隷の中にいるのかな?
ミカヅキ王国の騎士団?聞いたことないし。
団長?はめられた?
殺されかけたら、奴隷?
1つも理解できない。
「主様。どうかお願いします」
「え~と。まだ、入ったばかりだし。正直、信用出来無い。仲間を、疑りたくないから。連れていけないかな?」
「では、私達7人と契約条件の変更をして。裏切りは死ぬと、すれば問題ないですね!」
「問題ありまくりでし!!!」
そんな、どうしてみたいな顔されても困る。
どうしなせずに、立ち回るかを考えているのに。
まいったな~。
「サリー様から、論破されなければ。連れて行って貰えると、聞いていますので。契約条件変更出来るように、奴隷商を呼んでおきますね」
何それ?聞いてないんだけど!
サリー!!!!!
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