第40話

 領内に入り。

 山が多い土地。と言われるだけあり。

 山ばかり。

 薬草の栽培が盛んで、農家、鍛冶師、採掘師が、多いそうだ。

 それを聞くと俺の中で、筋肉ムキムキな人が多いのかな?

 と思っていたのだが、そんな事はなく。

 見て回るが、印象としては若い人が少なく。

 年寄りばかりに思える。

 トーマスの家に付いたのだが、100平米かな?3階建ての、素晴らしい家?だ。

 でも、それより驚いたのは。

 周りの家が、ボロボロになっている事だ。

 トーマスも、驚いているようだ。

 すると、

 「トーマス様??トーマス様!お帰りなさいませ!本当に本当にお待ち致しておりました」

 一人の執事?セバスチャンとか、似合いそうなカッコいい執事さんだ。

 「ヤマト。今まで苦労をかけた。息子のモーヒガは、自殺した。今までモーヒガに、ここを任せていたが。これからは、こちらのソウダイ様が統治する事になった。詳しくは中で話そう」

 お〜。イケメンマックスじゃないか!

 カッコいい!

 こんなトーマスの後とか、無理じゃね(笑)

 てか、セバスチャンじゃないし(笑)

 トーマスの姿見た民達が、少しずつ集まりだした。

 皆、「トーマス様」と泣く集団。

 よし!ここは、トーマスに任せる事にしよう!

 ヤマトに、屋敷の中へ案内してもらう。


 トーマスが、奴隷になったなんて話し出したら。

 俺の身が危ない。


 扉を開け中に入ると、大きな階段が正面に。

 左右に大きな扉。

 階段脇にも、小さめな扉が左右に。

 上を見ると、大きなシャンデリアが!

 スゲー豪邸だ。

 ボーとしていたようで、サリーに肘打ちされる。

 「ヤマト様が、困っています。案内に従ってそちらの部屋に」

 ヤマトに、目を向けると苦笑いをし。

 右側の扉の方へ案内される。

 そちらを開けると。大きな部屋に、ソファーが4つ。

 大きめなテーブルが1つ。

 壁伝いに、絵や調度品が並んでいる。

 クーエは、目を輝かせ調度品を見ている。

 サリーと、ニーナはソファーに座る。

 俺は、そことは別のソファーに座ると。

 隣にミーパとハートが。

 シーリャルは、俺の後ろに立っている。

 ピーチパーティーは、トーマスが害されないように見てくれているらしい。

 意外に、優秀なのかもしれない。


 すると、メイドさんが入って来た。

 お茶菓子と、紅茶を持ってきてくれた。

 俺は、メイド来たー。と思ったが、手に傷があるのを見て。

 痛々しくて、

 「その手は、どうしたの?治せないの?」

 と聞いてしまった。

 「申し訳ございません。お見苦しい物を、お見せし申し訳ございませんと」

 涙ぐみながら、謝られた。

 「気になさらないで下さい。ただ、もし良ければ、少し見せていて抱いても宜しいでしょうか?」

 メイドは、不安になりヤマトを見る。

 ヤマトが頷くのを見て、俺に怪我した手を見せてくれる。


 俺は、王都を出発してからある事を考えていた。

 それは、回復魔法を取得したい。と言った願望?

 魔法の使い方は、わかったし。

 レベルも上がり、MPも増えた。

 攻撃魔法は、凄すぎるので。

 回復魔法を、取得できたら。

 色んな人達を、助けられる。

 そう考えていた。

 ユカリの回復魔法を見て。

 願う気持ち。

 願う強さ。

 等が、関係するんじゃないかと考え。

 治したい。

 と強く願いながら旅をしていた。


 そして今、目の前に苦しんでいる人がいる。

 メイドさんの手を握り。

 赤黒くなっている手を、治したい。

 そう強く思い。握りしめた。

 暫らく時がたつが、皆止めるような事もなく。

 静かに時間だけが、立つ。

 そこに、トーマスが扉を開け入って来た。

 その音に、気が付き目を開ける。

 私は、ゆっくりと手の中の傷ついてる手を見る。


 すると!赤黒い怪我が消えていた!


 「よっしゃー」

 とガッツポーズをする俺を、どこか残念な人を見るような、目をサリーは俺に向けていた。


 メイドさんは、治った手をさすりながら泣き出し蹲ってしまった。

 ヤマトが、メイドを連れて出て行こうとするので

 「ヤマトさん。他にも怪我人がいたら、呼んでもらえますか?」

 ヤマトは、驚いた顔をしてトーマスを見る。

 「何かわからないが、ソウダイ様の指示に従って下さい」

 「少々お待ち下さい」

 と、お辞儀をし出て行った。


 「で?何があったんですか?」

 「御主人様の手が光ったら、治ってたでしゅ」

 「御主人様。そんな事が出来るなら。ユカリ様ではなく。御主人様にして欲しかったです」

 トーマスの質問にミーパが答えるが、理解してないようだ。

 サリーが、トーマスに説明してくれた。

 「シーリャル。俺だってあの時使えれば、治したかったが。スキルが無くて。王都を出発してから、ずっと皆を治したいと願っていて。今なら出来る気がしたら出来たみたいな?(笑)」

 「そんな事で、使えるようになるスキルではありません。もしかしたら、ユカリ様に近い回復魔法でした」

 そうなのか?

 目を瞑っていたし、わからないけど。

 ミーパは、凄いしか言わないし。ハートは、さすが旦那様とか。

 ちょい待て、旦那になった覚えが無い!


 クーエも、同じソファーに座り凄いと言ってくれる。

 ニーナはお茶菓子に、夢中だ。


「ソウダイ様感謝します。他の怪我人を呼んだと言う事は、治して頂けると?」 

 「申し訳ないが、練習の意味もある。だから、気にしないで欲しい」


 さて、ステータス確認と


 ソウダイ

 レベル 1,110

 スキル

 言語理解 恐怖体制

 走経験値 

 ダッシュ シュート

 タックル ジャンプ

 投擲   

 豪炎魔法 豪土魔法

 治療魔法 身体強化

 HP111,000 MP55,500


 治療魔法?回復魔法じゃないの?

 今度ユカリに合って、確認してみないとだな。

 暫くして、ヤマトが来るが。

 一人だった?

 「怪我した人はいなかった?残念でもあるし、嬉しくもあるかな?」

 「申し訳ありません。ここに入ってこれない者もいますし。入りきらないと思い。別室にてお待ちしております」

 え?逆?そんなにいるの?

 入れない?歩けないって事かな?

 「了解だ。危険もないし、クーエ手伝ってくれ」

 最初に奴隷にしたのに、最近クーエと話をあまりしてないし。

 クーエは、手当とかうまそうだし。

 女性達は、不満そうだが。

 怪我した人の所に、大人数はちょつとな〜と思ったから仕方ない。


 クーエは、喜んでと付いてきてくれた。

 でも、失敗だったかも。

 連れて来られたのは、牢屋だった。

 「この人達は、どんな罪を?」

 「モーヒガ様に、意見をした者や従わなかった者達になります」

 はぁ〜。

 ため息が出る。

 こんなにいるのか?

 牢屋は、5つ。

 手前から、人族の男性6名。

 次が、獣種族の男性4名。

 次が、混合で子供達8名。

 次が、人族の女性9名。

 最後に、獣種族の女性7名。

 全部で34名。

 と、ヤマトが説明してくれた。

 皆、体中包帯だらけだ。


 俺にどこまで、出来るかわからないがやってやる!

 と、気合を入れた。

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