第38話

 村が見えてきた。

 馬車の旅は、快適だった。

 異世界人が開発した、スプリング?とクッションのおかげで、お尻が痛むこともなく。

 こちらの常識や、元勇者。異世界人の話等。

 聞きたいことが山程あり、あっという間の移動だった。

 今までニーナは、呼ばないと現れない。忍者を、イメージしていたのだが。

 ずっと、近くにいた。

 可愛くて、頭を撫でたり膝枕してあげたりした。

 サリーは、なにか言いたげだったが(笑)

 今回聞いた中で、服装。

 これは、国によって異なるらしく。

 クレナイは、着物を着た人。ジーパンに似た服装の人。Tシャツとスボン。それにスカート。

 前世と変わらず。

 ただ村の方だと、昔ながらの服装だったりするらしい。

 サトウ王国同じように自由で。

 ルージュ王国は、女性中心国家な為。

 色々な服装の人がいるのだとか。

 ただ、男がほぼ全て奴隷扱いらしく行きたくない。

 カオリっていう存在が気になるが…

 あとミカヅキ王国は、着物が基本らしいが。最近国王が変わり、ミニスカとかストッキングを推奨しているらしい。

 1度は行ってみたいものだ(笑)

 最後にカムイ王国は、侍の国とも呼ばれ。

 カムイ王国初代が、異世界人で侍だったらしい。

 昔から変わらず。聞く限り江戸時代が、ずっと続いていた?感じだろうか?

 なので着物姿出ないと、入国も出来ないらしい。

 異世界だけど、日本?て感じる部分が多いのは。

 異世界人の9割が日本人なんだとか?

 よくわからん設定だ。


 あと、これだけ異世界人が多ければ異世界人だらけになるのでは?

 と思うが。

 異世界人どおしでの殺し合いや、無謀に魔物に挑んで殺されるケースが多すぎるから増え過ぎないらしい。

 望んだ能力を、得ることが出来れば試したくなる気持ちはわかる。

 が、命大事にでしょ!

 おれ?俺も、挑んでばかりいるような?気の所為って事にしておこう(笑)

 村の入口に、ミーパとサイ君を発見!

 到着すると、

 「おかえりなさい」

 とサイ君。

 イケメンやし可愛い!

 最強やな(笑)

 ミーパは、サイ君一人だと心配だからと一緒にいたらしい。

 良い子。頭を撫でながらボンドさんの元へ。

 扉を開けると

 「おかえり。随分と仲間が増えたね。色々あったみたいだし。お疲れ様」

 「ただいま帰りました。ボンドさん」

 少し涙が出てしまった。

 手を繋いでいたサイ君が、笑顔で笑いかけてくれる。

 このまま村に住みたい。

 と思うが。

 そうは行かない。

 サイ君と、シーリャルにアリスさんを呼んでもらうようお願いする。

 ハートには、マーエさん家族を呼んでもらった。

 皆が揃い。

 おかえりと言われ嬉しかった。

 「実は、元モリス領の領主になる事になりまして。皆様に来て頂けたらとお呼びしました」

 「ソウダイ。それは、どういう事なのか詳しく聞きたい。そこにいる、トーマス団長にも関係あるのだろう?」

 「お久しぶりですボンド団長」

 「今は、お前が団長だろうに。元気そうで何よりだが、モリスとはトーマスが領主をしていた所だったような?」

 「まず、私が王都で起こった事を、全てお話します」


 重たい空気な感じがする。

 特に、死にかけた所で皆が怒っているように感じた。


 「それで、トーマスさんは王命で自分の奴隷に。サリーとニーナは、奴隷だけど契約内容てきに命令は出来ない。ミーパ、クーエ、ハート、シーリャル達は、奴隷商で購入した」

 「私は、ついて行くよ。連れて行ってくれるかい?」

 「アリスさんは、俺にとって家族です。喜んで」

 アリスさんと握手を交わす。

 「おとう。一緒に行こうよ」

 「サイ。私には、この村を守る役目がある。いまは、無理だ」

 ボンドさんの言葉に、涙するサイ君。

 わかっていた。

 いくら平和だって、守りの要。

 ボンドさんが、この村を離れるわけには行かない事を。

 「ボンドさんが、認めた人をこちらに残せれば付いて来てくれますか?」

 「あてでもあるのか?」

 「あてはありませんが、何とかなる気がするので。今の奴隷達を、残す事は出来ませんがいずれ」

 「そうか。期待して待つ事にしよう」

 サイ君は、淋しげだが仕方ない。今は、諦めるしかない。

 「そうすると、私達も行けません。サイ君と一緒にいたいと、エイカが言うでしょうから」

 「お母さん。ウー」

 エイカちゃんの顔が真っ赤だ。サイ君は首を傾げている。

 微笑ましい。

 「結論は出たな。ソウダイが帰ってきたのだ。お祝いをしよう。皆我が家でくつろいでくれ」

 「ありがとうございます」

 皆でお礼を言い。

 その後、村を周り挨拶をして回る。

 その日の夜。

 宴会が行われた。

 バーベキューだ。村の中心で、火を囲み。

 座っていると、皆が料理を持って来る。

 ワイワイしながら皆で騒いだ。

 チョット、トイレ。

 席を離れると、マーエさんがいた。

 「ソウダイさん。少しよろしいですか?」

 「はい。大丈夫です」

 「ハートの事。本当にありがとうございます。ソウダイ様に買って頂き幸せだと、ハートが言っていました」

 「?何もしてませんよ(笑)ハートさんのように飛べたら手紙の配達を、お願い出来ると思い購入した次第です。だから、気にする事はありません」

 「言わせて下さい。ありがとうございます。私は彼女を、助けてあげる事が出来ませんでした」

 「ハートさん言ってましたよ。マーエさんに感謝している。あの時、素直になれなくて申し訳ない。せめて謝りたいって。だから、マーエさんが彼女の心を救ったんだと思いますよ」

 「ありがとうございます」

 と言いマーエさんは、泣いてしまった。

 少しして旦那さんが迎えに来て、一緒に帰ったようだ。

 サイ君とエイカちゃんも一緒に。

 戻ると。

 ボンドさんは、自分の後継にトーマスさんを指名したらしい。

 そのせいか、離れた場所でトーマスさんは謝っているが。

 ボンドさんは気にしてないとでも言うように、酒をつぎ、そしてつぎ返され。

 楽しく飲んでいる。

 クーエとミーパは仲良くお喋りしながら話している。

 シーリャルは、村の住人に知り合いでもいたのか仲良く酒を飲んでいる。

 ハートは、と探すと。

 目の前に来ていた。

 「御主人様。マーエさんはなんと?」

 「ありがとうと言われたよ」

 「そうですか。私からも本当にありがとうございます。御主人様のおかげで、心残りが無くなりました。これからは、ソウダイ様の為に頑張りますね」

 「前も言ったけど。開放されたら、自由にしていんだからね。暫らくは、ここと新しい領地の往復になり大変だと思うけど」

 「大丈夫です。飛ぶのは、楽しいし。運ぶ仕事?ですか?自分に、向いている気がします」

 「そうだね。飛ぶのが好きなら、俺と似てるかもね。ハートのそういう考え好きだな〜」

 「そんな。告白されたら」

 「告白?違うから!う~んと褒めただけだからね(笑)」

 顔を、赤くしてどこかに行ってしまった。

 何故こうなるし(笑)

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