第32話

 ザンドについて行くと、兵舎?兵士が山程いる建物についた。

 ここに来るまでに、俺の持ち物は全てザンド隊長に預けている。

 少しザンド隊長と話す事ができて、警備隊は7隊あり。

 警備団長の下に、隊長7名。副隊長7名。兵隊が、各隊30から50名前後いるらしい。

 「これから部下に、報告を受け。今後君をどうするのか?確認してくるから。それまでこの部屋で、待っていてくれ」

 「了解です」

 ザンド隊長は、俺の言う事を信じてくれる。悪いようには、ならないと思うけど?

 不安になり、もしかしてと小声で「ニーナ」と言ってみたが今回は現れなかった。

 まぁ、そんな都合よく行かないよね。

 バン!

 と、大きな音を立て3人入って来た。

 先頭の男は、会うはずないんだけど?

 「お前のせいで、こんな所に閉じ込められイライラしていた所だ!おい、こいつを例の部屋に連れてけ!」

 「は!」

 と二人に剣を向けられ手を上げた。

 「こんな事して、トーマス団長に知れたら大変じゃないの?モーヒガ様」

 「残念だったな!父上は、明後日からS級パーティーと合同で、討伐部隊を組む。下調べがあるから今朝から王都にはいない」

 マジカ!これはヤバい。剣はないし、魔法はあれだしな(笑)

 逃げ出すのも、奴隷達やパルマに迷惑かけることになりそうだし。

 助けが来るまで耐えるしかないか?

 と、覚悟を決めた。

 2回階段を降りたから、地下2階?結構この世界は進んでる?なんて考えながらついていくと、鉄で出来たであろう扉の前に。

 中に入ると、THE拷問部屋って感じの部屋で、両腕を縛られ釣り上げられる。

 ご丁寧に、足も縛りその紐を地面に結ぶ。

 ここまでされて落ち着いているのは、レベルも上がり。走り回ったせいで体力もついたし。

 何とかなると思っていたからだ。

 「お前のせいで父上から、閉じ込められ。勘当されそうになった!どうにか、勘当されずにはすんだがな」

 「で?どうすんの?殺せば、勘当間違いなしでしょ」

 「そんな事にはならん。お前を葬れば、我は王族の重鎮になれるのだ」

 「それって、騙されてるパターンでモーヒガも殺されるんじゃ?」

 「そんなはずはない!訳のわからんことを!鞭をよこせ」

 まずは鞭攻めですか?さて、痛いかな?

 「苦しめ!我の言うことは絶対なのだ!」

 鞭を打たれるが、やはり痛くない。ただ服が安物なので破ける。ジーパンは平気なようだ。上半身裸で、鞭を打たれる図がやばい(笑)

 「苦しそうに何故ならない!剣をよこせ」

 多分俺のレベルが高いから切れないそれともレベル関係ないのかな?

 と、鞭が平気だからと安易に考えていた。

 「まずは足を刺してやる」

 さてどうなる?

 刺さったーてか、痛い!痛い!痛い!

 泣きそうな顔にご満悦なモーヒガは、あちこち少しずつ指したり斬りつけたりする。

 「ハハハ、お前の泣き叫ぶのにも飽きたな!慈悲を持って楽にしてやろう」

 泣いてないし!てかやばいな!どうすれば?と考えてるうちに剣が喉元に!

 その瞬間、剣を弾いた!

 身体強化が間に合った。

 「なぜ切れぬ?なぜ刺さらぬ?今までと何が違う?他の武器をよこせ」

 色々試されたが、身体強化が発動している間は傷が付くことはなく。

 「今日はこの位にしてやる!いずれ餓死するのだ!焦ることは無い」

 と扉を締め去っていった。

 何故助けが来ないの?

 S級パーティーは?奴隷達とか?サリーとか?何度も「ニーナ」と言っては見るが、駄目だった。

 腹減ったな。喉乾いたな。手足を縛る紐と、鎖は何故か取れなかった。魔道具なのかもしれない?

 そのまま日が暮れいつの間にか寝ていた。

 目が覚めると、見なれない壁だった(笑)

 夜は何もされなかった。

 自動回復なんて機能はなく。

 刺された傷やスリギズは、そのまま。

 さて、今日は死なずに済むのかな?

 てか、もう夕方なのですが!放置ですか?放置プレイ!全然嬉しくない(笑)

 明日になればS級パーティーは、王都からいなくなる。

 真面目にやばくないか?モーヒガは、このまま餓死させるつもりなのだろうか?

 情報が欲しい。何か手はないか?考え無いといけないのに腹が減って。

 何も思いつかず時間だけが立つ。

 何もわからないのは、怖い事。やはりニーナのような優秀な人がいたらと、現実逃避していた。


 その頃、パルマはS級パーティーに事情を説明して王様と謁見していた。

 あの後、S級パーティーとして警備隊に掛け合ったが行方不明だと言われ。

 警備5隊にも掛け合ったが、ソウダイは行方不明。待たせた部屋から、忽然と消えた為。警備隊でも捜索されているそうだ。

 どこを探しても見つからず。王様との謁見願いをしたが今まで許可が降りず。手をこまねいていた。

 「表をあげよ」

 「王様。事情は、ご存知かと思います。昨日、警備隊に異世界人ソウダイが連れて行かれ。行方不明となっております。これだけ探して見つからないとなれば、王城か兵舎。それと地下牢獄。そのいずれかだと思われますので我々の捜索許可を求めます」

 と、マサヤが言うと

 「無礼者!王城を調べるなどありえん!いくらS級だと言っても、許されることでは無い!」

 ここにいる王族。貴族達が反論する。

 「今回。サリー様にも協力を仰ぎ、捜索した所。王城の地下、兵舎地下、そして地下牢獄の3つのどれかに、捕らわれている可能性が高いと仰られておりました。何卒許可を」

 サリーの読みは、モーヒガなのだが今は第2王子が匿っていて接触できない。

 奴隷の首輪を、奴隷商に依頼し確認したが主は生きているのは間違いない。

 契約のスキル保持者が、首に触れ念じると、持ち主の情報がわかる。

 生かしてあり、騒がれても大丈夫な場所として、先程の3つのどれかだと推理したのだ。

 「ソウダイは、3年前多くの人々を救った。この国の恩人。必ず探せるようS級パーティーに許可を出す」

 「なりません!冒険者風情に王城を自由に歩かせるなど、合ってはならないことです!国王!お考え直しを」

 ザワザワと周りでも口論が始まり。

 「静まれ。ならば、兵舎地下と地下牢獄の捜索許可を出す。王城地下は、第1王子に捜索してもらう。これで良いな」

 と、言うがまだ反論する者たちもいた。第2王子派閥だが結局2つの場所の許可が出てマサヤとユカリは、地下牢獄へ。パルマとサイズ、それにタリスは、兵舎地下へ。


 これでソウダイは、救出される筈だったが…

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