第30話

 翌朝。

 朝食を取る為。5人で、昨日食事をした店に来ていた。

 パンと牛乳とサラダ。

 これが朝食セット。

 生前、米よりパン派だった俺。

 それでも思う。

 米が食いたい!

 この世界には、似た物があるらしいが。

 この国。クレナイには、無いらしい。

 流石に米が恋しくなる。


 「さて、今後の予定だが。ハートには、村に向かってもらう。」

 「この後向かう。手紙は?」

 「昨日寝る前に、書いて置いたから宜しくね。クーエには商業ギルドに登録してもらう予定だ」

 「わかりました。主は商いを、するのですか?」

 「商業ギルドに登録する理由は3つ。1つは、旅で商いをする予定だから。2つ目は、情報だな。冒険者組合より貴族関係かな?トラブル防止の為。3つ目は、開放された時にあると便利だろ」

 「父にギルド登録させて貰えなかったので、嬉しいですが。開放されるつもりはありません」

 「?いつか開放されるだろ?それは、置いといて。ミーパには、冒険者組合のランクを上げてもらう。正直、スキルの使い方次第でミーパは最強だと思ってるから。一緒に頑張ろう」

 「私は約立たずでしゅ。冒険者ランクも最低ランクてしゅ。でも、主の為に頑張るでしゅ。」

 隣りに座っていたので、可愛くて頭を撫でた。

 何故か、皆から視線が。

 ?まいっか。

 「シーリャルにはこの後、S級パーティーと合う時。ユカリと話をした後で、考えたいと思っている」

 「わかりました。主のお心のままに」

 よし!みんな食べたし行動開始だ!

 ハートと、別れ。まずは商業組合へ。

 冒険者組合より、キレイで大きい感じだ。

 「いらっしゃいませ。本日は、どのようなご用向きでしょうか?」

 「この子の登録をお願いしたいのだが、奴隷でも出来るだろうか?」

 「持ち主様の許可があれば、可能です。年会費が、ランク事に異なり。登録料と合わせて最初は、銀貨3枚になります」

 「了解だ。銀貨3枚渡したから。クーエこの紙に、記入を頼む」

 「わかりました」

 「では、先程話がありましたが。商業ギルドにはランクがございます。A、B、C、ランク。クーエ様はCランクスタートになります。Bランクは店を構えると上がります。年会費は金貨1枚。Aランクは、王族に認められると上がり、年会費は白金貨1枚になります」

 「説明ありがとう。ギルドにクーエ1人で来ても対応して貰えるだろうか?」

 「問題ありませんが、他のギルドでは奴隷差別する者もおりますのでご注意を」

 「なる程。ありがとう」

 登録が終わり。ライスの宿屋に戻る。

 ミーパとシーリャルは、冒険者登録してある。

 シーリャルは、元Aランク。腕を失いランク査定を、受けないといけないらしいが、後回しにさせてもらう。

 宿の前には、パルマがいた。

 「遅いのです。何をやってるですか?」

 「悪いな。昨日奴隷を買う事になって、やる事が多くて」

 「時間もないし!早くするです!」

 奴隷を、見渡し。言いたい事がありそうだが、時間がない事を考えて我慢してくれたようだ。

 「すまん。その前にユカリと、話がしたいから部屋に行っていいか?」

 「何なのです?時間がないのに!早く来るです」

 と、部屋に案内してくれる。何だかんだ優しいよなこいつと、思いながらついて行く。

 「ユカリ。こいつがようがあるです」

 「?ソウダイ様と魔法の練習に行くと、張り切っていたのに、急ぐの?」

 「張り切ってないです!嘘です!」

 「悪いなユカリ。昨日会った時に聞きたかったんだが、急いでいたようだから。」

 「こちらこそすみません。それで、何を?」

 「否定するです!張り切ってないのです!」

 可愛くて思わずパルマを撫でる。

 やめるですと、怒られた。

 「ここにいる。シーリャルの腕なのだが、ユカリのスキルで何とかならないか聞きたかったんだ」

 と、シーリャルをゆかりの前に押す。

 「私としては、治してあげたいのですが…」

 と、そのタイミングで奥からザイスとマサヤが来た。

 「悪い。盗み聞きになっちまったな」

 「出るタイミングを失ってしまい。申し訳ない。今の話は、簡単に治すと、ユカリの元に怪我人が集まる為。簡単には治療出来ないんだ。国王にも言われていてな。スマナイ」

 「そっか。出来たら治してやりたくて、ワガママを言った。忘れてくれ」

 「機会があれば、国王に聞いて見るが。宛にはしないで欲しい」

 「ごめんなさいね。許可が出れば喜んで治すからね」

 「私、奴隷のシーリャルは、気にして頂けただけで幸せです。感謝します」

 「別の方法を模索してみるさ。パルマ、待たせた。行こう」

 「楽しみにしていたようだし、ソウダイ。パルマを頼むね」

 とマサヤが言うと

 「違うです。私はマサヤが…」

 俺が見るに、パルマの気持ちにマサヤだけ気づいてないっぽい。

 「さっさと行くです」

 とパルマの行動に、苦笑いしながらついて行く。

 宛がはずれたから。

 シーリャルの腕を、治す方法を考えないと。

 可愛そうだしな。

 王都の外に出て。

 広い場所に向かう。

 王都からそこまで離れてなく、目視できる距離だ。

 「まず。身体強化を使うです」

 とパルマに言われ使う。

 「身体強化も、強弱を付けられるです。中には、足だけとか出来るようですが。お前には無理そうです」

 「なぜだ?てか、そろそろソウダイと呼んで欲しいのだが?」

 「お前は、お前なのです。そこのミー?さんの方が上手く使えるです。あんたには向いてないです」

 「見ただけでわかるのか?あとミーパな!」

 「うるさいです。私は魔力の流れが見えるのです。繊細な魔法は、あんたには向いてないです。失敗しても大丈夫なように、こんな場所にしたです」

 「なる程。らしいぞミーパ。ミーパは凄いんだな」

 「凄くないでしゅ。私は約立たずでしゅ」

 ミーパは自信がなさすぎる。出来るだけ褒めて伸ばそうと思っている。

 「身体強化を教えたから。お前は、魔法を使えるです。魔力の流れを意識して、火を出すイメージをするです。小さいサイズを、イメージしないとお前はダメなのです」

 と言われやって見るが出来ない。

 難しいなーなんて思っていると、パルマはシーリャルに片腕に強く身体強化をするコツでも教えているようだ。

 面倒見もいいし、優しい。マサヤに、オススメしたいがユカリがいるし。

 俺にできる事は無いか?と思ってしまう。

 けして、マサヤとユカリの仲を引き裂きユカリを俺のものに!なんてつもりは無い(笑)

 

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