第29話

 私の名前は、クーエ。

 商人の家に生まれ。3女と言う事もあり、雑用をやらされていた。

 毎日食事を作るのは好きだし、掃除・洗濯も嫌いじゃない。

 このままの生活が続けばと思っていた15歳の時。姉2人が嫁に行き商売を、覚える事に。

 父は、私が成人するのを待っていて、長女は貴族。次女は聖職者の元に、嫁がせたらしい。

 次女とは仲が良かったが、長女には虐められていた。

 18歳になり、商売の面白さにのめり込んでいた私。

 周りから優秀だと!褒められる事も多くなっていた。

 だが父は、私に店を乗っ取られると思い。。

 私は、罠に嵌められ奴隷にされてしまった。

 邪魔なら、姉たちのように嫁がせて欲しかった。

 奴隷となったが、すぐに買い手がつき。飲食店の定員となった。

 金貨5枚は安いと思ったが、頑張ればすぐ開放される。そうも思っていた。

 でも、父と店長はグルで1年で開放される予定が。

 ワザと、お皿洗いばかりさせ。壊れかけたモップを使わせたりし、割ったり壊れたりしたら、買取額の値上げをして来た。

 このままじゃ、使い潰されてしまう。

 そんな時、モーヒガ様に目を付けられてしまった。ペットになってしまえば、死ぬまでペットだ。それは嫌だと必死に抵抗していると。

 若い少年が助けてくれた。ずっと怖くて震えていた私を。抱きしめ頭を優しく撫でてくれた。

 嬉しい。

 この人なら、優しくしてくれるかも?

 一緒にいたいとも思ったが。奴隷にそんな自由はない。

 店内に戻りお礼を伝えると、店長から首宣告され。

 一人で放り出されたら、モーヒガ様にどんな目に合わされるかわからない。

 でも、またも、この人が助けてくれた。

 せっかく、この人の奴隷になれたのに!開放何かヤダ!

 新しい奴隷を、購入されると聞き。私は、捨てられるのでは?

 と、怖くなったが違うようだ。

 サリー様いわく。

 そんな心配はいらないから。自分のできる事をしていれば、良いでしょうと言われた。

 だから、値引き交渉は頑張った。

 頑張っている私を、キルカ様は褒めてくれたけど。ソウダイ様の為にかなり安くなったと思う。

 ソウダイ様が、褒めてくださって嬉しかった。

 もっと撫でて欲しい。

 サリー様は、ソウダイ様を良く知っているようだった。

 ちょっぴり寂しく感じた。

 あっという間に、私以外に3人も奴隷を増やされた。

 本当に大丈夫なのでしょうか?

 ハートさんは、ソウダイ様に冷たいけど。私達には優しくしてくれた。

 シーリャル様は、片腕が無いので。ソウダイ様に抱いて貰って、捨てられないようにしたいと言っていた。

 私も、抱いて欲しいと思ったけど内緒にした。

 ハート様も、シーリャル様もスタイルが良いから、私は無理なのかな?

 私は戦闘スキルを持っていない。皆みたいに役立てない。不安で、ミーパ様に慰めて貰った。

 ソウダイ様の役に立てるように、頑張ろうと思った。


 私の名は、ハート。

 20歳の時。

 冒険者になり、周りから褒められ天狗になっていた。

 22歳の時。

 他の、ハッピーの獣種族に嵌められた。

 私の事を、妬み・嫉妬して嫌がらせされても平気だったが!

 私が、信頼していた仲間を騙し。人族に、襲われ。ボロボロにされた。

 そんな時。マーエさんが、助けてくれた。

 新しい住まいや、食事。怪我の治療等。色々して貰ったのに、素直になれず。逃げ出してしまった。

 後悔して、マーエさんを探したが見つからず。

 仕事で失敗して、借金を抱え。奴隷になってしまった。

 自分の事など、どうでもいいが、せめてマーエさんにお礼が言いたかった。

 購入しようとしてくれた人もいたが、信用できず。

 また、裏切られる怖さがあった。

 だから、人族が私を購入しようとしていた時も、『人族が嫌いだ』と言ったのに!気にしていなかった。

 少し信用できるかな?なんて思っていたら、マーエさんの名前を出され、頭に血が登り!

 マーエさんに何をした!と思い襲いかかろうとした。

 けど、出来なかった。奴隷だから。息ができなくて苦しいけど、それより!悔しかった!

 目が覚めると、購入が決まっていて早く開放されこいつを殺す!

 そう思い。1日何もしなくても、銀貨1枚貰えるように細工した。

 バレていないと思う。

 服や、武器をくれるなんて!こいつは、馬鹿なのだろうか?

 奴隷なんて使い捨てが基本なのに?こいつの事が、わからない?

 魅了して、良いように使ってやろうと思ったが、流石にばれて取り上げられた。

 悔しいが別の方法を考える事にした。

 奴隷の食事を銅貨2枚?やはりこいつは馬鹿なのだろう(笑)

 マーエさんの事を早く話して欲しいが、どうすれば良いだろう?馬鹿だからなんとかなるか?

 と考えていたが、異世界人?レベル1,050?駄目だ。こいつには勝てない。

 諦めかけた時。マーエさんの事を話し始めた。本当なのだろうか?配達の仕事なんか楽勝だ。

 こいつを信じても良いのかもしれない。

 でも、馬鹿すぎるのが心配だ。

 私がしっかりして他の奴隷を守らなくては!

 でも、マーエさんに逢いたい。

 月に一度ではなく!時間があればこいつの元に来ようと思った。


 私の名前は、ミーパでしゅ。

 役立たずで、親にも捨てられたでしゅ。

 冒険者にも、いつも捨てられるでしゅ。

 役立たずでしゅ。

 食事も、服も、寝床も、武器も、まともだったこ事など無いでしゅ。

 また、購入希望の方が来たでしゅ。

 今度は、捨てられないようにがんばるでしゅ。

 服を貰えるでしゅ?

 武器や防具もでしゅ?

 食事や寝床が一緒でしゅ?

 こんなに優しい主様は、初めてでしゅ!

 捨てられないか、不安でしゅ!

 クーエ様も、同じ気持ちでしゅか?

 妹が出来たみたいで可愛いでしゅ。

 明日から主様の為にがんばるでしゅ。


 私の名は、シーリャル。

 冒険者として活躍し、Aランクまで登り詰めたが、ミスを犯し。

 片腕を無くした。

 1年もの間、眠っていたらしい。

 仲間はいない。

 持ち物、金も無い。

 治療費が馬鹿みたいに高く。

 奴隷になるしか選択しが、なかった。

 誰が来ても、購入される事は無かった。

 片腕の、タンカーなんて欲しがる者はいない。

 呼ばれたが、買われる事は無いだろうと思っていた。

 簡単に購入された!(笑)

 この主に捨てられたら、次はない。

 何としても、気に入って貰わなければ!

 抱かれるのが、1番か?

 こんなに優しい主がいるのか?

 キルカ殿が、高い武器や、防具を選ぶが、私は奴隷。こんなのありえない。

 やはり駄目だったが、ランクを下げてもこんな良いものをいいのだろうか?

 それに、サリー様と知り合いとは只者ではないのだろう。

 レベル1,050?私達をどうするつもりだ?

 それだけ強ければ、我等などいらないだろうに。

 やはり体目当てか?でも、契約には無かった。

 他の奴隷を守る為にも、強くなりたい。

 

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